THE ARCTIC - オーロラの地を旅する

北欧北極圏、アイスランド、グリーンランドの旅行情報

ロングイェールビン(Longyearbyen)

2008-10-31 | スヴァールバル諸島


スヴァールバル諸島最大の町ロングイェールビンの人口はロンリープラネットには1500と書いてある。しかし夏と冬ではかなり違うだろう。
 もともと石炭の採掘で発展してきた町で以前は無人島だった。1990年まで住民のほとんども石炭産業の関係者であった。しかし現在では観光産業も発展してきている。
 近代的な町でスーパー、銀行、郵便局、図書館、体育館、レストラン、映画館、教会、アウトドアーショップ、土産物屋と何でもそろってる。学校もあり、幼稚園は3つもあるらしい。
 ロングイェールビンは北緯78度に位置しオーロラを見るには北過ぎるといわれている。確かに緯度的には不利かも知れないが、「北極圏の砂漠」と言われるほど降水量は少なく晴天の日が多いところなのでオーロラを観測するにはいいと思う。それにここはPolar Nightの頃(白夜と反対で一日中真暗なとき)は昼間の時刻にオーロラが見えるということで有名でもある。
 ワタシも毎日晴天が楽しめると思ったのだが、私の滞在中はめずらしく(地元の人もUnusualだと言っていた)、曇と雨ばかりだった。
 2008年9月に行ったときの気温はだいたい3度ぐらいだった。しかし氷河へハイキングに行ったときは急に風が吹いてきてデジカメが寒さのため動かなくなってしまった(つまり0度以下)。とにかく天気はころころ変わるし気温もころころ変わる。風、雨、雪対策は万全を期したい。天気予報によるとロングイェールビンを離れる日の2日後は気温が-10度となっていた。
 ここで注意してほしいのがシロクマ対策だ。ロングイェールビン空港では剥製が出迎えてくれるが、町を離れてハイキングしているとひょっこり現れる可能性がある(現在ロングイェールビン周辺では可能性はきわめて低いが)。そのため銃を携帯するか、銃を携帯している人に護衛してもらうよう求められている。銃と弾は旅行代理店で借りられる。銃の携帯許可証も要らない。しかし扱いに慣れていない人が借りても危ないだけなのでハイキングなどしたい場合はツアーに参加するのが現実的だ。シロクマ一度見てみたい、と思う人もいるかもしれないが、基本的に人を襲ってくるので(足もかなり速いらしい)、運良く見ることが出来たその日は人生最期の日になるかもしれない。



シロクマ注意!


 あと、面白いのがアルコールなどが免税で購入できることだ。街の中心にCOOPがあってその中に酒屋が入っている。買いたいものをまず酒売り場のカウンターに持って行って、ロングイェールビン発の航空券を見せハンコを押してもらう。そしてスーパーのレジで精算する。ビールはノルウェー本土の半額以下。アルコール以外の物価はノルウェー本土より高いが輸送費の割にはそれほどでもないという印象だ。
 図書館は月~木、土曜に開いていてインターネットが無料でしかも日本語も含め各国語で見れる(入力は出来なかった)。



Svalbardbutikken。COOPが入っている。

ツアーのいろいろ

◇氷河ハイキング

町からも見えるLongyearbreen氷河を歩く一番ポピュラーなコース。
 コースと書いたが別に道など整備されてない。Nybyenを南へすぐ。シロクマの危険性もあるので、やはりツアーに参加したほうがよい。
 崩れやすいところや氷河の上を歩くのでちゃんとしたトレッキングブーツが必要。あと防風、防寒対策は万全に。氷河先端で木の葉の化石があちこち落ちてて拾える。
 ツアー参加費は550NOKだった。車でハイキング出発点まで運んでくれる。(もっともNybyen発のツアーだったのでワタシの宿から歩きでしたが)



Longyearbreen氷河からの眺め。
結構真近にLongyearbyenの街が見える。

◇炭鉱ツアー

前に炭鉱で働いていたガイド付きの炭鉱ツアー。閉所恐怖症の方は遠慮しといた方がいいとのこと。約3時間。

◇一日クルーズ

Barentsburg、またはPyramidenへのクルーズ。

あと犬ぞりツアー、馬に乗ってハイキング、スキーツアー、カヤックツアー、スキーツアー、スノーモービルツアー(冬~春)などアクティビティは極めて豊富だ。



宿

◇GuestHouse「102」  http://www.wildlife.no/

街の中心から3KM南のNybyenにある。歩いて20分。もとは鉱夫の寮だったのを宿に改装した。
 オーロラ観測にいいと思って街外れの宿にしたのだが滞在中はずっと曇か雨だった。朝食付でキッチンあり。空港バスもここに止まる。
 ツアーなどもここですべて申し込め、当日ちゃんと宿までお迎えが来る。

ドミトリー300NOK 、 シングル/ダブル 495/850NOK(朝食付)

10~2月は

ドミトリー270NOK 、 シングル/ダブル 350/550NOK(朝食付)

◇キャンプ場 http://www.longyearbyen-camping.com/

世界最北のキャンプ所。夏しか開いてない(2008年は6月12日~9月15日)。 しかし2008年は4月24~28日に特別営業した(春のピークシーズンのため)。そのときは一泊150NOK。
 空港そばにあり、街から空港まで歩いて行ける距離だが途中シロクマ注意の標識がある。

一人一泊 90NOK、テント貸し出し1日100NOK、寝袋1日50NOK (次の日から20NOK )、マット1日19NOK、湯シャワー5分/10NOK



オスロからノルウェジアンエアーが飛んでいて格安で行けるが2008年は8月いっぱいまでしか運行しなかった。SASがオスロ、トロムソから飛んでいてネットで安く予約できる。空港から発着時間に合わせてバスが運行していてホテルまで運んでくれる。2008年は50NOKだった。



ノルウェー本土からここへの定期便はない。

Pyramiden

2008-10-18 | スヴァールバル諸島


ロングイェールビンから1日クルーズツアーで行くことのできるこの町は1998年に廃墟となったロシア人の炭鉱の町で、以前はロングイェールビンより多くの人口があった町である。今は5人ほどがツアー客のガイドや管理のためここに住んでいる。
 ツアーでは1時間半ほど見学することが出来、一部建物内部も見学できるが、基本的に個人で勝手に歩き回ることは出来ない。シロクマの危険もあるし、以前一部の観光客が建物の備品などを持ち出したのが問題になったと言うことだ。
 建物は、少し修繕すればまだまだ使えそうな感じであまり廃墟感はない。レーニン像なども残っていてソ連ノスタルジーに浸れる。
 海を挟んで氷河が横たわっており極北の地の果てという雰囲気だ。後にその氷河に間近まで接近できる。
 ホテルもレストランも当然ない。郵便局も今はやってない。ツアーが来た時、ロシア人ガイドが絵葉書などを売る小さなキオスクをオープンする。
 ツアー参加費は1290NOKだった。2009年は1340NOKとなっている。





Nordenskiold氷河