4月21日のエントリーをアップデートしました。
(追加した箇所はブルーで表示)
(あくまで、ファンクラブ会員費の支払い・グッズ/チケット購入以外にファイターズに全く利害関係のない素人ファンの自分勝手で気ままな分析なので、見当はずれの点もたくさんあると思いますが、チームの状態をあーでもないこーでもないと分析するのもファンの楽しみのひとつということで悪しからず。)
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①「ファイターズ野球のコモディティ化」
やるべきことをきっちりやることを重視するファイターズの野球は、基本的には日本のプロ野球チームであればどこのチームでもやればできる野球で、他のチームもファイターズ式の野球をやるようになれば(=コモディティ化)、もはやそれはファイターズの強みとはいえなくなったのではないか。
②「既存戦力の疲弊」
ファイターズの選手は昨シーズン、競争的環境の下で自分の能力をストレッチしきって戦ったため、体力や能力の貯金が底をついてしまったのではないか(もちろんその甲斐あって「リーグ優勝」という結果となった)。
特にクローザー陣の不調により、昨シーズンであれば逃げ切って勝てた試合に勝てなくなり、潜在的な勝ち試合の取りこぼしが増えた。
また昨シーズンすでに従来までの磐石さを失いつつあった先発陣の層が、今シーズンはさらに薄くなった。
故障者が続出して思うような打順を組めなくなっており、つながりを欠く打線に拍車がかかった。
③「補強の見送りと育成タイミングの狭間に落ちた」
昨シーズンは負けが決まったような試合をスレッジ選手の打撃でひっくり返す場面が何度か見られたが、スレッジ選手の穴を埋める選手が内部からまだ台頭してきておらず、人材のギャップがなかなか埋まってこない(がこれはフロントもある程度予想していたのではと想像します)。
④「お得意様球団の消滅」
マリーンズ: 現在首位を走っているマリーンズは、昨シーズンはバレンタイン監督の去就をめぐりファンの間でいろいろあったもようで、そういうこともマリーンズ低迷の遠因になったのか、はたまた千葉マリンスタジアムでの「チキチキバンバン」の魔法によるものなのか、ファイターズはマリーンズに18勝6敗と大幅に勝ち越しましたが、マリーンズは新監督になり選手もファンも士気が上がり、チームの成績にプラスの影響を与えているような気がします。これによりファイターズのお得意様が消滅してしまった、というかファイターズがマリーンズのお得意様に...。
バファローズ: 去年はバファローズの強力外国人選手が相次いで怪我で離脱したことも一因なのか、ファイターズは去年バファローズに16勝8敗と大幅に勝ち越しましたが、今年は勝たせてもらえず、立場が逆転...
また、マリーンズは小林投手、バファローズは小松投手・平野投手が、先発から抑えの役割にまわって試合の終盤を締めていることも、両チーム好調の一因か?
⑤「エース投手同士が対決する試合が減った」(4月22日時点)
今シーズンの今までをみると、エース投手同士が対決する試合が減ったような印象があります。これにより、3連戦の場合「1勝1敗」が実際のデフォルトになり、勝ち越しのためには残りの1試合に投入する戦力の重要度が増しているのではないか。そのことが、②や③で挙げたように投打において戦力がダウンしているファイターズには厳しく働いているのか?(この影響は、あったとしても全体的にはそれほど大きくないとは思います。)
⑥「例年になく寒い春」
暖房が効く札幌ドームをホームグラウンドにするファイターズにとって、今年の寒い春の影響も野外球場のビジター試合で少しはあるのでは?
