京都にて・・・６①

東京芸大のＳＨＯＰで↑

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日本で最初？のギグ開催（1）
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「京都にて・・・4」で、高校１年生の男の子の家庭教師をやっていたって話をしたが、
その男の子、通称「ビデ」の話をしよう。
二人で日本で最初のギグ（パンクロックのコンサート）を華々しく開催した話を。

ビデとの出会いは、千中ミュージックというストリップ劇場のすぐ近くにあった
喫茶店？のようなところだった。
そこは、胸元ぐらいの高さの小さな扉を開けて中に入ると、絨毯敷きの２階構造に
なっていた。
靴を脱いで、その1階か2階の絨毯にペタリと座って、コーヒーなどを注文する。
室内は真っ暗で、絨毯に埋め込まれたライトが少しばかりの明かりだった。
それでもって、この空間の天井高は普通の1階の高さしかない。
1階が2畳、2階が4畳半ぐらいの大きさである。
建築基準法違反？だかで、喫茶店の許可が下りず、お客のカンパで運営していた。

いつもの通り土曜日に、映画館のアルバイトが始まるまでの時間をココで暇潰し
しようと、小さな扉を開けて中に入った。
すると１階のところで、私の顔を見つめてニコニコしている美少年がいる。
なんか間違えているに違いない。と直感が走る。
しかし、ニコニコしているので、なんか用があるのかなと横に座ると、いきなり
馴れ馴れしい話し振りでパンクロックについて熱く語りだすではないか。

丁度そのころ、パティ・スミスのスライド上映会や詩の朗読会が流行っていて、
ここの常連客（ほとんど女子高校生）もそういうイベントに通っていたから、
その伝手で、ビデはここに来たのだろう。

ビデがあまりに熱く語るので、これはかなわないからと、店内にいる女子高校生に
声をかけては一通りの人間関係を紹介してやった。
2階にいた女の子も下に降りてきて、2畳の空間はムンムン満員御礼になってしまった。
成安・明徳・平安女子・山城・ノートルダム・華頂・朱雀、はみだし女子高校生の
宝石箱である。御初の男の子となれば興味津々、アドレナリン逆流、フェロモン放出！
「辺境！こいつ誰？」
「可愛い顔してるやん」
と聞かれても、ワテもついさっき知り合ったばかり。ホボあんたらと同じ環境。
まんず、高校生同士、仲良くやったって。と言ってアルバイトに出かけた。

実はこの日、喫茶店？に女子高校生が集合していたのは、10時からのオールナイトに、
タダで日活ロマンポルノを観せてやると約束していたからである。
約束したのは二人だけだったが、集合したのは10人になっていた。

辺境「あんなぁ、最初に言うとくけど、10時からの映画ね、谷なおみって言ってね、
　　　縄で縛って、鞭でしばいて。っていうヤツなんよ。ええのそれで？
　　　その次の『女子高生すっぽん芸者スッポンポン』からにする？」
女高「そんなん言うてもな、早よ帰らな、親に怒られるやろ」
辺境「あんなぁ。ワテはあんたを誘ってない！」

10時になって、切符売りのおばさんに頭を下げて、この10人を劇場に入れた。
映画館の前でポスターを見て、すけべえ、変態、痴漢と大騒ぎしたわりには、
しずしずと館内に入っていった。
ワタシャ切符のもぎりをやっていたので、中の様子は全くわからない。
放置プレイである。
おとなしくしていてちょーだい。

あれっ、何の話やった？ビデ、そうビデ・・・・
あの日、喫茶店？に置いてきたままだった。
つづく。