三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

Jリーグのドーピング問題

2007年05月08日 | 2007年
昨日、Jリーグから「臨時理事会開催のお知らせ」がファクスで届きました。
我那覇和樹選手(川崎フロンターレ)の静脈注射について
アンチ・ドーピング特別委員会が下す制裁案を検討するということです。

明日(つまり今日のこと)午前中にファクスで資料を送るので、
午後に書面にて決議してほしいというものでした。
我那覇選手が体調を崩して、チームドクターの指示で
「ニンニク注射」をうったこと、これがドーピング違反として
問題になっていることは、すでに新聞報道で知っていました。

連休明けに臨時理事会があることも予想していました。
というわけで今日は外出をひかえ、デスクワークをしながら文書を待ちました。
午前11時過ぎ、10枚ほどのファクスが届きました。

我那覇選手はドクターの指示に従ったそうで
気の毒にも思うのですが、アンチ・ドーピング特別委員会の制裁案では
「選手個人は禁止行為とは知らなかったとはいえ、
国際基準であるドーピング禁止行為を行なったことについて
不問に付すことは妥当ではない」というものでした。

ドーピングで思い出すのは、アテネオリンピックのハンマー投げ選手・
ハンガリーのアドリアン・アヌシュです。
尿検体のすり替えと検査拒否で、金メダルを剥奪されました。

禁止薬物の意図的な摂取が疑われるこのような事例と、
禁止薬物は摂取していない我那覇選手が
「ドーピング違反」として同様に括られてしまうのもすっきりしませんが、
「静脈注射」という行為自体が禁止されているのですから、
反論の余地はありません。

Jリーグ規約「ドーピング禁止規定」には制裁として次の4つを設けています。
 (1)譴責(始末書をとり将来を戒める)
 (2)一定期間の出場停止(1試合以上6試合以下の公式試合の出場資格の停止)
 (3)一定期間の資格停止(12か月以下の公式試合の出場資格の停止)
 (4)無期限の資格停止(期限の定めのない公式試合の出場資格の停止)

我那覇選手の場合は(2)の罰則が適用されました。
制裁の対象として6試合があげられているのですが、
すでに4試合の出場を自粛しているので、残り2試合の出場停止となります。

制裁はこれだけではありません。
当該クラブについても「3,000万円以下の制裁金」を課すことが記されています。
今回は所属のフロンターレに対し、制裁金は1,000万円。

潤沢とはいえないクラブの予算の中での1,000万円は
厳しいとは思いますが、それだけ責任があるということです。

Jリーグでは、チームドクター連絡協議会や実行委員会等で担当者に説明し、
文書も配布していましたが、さらに関係者に注意を喚起したいとの報告が
2月の理事会であったばかりです。

「あれだけ何度もクラブの関係者に説明したはずなのに」
チームドクターが知らなかったとは、残念でなりません。

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株式会社スポーツ21エンタープライズ】 
  代表取締役 三ッ谷洋子
  スポーツビジネスコンサルタント
  スポーツビジネスプロデューサー
  http://www.sports-21.com 




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