⑦「球団の資金力が必ずしも大きくない」
すでに②で挙げたが、ファイターズの選手は去年は、競争的環境の下で自分の能力をストレッチしきって戦ったため、体力や能力の貯金が底をついてしまったのではないか。その疲弊を補強で補えるだけの豊富な資金力を球団は持っていない。とはいえ、資金力が必ずしもチームの強さに直結するとはいえないし、ファイターズの厳しい能力ベースの報酬制度は健全だと思う。
⑧「自然の摂理として、チームの戦略の変更が必要な、循環の下降局面に入った」
札幌移転からヒルマン監督の下での日本一までは、「スタートアップ」段階から「成功の達成」段階まで早足で駆け上がった感があり、梨田監督がそれを引き継いでから「成功を維持する」ステージをなんとか上手く続けてきたと思う(それはすごいこと)。だがいよいよここにきて、過去に蓄積した資源を使い切ったこともあって、チーム状態の循環は「上昇→下降→...」という自然の摂理に従い「成功を維持する」局面から下降局面へ。下降期~底の段階をうまく操縦し、資源を回復させながら再度回復・上昇局面に乗せていくためには、今までの上昇~成功段階で機能した戦略とは違う戦略が必要か?(それが何なのかは私のような素人ファンにわかる筈もなし...)
⑨「過去60年のデータに基づけばファイターズはそれほど強くない」
(過去10年間のデータに基づく素人的分析は結論①を参照)
それを言ってはみもふたもない気もしますが、Wikipediaのパ・リーグと各球団のページのデータから計算してみた1950年から2009年までの60年間におけるパの6チーム(便宜的に「近鉄+楽天」で計算)の確率は:
日ハム 西武 SB オリックス ロッテ 近鉄・楽天
日本一になった確率 3.33% 21.67% 6.67% 6.67% 5.00% 0.00%
リーグ優勝確率 8.33% 33.33% 25.00% 20.00% 6.67% 6.67%
Aクラス確率 41.67% 68.33% 56.67% 56.67% 40.00% 38.33%
Bクラス確率 58.33% 31.67% 43.33% 43.33% 60.00% 61.67%
勝率 47.60% 53.20% 52.50% 51.70% 50.50% 46.34%
(「リーグ優勝確率=公式戦1位通過確率」です。前回のデータから、リーグ1位ながらCSで2度日本シリーズを逃したホークスと、ホークスに勝って日本シリーズに出場した西武とロッテの数字を変更しました)
(勝率のデータはWikiに掲載されていたデータですが「近鉄・楽天」の勝率のデータはWikiの勝率データを加重平均しました。他の確率のデータはWikiに掲載されていたデータに基づいて計算してみました。)
ちなみに、単純なデフォルトの確率は:
日本一になる確率 8.33% (1÷12)
リーグ優勝確率 16.67% (1÷6)
Aクラス入り確率 50.00% (1÷2)
Bクラス入り確率 50.00% (1÷2)
なので、ファイターズは1950年~2009年までのデータからみれば、Bクラスでシーズンを終わる確率が58%で、勝率も5割を切るどちらかといえば歴史的にはBクラスの球団ということになります。であれば、今年のように最下位に甘んじる状態があっても、それほど驚くことではないといえます。
勝率からみると、5割を超えているのがライオンズ、ホークス、バファローズ(オリックス)で、5割そこそこなのがマリーンズ、5割を切っているのがファイターズ、イーグルス(近鉄のデータを含む)です。
ところで、日本一になるデフォルト確率8.33%(12分の1)に対して、ライオンズが日本一になった確率は21.67%と突出していますし、リーグ優勝確率がデフォルト確率(16.67%)の2倍弱の33%、シーズンをAクラスで終える確率が68%と、歴史的に見てライオンズがひときわ強い球団であるのがわかります。単純に1÷12とか1÷6で出る確率だけではない、何か別の要素が作用していると思われ興味深いです。
結論①: そうはいっても「明日のことは誰にもわからない」
過去60年間はライオンズ、ホークス、バファローズ(オリックス)の優位が続いていますが、それは過去60年のデータに基づいた趨勢であって、過去10年でみれば(いささか短いですけど)、ファイターズはもの凄く強い球団となるでしょう。
と前回書きましたが、2000年~2009年までの過去10年間におけるデータをもとに調べてみました。
(元になるデータは、サイクルヒット様のサイト
「プロ野球の歴史・記録」
のデータを使わせていただきました)
日ハム 西武 SB オリ ロッテ 近鉄・楽天
日本一になった確率 10.00% 20.00% 10.00% 0.00% 10.00% 0.00%
