カトリック教会の問題

公会議後の教会の路線は本当に正しいのでしょうか?第二バチカン公会議後の教会の諸問題について、資料を集めてみたいと思います

なぜ今カトリック者たちは、困惑しているのでしょうか

2017-06-10 23:42:46 | 公開書簡
 このような混乱はあらゆるところに見受けられるのです。日常会話、書籍、新聞、ラジオ、テレビ、カトリック信者たちの日常の行動において、至る所に。統計が示すように、それは、ミサと秘蹟に対する不満と倫理の全般的なゆるみと言ったように、信仰を実践にうつすことが急激に激減していることから明らかになっています。

 ですから、一体何のためにこの様なことになってしまったのか?と私たちが問うてそれは当然でしょう。全ての結果というものには、その原因というものがあります。信仰が弱められてしまったのは、霊魂が寛大でなくなり、現代世界が提供する娯楽をより好み、生きる楽しみや多くの気晴らしを求めるようになったからでしょうか。でもこれらのことが本当の原因だとは言えません。なぜなら、こうしたことはいつも何らかの形で過去と私たちに付きまとっていたからです。宗教を急激にも実践しようとしなくなってしまったことを本当の原因は、或る新しい精神に由来するのです。この新しい精神は、最近教会の中に導入され、教会の過去の全ての教えと生命とに疑問を投げかけたのです。

 以前は、教会のすべてのことは、全ての司教達によって認可を受けた公教要理によって伝えられてきた変わり得ない教会の信仰に基づいていました。信仰とは、確実なものでした。しかし、今その確実性は覆され、混乱をきたしたのです。一つの例を取りましょう。教会は、カトリック教が唯一の真の宗教であると教え、信者たちはそう信じていました。教会は事実天主御自身によって創設されたのにひきかえ、その他の一切の諸宗教は人間の作った業です。結果として、全てのキリスト信者は偽りの宗教との交わりを一切避けねばなりません。しかも、偽りの宗教の信奉者たちをキリストの宗教に導くように出来る限りの努力をしなければなりません。

 このころは今でもなお本当でしょうか?勿論です!真理は変わり得ません。もし変わったとしたらそれは真理ではなかったのです。いかなる新事実も、いかなる神学的、科学上の発見も(神学的発見などと言うものはたとえあり得たとして)カトリック教が霊魂の救いの唯一の手段であることを止めさせることは全然出来ません。

 ところが、見て下さい。私たちは教皇様御自身が偽りの宗教の宗教儀式に参列し、異端的宗派の会堂において祈り、説教しているのを目の当たりにします。テレビはこのびっくりするような出来事の映像を全世界に伝えています。だから、信者たちはもはやわけが分からなくなっているのです。

 マルティン・ルターについて、後で述べますが、彼は全諸国を教会から切断し、カトリックの聖職位階秩序を広範囲にわたって破壊することになった精神的かつ政治的騒乱にヨーロッパを投げ込みました。ルターは間違った救いの教理と間違った秘蹟の教理を作り上げたのです。ルター以後、続々と出てきた全ての革命家たちはヨーロッパと全世界を無秩序に投げ込むのですが、ルターの教会に対する反乱は、その革命家たちのお手本となったのです。五百年たった今、この様な革命家たちは、ルターを教会の預言者とか博士にまつり上げたがっています。でもそれは不可能です。彼は聖人ではないからです。


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