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3月定例会 一般質問全文

2014年03月15日 | 議会一般質問

      平成26年3月12日

3月定例会 一般質問全文

草の根
井原 寿加子

 この度は知事ご就任、おめでとうございます。若さと経験で、この山口県をリードしていただくことを心から期待しております。
 就任されてまだ2週間あまり、どのような山口県を作られるのか、これから具体的な構想を練られ、政策づくりをされるのだと思いますので、細かい点は次回以降に譲りたいと思います。

 ただ、今、県民の多くの方が知りたいと思っていることは、知事が今後どのような考え方、姿勢で、県政を運営しようとしておられるのかです。そこで、今回は、知事ご自身に対する質問が中心になりますが、ぜひ、率直なお考えをお聞かせください。

1.知事の所信表明について
 
 所信表明演説は、言うまでもなく、県政に臨む知事の基本的な考え方を県議会と県民の前に初めて明らかにする大切なものです。私ももちろん、議員の方々、そして多くの県民のみなさんが注目する中、知事の方針に対する理解を得る絶好の機会だったと思います。しかし、残念ながら数分という短時間で、抽象的な当たり障りのない言葉が多く、中身がよくわかりませんでした。

 そこで、まず、この所信表明の内容について、少しお聞きいたします。県政のトップ、政治家として、その胸の内を率直に語っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
 知事は、活力ある山口県を作るとし、そのための5つの政策の柱を掲げられています。
 山口県を元気にする、「人」を育てる、いのち・安心を守るなどですが、これらは、選挙公報に掲載された内容とほとんど変わらず、あまりにも抽象的で、どこの県に持って行ってもそのまま通用いたします。これでは、知事が何をなさりたいのか、どのような県にしたいと考えておられるのか、よくわかりません。

 政策に優先順位をつけて、限られた財源を効率的に、重点的に配分するということがまさに政治だと思いますが、何を重視しておられるのか、その点もよくわかりませんでした。
 例えば、「元気にする」、「いのち・安心を守る」と言っても、中身は無駄な公共事業をどんどんやるというのでは、安倍総理の手法と同じで、それでは、経済効果は限られておりますし、財政は一層悪化することになりかねません。

 「人を育てる」と言っても、今、教育委員会制度の改革が議論され、教育に対する政治の関与が強まろうとしています。岩国では、突然2年前から社会科教科書が変えられました。教育行政についても、政治の影響が少なからずあるように見えます。教育は本来自由であるべきだと思いますが、知事は、教育に対してどのような考えをお持ちなのでしょうか。お答えください。
 また、地域を活性化させると言っても、生易しいことではありません。

 以上、いろいろ感想を述べましたが、5つの政策の柱について、これだけでは、単なる掛け声、標語に過ぎません。政策というからには、具体的な目標と、それを達成するための方法、期限、そして財源の裏付けまでを示すべきです。就任直後ということですが、せめて、どこに重点を置かれるのか、具体的な政策目標と、実現方法について、現時点における政治家としての思いを述べていただきたいのですが、いかがでしょうか。

 
2.知事の基本姿勢について
 
 知事の政策については、今後その具体的中身が明らかになった際に改めて議論することとしまして、今回は就任後初めての議会ですので、政策以前の県政運営に臨む知事の基本姿勢について、3点ほど、質問し確認しておきたいと思います。

 ① 議会と行政の関係について
 県議会の多数は知事与党であり、議案はすんなり通っていきます。いきおい、議会は形式に流れ、行政にはその場を無難にやり過ごせばいいというような空気、意識があるように見えます。
 それでは、議会制民主主義は機能しなくなってしまいます。私たちにとって、この本会議での質問は、知事と1対1で対等に議論ができる貴重な機会であり、最も大切な仕事の一つだと思い、毎回真剣に取り組んでまいりました。

 そこで、お聞きいたします。
 知事は、議会の役割、行政と議会の関係について、どのようにお考えでしょうか。
 また、公開されたこの本会議場で、私たちの問いや疑問を正面から受けとめて、堂々と議論していただきたいのですが、いかがでしょうか。
 また、その大前提として、こうした議論が真実に基づくものでなければなりません。そこで、知事、私たちの質問に対して、必ず真実を答える、嘘は絶対に言わないと、さらにこの県議会で発言されたことはきちんと守っていただくことを、議員、県民のみなさんの前で明確にお約束いただけないでしょうか。

