木ノ脇道元 ブログ

フルート奏者木ノ脇道元

「木ノ脇道元作品演奏会」

2011-04-26 15:59:02 | Weblog



木ノ脇道元作品演奏会

 6月3日(金)strong> 東京オペラシティリサイタルホール
18:30開場 19:00開演

プログラム; アセンダー(新作初演)
       夜明け、リフレーン、オスティナート、海(2009 越のルビー音楽祭委嘱作品)
       エコー・チェンバー(2008 [東京の夏]音楽祭発表作品)
       あっちの岸(2007 [増殖!ノズルス]発表作品)
       ラヴェンダー・ミスト(新作初演)


「player:競技者、演奏者、遊ぶ人、賭博者、演技者、ふざける者、動かす者・・・
英語の「プレーヤー」という言葉はいろいろな意味に翻訳できますが、「物事の本質を理解して表現する者」という共通したニュアンスがあるように感じます。
スポーツであれ、音楽であれ、演劇であれ。

20代から30代にかけて、同世代の作曲家たちのサポートが主な仕事だった僕は、楽譜を表面的になぞるだけの「フルート奏者」でなく、どうしたら真の「プレーヤー」になれるかということに腐心していました。

作曲家の一番大切にしているメッセージを探り当てて代弁し、あるときは自分自身の感覚や感情を理解の助けにしながら「現代音楽」が本当に表現したがっているものを模索していました。

今回のコンサートでは、演奏者が作曲家でもあり、作曲家が演奏もしていた時代の作法に習おうと思います。

「作り手」になることで、自分の中に還元され、蓄積された現代の音楽の、より具体的なイメージを汲み取り、学ぶ「プレーヤーになろうと思うのです。

プログラムは、僕が今まで発表した曲と新作で構成します。

作曲家たちとの共同作業から得たものが形を変えて姿を現す、そんな一夜になればいいなと思っています」
               木ノ脇道元
   (チラシから)


出演;木ノ脇道元、佐々木萌絵、羽鳥美紗紀、竹山愛、安原三保子、池邊昇平、横山由子、大澤明子、多久潤一朗、平山恵、野口舞子、梶川真歩(以上フルート)稲垣聡(ピアノ)野口千代光、花田和加子(ヴァイオリン)甲斐史子(ヴィオラ)松本卓以(チェロ)柴田暦(朗読)種子田郷(電子音響)

チケット:全自由席 一般3000円 大学生以下 2000円

 チケットお取り扱い:東京オペラシティ・チケットセンター tel03-5353-9999

マネジメント:keynote
 お問い合わせ・ご予約:キーノート tel 0422-44-1165
keynote_music@fol.hi-ho.ne.jp





久しぶりに更新

2011-04-26 14:47:10 | Weblog
前回の投稿、震災前日の3月10日ですね。

震災の当日は、僕はある若手打楽器奏者デュオの演奏会に行くつもりで楽しみにしていたのですが、ご存知の通りの事態になってしまいました。


改めて、東日本大震災で被災された方達にお見舞い申し上げると同時に、亡くなられたあまりにも多くの方々のご冥福をお祈りします。

報道されている、莫大な数のそこなわれた命のひとうひとつに日常のドラマがあり、思考と感情を織り上げている魂があったことを思うと張り裂けそうな気持ちになります。

私のように音楽を生業とするものは、こんなとき苦い無力感を噛み締めるほかありません。

東京藝術大学の年度始めの面談で、フルート専攻の学生たちの前でこんな風に話しました。

「それでも、音楽は単なる『ぜいたく品』ではなく、聴こえてこない時も意識の底に脈々と流れているものなのです。人が本当に優しい気持ちになったときにだけ姿を現す妖精達のように。
 
今は妖精が姿を見せるときではないのかもしれません。

音楽史の枠組みを越えて、始まりもなく、終わりもなく精神に内在して流れる音楽が、聴き手とプレーヤーの間で共有され、芸術として成立するのが、いかに儚い瞬間なのか今回の災害から教わることも出来るのです。

過酷な現実からの一瞬の解放-飛翔になるような音楽を紡ぐ音楽家になってください」


                                  と。

  実際は即興で話したので、こんなにまとまった言葉にはなりませんでしたがw

そして学生たちへのメッセージを踏まえ、厳粛な気持ちを新たにして、予定していた6月3日(金)の「木ノ脇道元作品演奏会」予定通り行います。

 詳細、別投稿します。