オプションマスター“ウィザード”への道

ウィザードとは…魔法のように儲ける一握りのトレーダーにのみ与えられる最強の称号

コールの買い

2006年06月17日 18時31分54秒 | オプション講座・中級編
まずはコールの買いを考えます。コールの買いポジションのギリシャ文字はそれぞれ、

デルタ…+
ガンマ…+
ベガ…+
セータ…-

ですね。これを分析していきます。デルタロングなので、原資産価格が上昇すれば利益になり、下落すれば損失になります。ベガはプラスなのでIVが増加すれば利益になり、減少すれば損失になります。セータはマイナスですから、時間が経てば経つほど損失が発生します

このことからコール買いの性質が見えてきます。コール買いは原資産価格の上昇かIVの上昇(もしくはその両方)を予測して仕掛けます。セータは常に敵なので、デルタandベガセータの構図が出来上がるのです。セータによる損失を補って余りある原資産価格とIVの上昇があって初めて利益になります

ここで、IVの性質に触れておきます。日経225オプションの場合、原資産価格が上昇するとIVが下落することがよくあります。特にIVが高い水準にある時は、かなりの確率で原資産価格の上昇と同時に下がりますIVが低い水準にある時は原資産価格の上昇とともにIVも上がることの方が多いように思います。原資産価格が下落するとIVは大抵上昇します

上記のIVの性質を考慮して仕掛け時を考えて見ましょう。と、その前に仕掛けるべきではない典型例を紹介します。原資産価格が下落したあとのリバウンドを狙う場合はコール買いは仕掛けるべきではありません。なぜなら原資産価格が思惑通り上昇してもIVが減少する(原資産価格の下落によりIVが高いところにある→高いところにあるIVは原資産価格の上昇により下がる)ことにより利益が少なくなります(場合によっては損失もありえます)。ベガが敵に回り、デルタベガandセータになってしまうのです。ベガとセータをデルタ一つで上回らなければ利益にはなりません。こういった局面でリバウンドを狙うのであれば、単純に先物を買うか、プットを売る方が賢明です(プット売りについては後述します)。ちなみに、このような理由で原資産価格が上昇したのにコール買いが損失を出すケースをボラティリティ・インプロージョンと言います。

では、コール買いを狙う状況を考えて見ましょう。セータが敵なのは絶対なので、デルタとベガを味方にしなければ話になりません。そこで、コール買いを仕掛けるには、原資産価格が上昇すると考えられ、なおかつIVも上昇すると考えられる局面で仕掛けます。また、セータを弱らせる(理由についてはタイム・ディケイの記事を参照して下さい)ために残存日数の比較的長い限月を選択します。そして、デルタを活かすためにFar OTMは選択しない(Far OTMはデルタが小さい)ようにしましょう。

以上のことをまとめると仕掛けのポイントは以下のようになります。

  1. 原資産価格の上昇を予想

  2. IVが低水準にあり、かつ上昇を予想

  3. 残存日数の比較的長い限月を選択

  4. Far OTMは選ばない


となります。3、4は自分の意思で選択可能なので、1、2が望める時には仕掛け時だと言えそうです。


手仕舞いのポイント

手仕舞いについてはいくつかのパターンが考えられます。

損切り

①損切らない

損失が限定されているためこれも許されますが、勝算が薄いときは転売して僅かでも取り戻すほうが良策だと思います。

○○円以上含み損が出たら損切る、○分の1になったら損切るなど

①よりはこちらをお勧めします。

利食い

③プレミアムが○○円以上になったら利食う、○倍になったら利食うなど

ある程度利益が出た場合は利食った方が無難です。上昇の勢いが弱まったところでIVが減少することが多いため、上昇が弱まった段階で(たとえ僅かながら上昇していても)利益が減っていくからです。また、セータが敵だということも忘れてはいけません。

ある程度利益が出たところで買っているコールよりアウトのコールを売ってブル・コール・スプレットへと移行する

これについては後述します。僕的には③より④がお勧めです。




最新の画像もっと見る