 これは、当然のことで「イエス」と端的にお答えいただけると思いますが、国では、いわゆる日米間の「核持ち込みの密約」について、長年にわたり、その存在を隠し、国会で繰り返し「密約はない」と嘘をついてきました。先日、安倍総理自ら、これまでのやり方が誤りであったことを認めました。国でさえこのような状態です。議場での発言が偽りであれば、議論の前提が崩れてしまいますので、よろしくお願いします。

 ② 次に、法令を守ることについてお尋ねいたします。
 日本は法治国家ですからこれも当たり前のことですが、法律、条例、そして憲法を必ず守ると、知事にはこの場で約束していただけないでしょうか。
 傍聴のみなさんや県民のみなさんは、それは言わずもがなだと思われるでしょうが、今の政治を見ていると、こんな基本原則すら守られていないのが現状です。

 岩国で長年実施されてきた愛宕山開発が突然中止され、今米軍住宅が建設されようとしています。良好な住宅地の造成を目的とした都市計画法の趣旨に反することは明白です。
 また、安倍総理は、憲法の解釈を政府自ら変更して集団的自衛権の行使を認めようとしていますが、長年の確定した解釈を変更することは、決して許されることではありません。                                                                                                                                                                                                                             
 政治、行政は、自らの都合のいいように法令の解釈を行い、勝手に適用するという、残念ながら法治国家とは思えない現実があります。

 ③ もう一つ、知事の政治のすべての土台となるものであり、この機会にぜひ確認しておきたいことがあります。それは、民主主義と地方自治に対する考え方です。
 具体例を出しましょう。
 先日の沖縄県名護市の市長選挙で、普天間基地の辺野古移設の是非が大きな争点になり、反対の立場を貫く現職市長が再選されました。しかし、政府により、この民意は無視されようとしています。
 政治にとって民意は何より重いと純粋に思うのですが、国防や日米関係という論点は別にして、こうした状況を民主主義という視点から、知事はどのように思っておられるのでしょうか、お聞きいたします。
 また、岩国基地や上関原発など国策と言われる問題について、地元への被害が大きく、住民の意思、民意と国の方針が相反するような場合には、知事は、端的にどちらの立場に立たれるのでしょうか、率直なお考えをお聞かせ下さい。

3.原発問題について
 ① 
 
あの3.11の大震災、福島原発事故から3年が経過しましたが、福島原発は、安倍総理の言う「コントロールされている」とは程遠い状況にあり、多くの人たちがいまだに避難を余儀なくされ、帰還の目途さえ立っていない状況にあります。

 先日8日には、ここから近い維新公園で、「上関原発を建てさせない山口県民大集会」が開催されました。私も参加しましたが、会場は若い人から高齢者まで多くの人の熱気に包まれ、原発に反対する県民の大きな意思が改めて示されました。

 ここに、一つの市民からの提言があります。岩国において市民が中心となって政策に関する勉強会が開催されており、この度、その成果として、「原子力発電に対する市民からの提言」がまとめられ、知事のお手元にも届けられているはずです。詳細な中身はおくとして、「福島の事故を教訓に、原発政策を、人類の安寧、倫理の視点で見直すべきであり、「脱原発」を直ちに宣言することを日本政府に強く求めます」と結論付けています。私も、これに全面的に賛成します。様々な世論調査を見ても、原発をなくすというのが多くの国民の願いだと思いますが、原発に関する知事の基本的な考え方をお聞かせください。

 原発を含むエネルギーの問題は、私たちの生活のあり方を変えるかもしれない重要な問題として、国民みんなが真剣に考えるべき課題であり、「国のエネルギー政策の動向を見守りたい」などというお役人的な答弁ではなく、政治家である知事として、ご自身の言葉でぜひお聞かせください。

 ② 上関原発埋立延長申請の取り扱いについて
 上関原発埋立免許の埋立工事の竣功期限が経過したのは、1昨年の確か10月、延長申請はすでに1年半も店晒しにされています。
 延長申請に対しては、その時の状況、必要性に応じて、速やかにその可否を判断すべきであり、長期間にわたっていたずらに処分を保留することは、公有水面埋立法に基づく延長の許可権限を大きく逸脱しており、権限濫用、違法行為ではないでしょうか。さきほどお聞きしました法律を守るという視点から、知事のお考えをお聞きいたします。

