すべてのはじまりは→ココから
日干しレンガを積み上げた、素朴でそれでいてモダンな雰囲気を漂わせるデザインの外壁を超えて数十メートル歩くと無機質なビルの入り口にたどりついた。
ボクはエレベータでその当時まだ増築拡張されたばかりだった七階へと向かった。
長らく五階にあったアートラボの機能がまるごと七階へ引っ越した。そしてさらにいろいろなアップグレードもなされたという。
七階が増築される前には当然、六階の増築工事というのもあったわけだが、六階のオフィスでは全く日本語が通じなかったため、そこにボクが足を運ぶことはなかったのだ。
エレベータが七階に到着しドアが開くと新築ビル特有の建材や内装材の匂いがプーンと鼻をつく。
エレベーターホールには大きな絵がかけてあった。ホタテ貝と裸婦をあしらったその構図には見覚えがあるのでなにか有名な絵のレプリカだということはわかるのだが、作者名らしき長ったらしい記述は英語ではないのでボクには読めない。…アレッサンドロなんとかと書いてある。
同じアレッサンドロのレプリカなら、ボクだったらデル・ピエロのレプリカ・ジャージーのほうがよっぽど興味がある。
小一時間かけてとりあえず一通り各部署に挨拶を済ませたつもりだったが、1つある場所の存在を忘れていたことに気が付いた。
「螺旋の間（スパイラル・ショーケース）」はどこにいったんだろう？
いままではプラグイン・デヴィジョンにあったはずだが…。
都合良くそこに白衣を着たスタッフが通りかかったのでボクは尋ねてみることにした。
「あの、すみませんスパイラルシ…」
「ああ、それならツール・デヴィジョンにありますよ」
スタッフはもうその質問は聞き飽きたという調子でボクの質問を遮るようにそういうと、さっきよりも早足でその場を去っていった。
なんとなく嫌な予感がした。
ボクは小走りでツール・デヴィジョンへと向かった。
そしてノックをするのも忘れ「螺旋の間」のドアをあけた。
予感は当たった。
ボクは思わず叫んだ。
「あ、あなたはベルヌーイ博士ではないですか！」
「いかにも、そうじゃが…それより、キミは一体なんなんだね？ノックもしないで」
「アルキメデス博士はどうしたんです？！」
「なにを言っとるんだね。私は6階の時からすでにここの主じゃ。そういえば6階拡張のときはキミは見なかった顔だな。さては日本人だな？」
「ア、アルキメデス博士はどうしたんです？！」
「私が今ここにいる。それが答えじゃよ。時代は黄金分割なんじゃよ」
ホクはまた叫んだ
「ア、アルキメデス博士はどこへ行ってしまったんです？！ま、まさか」
次の瞬間、ボクの身体は宙にに浮いていた。
二人の屈強な男に両側から腕を掴まれ、そこからつまみ出されようとしていたのだ。
右にいたのはアルキメデス派の抵抗勢力の一人だった“Ωガイ”だ。
左側の男にも見覚えがあった。“暗門騎士”だ。
薄れゆく意識の中でボクは叫んでいた
「おめーのツラは黄金分割ぢゃねーだろがぁ！…」
…暗転
そんなわけでつい2～3日前に気が付いたんだけど、イラレのスパイラルツールってver6から対数螺旋しかできなくなっている。
矢印キーとかでいろいろと細かい操作ができるようになっていたんでてっきり機能が増えただけだと思いこんでいたんだが、いろいろ試してみてもやっぱりダメだった。
黄金分割だかなんだか知らないが、どうしても二者択一しろというなら、デザインツールとしてはむしろベタな螺旋（アルキメデス式）のほうが使い出があると思うんだけど。
だって最悪、ベタ螺旋も球面変形かければそこそこ対数螺旋っぽくはなるしね。逆は至難。
オウム貝のスパイラルって世にも美しい黄金分割だっていうんだけど、おいらにいわせりゃもう二周り分くらいカーブを緩くしたほうがイイ感じに見える気がするんだけどどうだろう？
な～んてブーたれていても仕方がない。
世の中にはPhotoshop5 & Illustrator8以前は知らないという若いDTPユーザーもいるかもしれないし、この企画の目指すところは
全員参加、みんなでハッピー
だもんで
イラストレータ5.Xで作った螺旋の部品を「ヒント その6」のファイルとしてDL可能にしよう。
ただし、イラレとの分業の配分まで明かしてしまったこの段階において、このファイルを手中にしてしまうとクイズは90％以上解決したも同然になってしまうので
「ヒント その1」のときみたいにパズルっぽい演出をしておく。
でもって
元々の「ヒント その1」はもはや陳腐化してしまったともいえるので、こちらのほうはファイルの中に「ヒント その6」のファイルのアドレスを記しておくことにする。
改訂後にはじめてきたって人にはかえってややこしくなってしまったかな。まさにスパイラル地獄（笑）
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