変わり果てたマロの姿を前にしたマナ(たからもの)
小学4年生のマナの可愛らしさは言うまでもないのだが、そんな可愛らしい女の子が大好きなペットを失う辛さと自責の念に耐えかねて涙を流すシーンには胸が苦しくなる。このシーン以降のBGMは延々と「たからもの」が流れ続ける。マナがシャルルの制止も空しくオモイデの世界に引きこもってしまうところから、マナを信じるベベルがマシューへの言葉、そして忘れられたもの達が六花、ありすの思い出の世界に侵入するシーン、六花とありすの思い出の世界の描写、そして二人が妖精達の出現により現実世界の姿に戻り、現実世界に戻るために敵を前に変身するシーンまで、シーンは刻々変わりながらも「たからもの」は最後まで流れ続けるのだ。最初に見たときは何かの間違いではないかと焦った程。このように大胆な選曲は珍しい。
ソードの変身~ダイヤ、ロゼッタの戦い(決意のプリキュア、プリキュア反撃)
「たからもの」に続くシーンだが、兎に角BGMがカッコいい。ソードがキュアラビーズをコミューンにセットした瞬間、鷲キュアの音楽を担当した佐藤直紀さんをリスペクトしたのではないかと思わせるような勇ましい「決意のプリキュア」が流れ始める。
そしてパープルバギーとシルバークロックが合体して巨大化した時の「プリキュア反撃」の前半部はダイヤとロゼッタの絶望を表現しているかのようだ。ダイヤとロゼッタがピンチに陥る中、マナへの思いを胸に反撃に出たときの、0:56からの、それまでとは一転して希望と勇壮感にあふれた旋律は鳥肌ものである。
マナと五十鈴(未来につなぐ想い)
何度観ても、様々な思いが去来して涙なしでは見られないシーン。永遠に幸せに暮らせるはずの思い出の世界で、マナは沈んだ表情をしていた。学校から帰ってきて、マロが吠えかけても、五十鈴が声をかけても、マナは下を向いてとぼとぼと歩いている。部屋の中でシャルルに叱咤されながらも、マナは膝を抱え、現実に戻ることを拒んでいた。
そこに五十鈴が現れて、こういう。「友達を心配させちゃいけないよ。」そう、お婆ちゃんは何でも知っているのだ。このシーンはラブが、サウラーの攻撃によってやはり思い出の世界に閉じ込められてしまったフレッシュプリキュアの28話を思い起こさせる。この時も、やはりラブの名付け親だった源吉がラブを現実の世界に戻らせた。
五十鈴もまた、こういった。「お前の名前は『愛』という字を書くだろう?困った人がいれば、手を差し伸べて、共に未来に進もうという気持ち。それが愛さ。」「目を閉じて、耳をすませてご覧?何が聴こえる?」些事に囚われずに自分の心に聞けということである。フレッシュの時と同じように、マナにも友のマナを呼ぶ声が聞こえたのであった。五十鈴の一言一言が果てしなく重く、観客の心を強く揺さぶってくる。
マナが現実世界に戻るシーン(未来につなぐ想い)
マナが自分の使命を思い起こしたとき、彼女はようやく現実の世界に戻ることができた。思い出は、自分に愛を伝え、そしてマナはその愛を皆に分け与えるのである。「おばあちゃん、また会えるよね!」五十鈴のウインクを見届け、そして彼女は叫んだ。「プリキュア、ラブリンク!」その瞬間、思い出を閉じ込めていたフィルムは黄金色に輝き、生きているかのように激しく踊り、映写機から飛び出したのである。
To Be Continued...