リーグ優勝確率 30.00% 20.00% 40.00% 0.00% 0.00% 10.00%
Aクラス確率 60.00% 80.00% 90.00% 10.00% 20.00% 40.00%
Bクラス確率 40.00% 20.00% 10.00% 90.00% 80.00% 60.00%
勝率(過去10年) 50.35% 54.16% 55.69% 43.21% 50.47% 46.40%
(リーグ優勝確率=公式戦1位通過確率)
となりました。
ちなみに、単純なデフォルトの確率は:
日本一になる確率 8.33% (1÷12)
リーグ優勝確率 16.67% (1÷6)
Aクラス入り確率 50.00% (1÷2)
Bクラス入り確率 50.00% (1÷2)
これによると、過去10年間においては、ファイターズはもの凄く強い球団とはいえないものの、シーズンをAクラスで終わる確率が6割で勝率も5割を僅かにうわまわる、どちらかといえばAクラスのチームということになります。リーグ優勝確率も3割(=過去10年で3回リーグ1位)と、デフォルトの16.67%を大きく上回っています。過去10年間でみれば、ホークス、ライオンズの次にファイターズが強い球団であると言え、バファローズ(オリックス)と立場が入れ替わったといえます。
過去10年間でもの凄く強い球団といえるのはホークスで、リーグ優勝確率が4割(=過去10年で4回リーグ1位)、Aクラス入り確率が9割です。しかし、2004年、2005年はリーグ優勝したにもかかわらずクライマックスシリーズで敗れたため日本シリーズへの出場を逃がしています。過去10年間は勝率もAクラス入り確率もライオンズを上回っています。CS制導入によりマイナスの影響を受けている球団といえます。逆にCS制の導入は、毎年固定化されがちな状態に番狂わせを生む仕掛けということもでき、リーグ全体としては盛り上がる要素なのかもしれません。
楽天については、2004年までの近鉄のデータにより数字が全体的に底上げされています。Aクラス確率が4割となっていますが、これは近鉄が2000年~2004年までの5年間のうち、2001年~2003年の3年間梨田監督のもとAクラスに入っていることが影響しています。リーグ優勝確率10%は、2001年に近鉄がリーグ優勝したことによるものです。楽天単独(2005年~2009年の5年間)でみると、Aクラス入り確率2割、Bクラス入り確率8割、勝率42.16%となります。
今後のパ・リーグの順位のゆくえは、日本の経済成長の勢いの変遷や球団を所有する企業の栄枯盛衰・交代や、ほかの要素によっても影響される可能性があります。
北海道に移転後のファイターズの変貌を前もって予期することは難しかったでしょうし、まさか今シーズンのファイターズが最下位で低迷しているのを予想できたプロの評論家も非常に少なかったに違いありません。また、現在低迷しているファイターズがリーグ1位通過は無理でも終わってみればAクラスに滑り込んでCSに参戦しているかもしれませんし、このままずっと最下位のままでシーズンを終わるかもしれませんし、4位あたりでシーズンを終了するかもしれません。はては、6球団自体の調子の如何にかかわらず、予想外の外的要因によって順位に変動が起きる確率もゼロとはいえません。
数ヵ月後の順位について過去のデータに基づいて予想することは非常に難しく、現在の時点では何もわからないので、順位予想をするにはサイコロでも振るしかなさそうですが、個人的にアミダをやってみたらファイターズは3位、Aクラスになりました!これをもって私の今シーズンのファイターズの順位予想とします。
(ちなみに、アミダくじについて調べてみたら、横線を100本ぐらい引かないと確率が均等にならないみたいです。素人が気安く確率論に振れると火傷しますね...。そこでファイターズ頑張れ!と念じながらサイコロを振ってみたら、なんと「5」の目が...。順位は「下から5番目」と読みました。)
結論②: 「潮目の変わり目にみられるザワザワ感をさがす」
4月21日(火)~22日(木)の対バファローズ3連戦あたりから、プラス要素の数とマイナス要素の数がせめぎあうような、心の中がザワザワする感じがでてきたように思いますが、これからプラスの数がマイナスの数を上回り始め、正味でプラスになれば、ファイターズの勢いの振り子は、最悪に振り切れた状態から戻り始めると予想します。
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ということで、ファイターズが勝ちはじめて順位を上げていくのを期待しつつ、明日からも一喜一憂しながら応援していきたいと思います。