三木正夫 好きです須坂! がんばろう!

信州須坂から徒然なるままに様々なことを書き記してまいります。

日本経済新聞 20160315 大機小機 マイナス金利の心理学

2016年03月15日 | Weblog

日本経済新聞 20160315 大機小機

マイナス金利の心理学(要旨)

 マイナス金利、投資促進などプラス効果よりマイナス効果が目立つ。

 そこには日銀の誤算がある。勤倹貯蓄を旨とし資本主義の発展を支えてきた地道な日本人に突然、「宵越しの金は持つな」と江戸っ子気質を求めても戸惑うばかりだ。

 特に高齢者に不安が広がる。預金の利子はこれまでの「通帳のしみ」よりさらに減る。頼みの投資信託も運用不能になる商品が出てきた。そのうえ年金運用が厳しくなるといわれれば消費を手控えるしかない。

 銀行の融資を増やし経済を活気づけるのがマイナス金利の狙いだが、逆効果が懸念される。日銀は預金金利はマイナスにはならないと公言する。だとすると、国際決済銀行(BIS)も警告しているように、銀行の収益圧迫は避けられなくなる。金融システム不安につながりかねない。

 地方銀行などは融資増どころか融資の選別に動かざるをえなくなる。地方創生どころではなくなる。

 この金融システム問題はリフレ派が席巻しそうな日銀政策委員会では脇に押しやられる心配がある。

 マイナス金利による利払い負担の軽減で財政規律が緩む恐れもある。日本はマイナス金利を導入する欧州諸国と違い、先進国最悪の公的債務を抱える。マイナス金利と財政赤字の組み合わせは、日本経済の将来に深刻な課題を積み残す。

 日銀が学ぶべきはマクロ経済の論理を超えた「マイナス金利の心理学」だろう。資本主義の常識から外れたマイナス金利は日本経済が袋小路に陥ったことを物語る。金融緩和頼みの限界を示す。将来の不安は経済活動を萎縮させる。人々の感情や企業家の心理を読めなければ政策は成功しない。「クールヘッド」(冷静な頭)とともに「ウオームハート」(温かい心)が求められる。

 黒田東彦総裁は読書家で知られる。高校時代、図書館の本を全て読破したという逸話がある。後輩が真偽を確かめたところ、「小説を除いて」という答えが返ってきたという。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。