 また、国では、現在「エネルギー基本計画」が検討されています。その中で、原発は、「ベースロード電源」、カタカナ言葉を使い国民をごまかそうとするのは官僚の常套手段ですが、つまりは重要な電源として位置付けられていて、福島の教訓を忘れたかのように原発政策が元に戻ろうとしています。
 そこで、お尋ねいたします。上関原発埋立延長申請に対する県の判断は、いつ頃行われるのでしょうか。また、今後策定される国のエネルギー政策の動向により、その判断が影響を受ける可能性があるのでしょうか。

4.基地問題について
 KCー130空中給油機15機が、今年の夏には、岩国基地に移駐することになっています。
 岩国市長は、これまで一貫して、「普天間基地移設の見通しが立たない限り先行移駐は認めない」という姿勢でしたが、突然沖縄を訪問し、沖縄の負担軽減のために受け入れると表明しました。
 まず、確認いたします。これに対する県の考え方を明らかにしてください。県も事前に了解していたのでしょうか。そうであれば、どのような理由でしょうか。

 また、前回11月定例会での私の質問に対して、県は、KC-130空中給油機の移駐時期について「普天間基地の全面返還に係る諸条件が整う前の先行移駐は認めない」と明確に答弁されていましたし、議事録にもきちんと残っているはずです。今回、先行移駐を認めるということは、普天間基地の全面返還の見通しが立ったということなのでしょうから、ここに言う諸条件がどのように整ったのか、ご説明下さい。

5.山口の食材を生かした取り組みについてお聞きいたします。
 Nous vous offrirons  un accueil vraiment unique.
 これは昨年9月8日、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われたオリンピック誘致のプレゼンテーションで滝川クリステルさんが、あのおもてなしの前に言った一文です。「私たち日本人は、特別なおもてなしで皆さんをお迎えします」 という意味ですが、これを聞いていて私は、わが山口県も観光客誘致に対して、まずこの心遣いが一番大切だと感じました。

 岩国錦帯橋空港が県内2ヵ所目の空港として開港し、搭乗率は上々のようです。しかし、岩国市内のあるホテルでの宿泊客数は開港前と変わらず5割足らずで決して増えてはいません。本県全体でも、観光客は増加しているものの、目標としている宿泊客数500万人には、まだまだ達していないのが現状だと思います。過去3年間の観光客数と宿泊客数の推移をお示しください。また目標達成に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのかお示しください。

 こうした中、本県の魅力を発信するため昨年には、美食王国やまぐち親善大使としてピエール・ガニェール氏を任命し、県内の食材を生かした食文化の推進を進めようとされていますが、具体的なこれまでの活動の実績をお示しください。また、新年度については、どのような取り組みをされるのか、予算規模はどれほどの予定かお示しください。

 私は前回上京した折、少し背伸びをしてガニェール氏のレストランで食事をしました、また、長門市出身の料理長を訪ねてあるホテルの日本料理店でも昼食と夕食をとりました。こんなお料理が本県でもいただけるのであれば、すぐにでも出掛けて行きたいですし、宿泊者の増加は間違いありません。フグを代表とする海産物も、牛肉・鶏肉やレンコン、みかんなどの農畜産物、そしてお酒など、フランス料理や日本料理の食材としてふさわしいものが本県にはたくさんあり、これらをもっと生かして山口県の特長を発揮すべく、行政の後押しが必要だと考えます。折しもユネスコの無形文化遺産として和食が登録され、本県でもさらに食を前面に出しての観光客誘致をすべき一番よい時期だと思います。

 公共事業と言えば、道路や橋、建物などのいわゆる箱モノを想像してしまいがちですが、県産食材をもっとおしゃれに変身させ、魅力ある料理に育てることも立派な公共事業ではないかと思います。旅行の目的は、観光地を巡ることはもちろんですが、宿泊して食を楽しむことも大きな誘因です。
 ハードに予算を投入するばかりでなく、観光客誘致に向け、こうした山口の食を生かしたソフト面の充実に力を入れていくべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。

コメント (1)
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