オプションマスター“ウィザード”への道

ウィザードとは…魔法のように儲ける一握りのトレーダーにのみ与えられる最強の称号

ロングストラングル…お気に入り度☆☆☆

2006年06月19日 01時08分40秒 | オプション講座・中級編
ロングストラングルは同限月でOTMのコールとプットを買うポジションです。デルタはできるだけ0になるように仕掛けます

ギリシャ文字を分析すると、それぞれ、

デルタ…ほとんど0
ガンマ…+
ベガ…+
セータ…-

になります。デルタはニュートラルになるように仕掛けるので、原資産価格の変動がこのポジションに影響を与えることはありません。しかし、ガンマがプラスなので原資産が上昇するとポジション全体が徐々にデルタロングに変化していきます。そのため、原資産が上昇すればするほど利益になります。同様に原資産が下落するとポジションが徐々にデルタショートになっていくので、原資産が下落すればするほど利益になります。要するに、上昇・下落を問わず、相場が動けば動くほど利益になるということです。ベガはプラスなので、IVが上昇すれば利益になり、IVが下落すれば損失になります。セータはマイナスなので時間が経過すればするほど損失になります

より深く分析してみます。デルタはポジションに影響しません。ガンマは常に味方なのでガンマの効果を活かす為にデルタ・ガンマともに大きい、ATMにより近い権利行使価格を選びます。しかし、ATMはかなり大きい出費ですし、セータが最も大きくなるので、ガンマとセータのバランスを考えて権利行使価格を選ぶ必要があります。また、Far OTMは利益になる確率が低いので避けます。また、ベガを味方につけるためにIVが上昇すると予測している時に仕掛けます。それから、できるだけ支払いプレミアムを安くあげるためにIVが低水準の時に仕掛けることも大切です。セータは常に敵なのでセータを弱らせるために残存期間の長い限月を選びます。

まとめると…

ロングストラングルの仕掛け時

  1. IVが低水準で、なおかつ上昇を予測している時に仕掛ける

  2. 残存期間の長い限月を選択する

  3. Far OTMは選ばない

  4. ガンマとセータのバランスを考えて権利行使価格を選択する

  5. 相場が上昇するか下降するか分からないが、大きくどちらかに動きそうな時に仕掛ける


といった感じでしょうか。次に手仕舞いの仕方を考えます。

手仕舞いのポイント

損切り

相場が動かずにセータでプレミアムが削られていった場合には両方のポジションを損切る

○○円下がったら損切る、○分の1になったら損切るなど投資家のリスク許容量に見合った損切りをすべきです。2つ合わせると結構な支払いプレミアムなので、SQまで買い捨てるのはもったいないと思います。

ポジション全体では損失だが、相場がある程度動いている場合、取り残されている方のポジションのみ損切る

このパターンはある程度思った通りになってるので、利益になっている方のポジションのみ残した(要するに単純な買いポジション)方がいいでしょう。その後はコールの買いプットの買いの記事を参考にしてください。

利食い

相場の動きは地味だが、IVの上昇によって利益が出ている場合、全体を利食う

相場の変動が思い通りではなかったにも関わらず利益になっています。運良く利益が出た形なので、利食った方が無難です。

相場が激しく動き、ポジション全体でも利益が出ている場合、取り残されている方のポジションのみ手仕舞う

全体を手仕舞って利益を確定させてもいいのですが、ここは損失を出している方のみ手仕舞って利益を追求する方がいいと思います。②と同様、その後はコールの買いやプットの買いの記事を参考にしてください。

このポジションは相場が動けば動くほど利益になりますが、動かなければタイム・ディケイでどんどん削られていきます。仕掛けの具体的としては決算前や重要な経済指標の発表前、もしくは三角もち合い相場などがいいと思います。


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