三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

Jヴィレッジは今

2013年01月23日 | 2013年
Jヴィレッジに行ってきました。

現地の様子をどう伝えたらよいのか。
「筆舌に尽くしがたい」「想像を絶する」などの言葉を考えたものの、
そんな月並みな表現では太刀打ちできない状況が広がっていました。

それでは映像で見ていただこうと、
新しいパソコンにデジタルカメラのドライバーをインストールしたところ
なんと操作ミスで映像データが全て消失!

同行した3人のゼミ生が撮影していたので
それを使わせてもらうこともできるのですがショック…。

時間の経過と共に現地視察とデータ消失の二重ショックから立ち直り
視察の様子をお伝えすることにしました。

私たちをJヴィレッジに案内してくださったのは、
NPO法人ハッピーロードネット理事長の西本恵美子さん。
最初にお会いしたのは福島県「スポーツの里」づくり事業の委員会です。
私は外部事務局の責任者、西本さんは地元委員という立場でした。

西本さんについては改めて詳しくご紹介しますが、
現在は「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」を立ち上げ、
2万本の桜を植えて「30年後の故郷に贈ろう」と活動されています。

前置きが長くなりました。
さて当日、西本さんが乗用車でいわき駅から
Jヴィレッジまでの往復の足を引き受けてくれました。

私が初めてJヴィレジを視察したのは竣工年の1997年、
当社の「マーケティング研究会」でした。

その後、山口県スポーツ振興プラン策定協議会のトータルアドバイザーとして、
委員の方々を「先進施設」として紹介するためお連れしたこともあります。
「スポーツの里」づくり事業でも何度か訪問しました。

いわき駅からは車で40分ほど。
8年ぶりの訪問で懐かしさが先立つのですが、
「原発事故の除染作業の拠点」という、
想像さえしたこともない変貌ぶりに言葉が浮かびません。

無農薬で育てられていた自慢の天然芝ピッチは巨大駐車場に、
海側のピッチの芝は枯れてヘリポートに。

400mトラック付人工芝ピッチの上には分厚い鉄板が敷かれ
巨大な白いテントが張られています。
20キロ先にある福島第一原発の除染作業から帰ったバスは
放射能に汚染されているため、このテント内で除染作業が行われます。

宿泊棟にある160人収容のコンベンションホールは、
作業員への説明会で毎日、使用されているそうです。
プールの水は抜かれて板が張られ、
除染関連会社の合同事務所になっています。

宿泊棟をはさんで反対側にある屋根付き雨天練習場には
コンテナとブルーの大袋が積み上げられています。
中は全て使用済み防護服です。

手前には放射線残量を検査する機器が設置され
(シャワーで流す)除染所となっています。

東京電力は1月1日から東北本社をここに置いています。
代表の石崎芳行さんと、Jヴィレッジ副社長の田豊治さんに
ご挨拶することができました。

これまでの私の人生で見たことも、聞いたこともない光景の連続に
「大変ですね…」などと場違いな?言葉しか発することができませんでした。

西本さんによれば、震災直後は迷彩服の自衛隊員が行き交い、
戦車や装甲車が並んでいたそうです。

「震災前は子どもたちが元気にボールを蹴って、
お母さんたちが楽しそうに見守っていた場所だったので、
現実に起こっていることとは思えなかった」といいます。

「2年たってようやく現実として受け入れることができるようになった」と西本さん。
帰りに、立ち入り禁止区域の境界線までいってみました。
周辺は無人となった地域が広がっています。

グシャッとつぶれた消防車。
1階が津波に流されて空洞になった2階建ての家。
枯れたセイタカアワダチソウをかき分けると家の土台だけが残っています。

無傷のように見える家の玄関前に車が止まっていました。
2階のガラス窓にレースの白いカーテンが見えます。
どこでも見かけるような家。

でも、誰も住んでいないのです。
隣の家も、その隣の家も、さらにその先の家も、見えるところは全部…。

同行していた学生たちに西本さんが声をかけました。
「あなた達、しっかり見ていってね」。
日本人として絶対に忘れてはならない重い現実がここにありました。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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その後のJヴィレッジ

2013年01月02日 | 2013年
私は元旦に初詣でをすることはほとんどありません。
しかし、昨日はお天気も良かったし、
今年は真面目にやろうなどと思い、
お昼過ぎに世田谷八幡宮に出かけてみました。

数年前、2日の夕方に行ったことがあるのですが、
この時はガラガラでした。
ところが昨日は元日ということもあり、
行列が道路にはみ出し、さらに長く続いていました。

じっと並ぶこと1時間以上。
やることもないので、お賽銭でも用意して…。
お財布から100円玉を1つ出して準備していたら、
前列の若夫婦は10円玉を2つ。

100円では多すぎかな、と一瞬かんがえたものの、
いい年をして10円もないかと思い返し
そのまま賽銭箱に投げ入れました。

箱の中をチラと見ると
10円玉が目立ちましたが、千円札もチラホラ。
ふと、高校時代の同級生E君を思い出しました。

目黒の有名な神社の跡取り息子(現在は神主)なのですが、
お正月の神社では、お賽銭を預かるために
裏で銀行の人が待っているのだそうです。

高校生の時に神社の裏方を手伝ったF君が
そんなことを言っていましたっけ。
ご利益はほとんどあてにしていませんが、
いいことがあると嬉しいかなと思い、お祈りしました。

さて、年明け早々に、ずっと気になっていたことを
実行することにしました。

Jヴィレッジの視察です。
東北大震災直後から、Jヴィレッジは復興の拠点となっていました。

無農薬で育てていた自慢の天然芝のピッチはアスファルトで舗装され
原発事故対応の駐車場になっているそうです。
昨日からは、東京電力の福島本社が設置されています。

Jヴィレッジの現地責任者である高田豊治副社長は、
必ずJヴィレッジとして復興させると宣言されています。

以前のブログにも書きましたが、
Jヴィレッジのある福島県双葉郡は、
以前、当社がスポーツによるまちおこしの青写真を作成し
「スポーツの里ふたば」として提案した地域なのです。

大震災がなければそろそろ成果が出始める頃でした。
残念です。

でも兎に角、どんな状況なのか
自分の目で確かめこようと思います。

追記:世田谷八幡宮の写真をアップしたのですが、
レイアウトがうまくいきません。時間がある時に研究します。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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明けましておめでとうございます

2013年01月01日 | 2013年
どんなお正月をお迎えでしょうか。

去年もブログの更新回数が少なく
ご愛読いただいている皆様には、
失礼な年となってしまいました。

私が怠けている間も、
読んでくださる方がかなりいらっしゃいます。
さらにコメントも寄せていただいています。
回答が遅くなり申し訳あません。

怠け癖は今年も治りそうもありませんが、
「たまには読んでやろう」という方がいらしたら
どうぞお付き合いください。

ところで年齢を重ねると、
1年が経つのがとても早く感じますね。
何故だと思いますか?

私なりに考えたのは、
生まれてから現在までの年数によるのではないか、
ということです。

1年間という時間の長さを意識する場合、
20歳ではこれまでの人生の20分の1。
60歳にとっては人生の60分の1です。

したがって還暦の人の1年間は、
20歳の頃の3分の1にしか感じられない…。
自分なりにこう考えて納得していますが、
いかがでしょうか。

こんな具合で、また、あっという間に1年が
経ってしまいそうですが、
本年もよろしくお願いいたします。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表


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