池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(フランス語に訳してます)

作品発表/音源付き電子書籍楽譜/CD

Prism ~チェンバロのための [CD] ≪発売中≫Amazon

母の書

2017-04-12 | 家族・子供の頃・食
母の居室の押入れの奥から、封をしたままの平べったい段ボール箱が3つ出てきた。
未使用の額が一つ、他の二つは額装した母の書。その一つ、横長のものをもらった。
汚れを取るために分解すると、額装は日曜大工の様で、父の手によるのだろうか。
両親の合作であればなお、見知らぬ画家の現代絵画を購入するよりも励みとなる。

「何が書いてあるのか」よりもまず、純粋にアートとして鑑賞する。
ラインのフォルム、墨の濃淡のリズム、意表を突く文字の配置…。

母に聞けば、テキストは西行法師の歌で、字体、改行、字の配置、空間の作り方、すべて自分で考え、師匠の添削を受けて数枚書いた内の最良のもの、50~60歳の作との事。
「すごいね!」と驚くと、「どうってこと無い、これくらい当たり前」。

ピアノの部屋に架けた。西洋音楽の鳴る部屋にミスマッチと思いきや、却って面白い。
読み取れるのは、春夏秋冬の情景。

==フランス人Anethさんのコメント==
この書はきっとあなたに霊感をもたらす事を保証します!
あなたの内なる根源を象徴する品が存在することは、あなたが芸術のあらゆる可能性を探るのを助ける以外にあり得ません。
しっかりと根を張った木が、倒れずに容易く枝を遠くに広げることが出来るように。
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チャイルド・エイド・アジア~Friendshipコンサート

2017-03-29 | 家族・子供の頃・食
「チャイルド・エイド・アジア~Friendshipコンサート2017」に行った。
日本と東南アジアから選ばれた子供達によるチャリティーコンサート。
3月29日(水) 18:30開演
牛込箪笥区民ホール

聴き応えがあったのは、メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第1番/第1楽章」。
内田 琳(チェロ)他
終演後、出演した子供と会った。
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オーケストラ作品《水循環》初演予定・作曲過程

2017-03-01 | 作曲コンペ歴
昨年11月に完成した「オーケストラのための《水循環》」 [1] の楽章順を変え、かつ可能な限り短くするなどして(20分→16分)改訂し、パート譜も作成した。
※この作品は、シドニーコンテンポラリーオーケストラ作品募集に選ばれ、2017年10月6日 8:00 P.M. シドニー音楽院フェルブルッヘン(Verbrugghen)ホールで行われる "Sydney International Composers Concert 2017"(シドニー国際作曲家コンサート 2017)にて初演されます。 →プログラム(Sydney Contemporary Orchestra)
以下、プログラムノート。

この作品はハーモニックス音列 をモチーフとし、全曲が循環する。
第1楽章は、2013年完成の弦楽六重奏曲を基にしている。[2]
この六重奏曲は自然ハーモニックスだけで出来ており、オーケストラにする際、管楽器は弦の1オクターブ下の音列を用いた。
第2楽章は、ピアノ三重奏曲(2015)からの抜粋が基。[3]
素材はハーモニックスのアルペジオやトレモロ、そして倍音列の反行形を用いた和音の咆哮。
この楽章のコーダと第3楽章(フィナーレ)は、金管五重奏曲(2011) [4]、それを改訂した管楽合奏曲(2013)に基づく。[5]
[1] / [2] / [3] / [4] / [5]
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15人の奏者のための《監禁》完成

2017-02-02 | 作曲コンペ歴
断絶と無窮動の著しいコントラストを持つこの作品は、二つの作品の改訂である。
一つは「無伴奏ヴァイオリンのための《DNA》(2015)」。
冒頭3分間は4つの音高だけで成る(Gの開放弦、D線のAs、A線のFis、E線のF)。
DNAの4種の塩基:アデニン[A]、グアニン[G]、シトシン[C]、チミン[T]のように、これら4音は組合せ・奏法・リズムを変えながら繰り返され、曲の後半、16分音符の螺旋によって繋がれ、曲全体が有機的に変容・発展していく。

二つ目は弦楽四重奏曲《監禁》(2016)。
これは「無伴奏ヴァイオリンのための《DNA》」の改訂。
その際タイトルも変更したが、生命体はすべてDNAの鎖に監禁されているようなものだという意図による。
この状態を表現するために、使う音を厳しく制限した。それゆえ、この曲の音組織は単に「ピッチの限定」と言うよりも「ピッチの監禁」と言える。

この弦楽四重奏曲が最後に「15人の奏者のための《監禁》(2017)」にリメイクされた。
監禁された者はごく限られた持ち物、自由しか許されない。この曲のように。

(この作品は ABLAZE Records "SINFONIA SERIES VOL. 2" 作品募集に選ばれ、チェコのブルノ・フィルハーモニー ヴィルトゥオーゾによる録音のオファーを受けましたが、諸事情により辞退しました)
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第30回島村楽器音楽コンクール講評

2017-01-09 | 島村楽器音楽コンクール
今年は例年以上にレベルが高い演奏もあり、驚いた。
演奏・作曲に共通して、コンクールのせいか、皆さん複雑な曲がお好きなようで…。
しかしメッセージは単純なものほど力がある。
技術が発達して細かく複雑になっても、隠された本質は単純。

アクセント、スラー、リット等、楽譜の記号は調味料。
もし、「汗をかいたから塩を採る」「アミノ酸は…お酢は体に良い…」と一々意味を考えて食べてたら、ちっとも美味しくない。
嫌いだったらいっその事、かけなくても良い。
大事なことは、美味しく食べて、しっかり消化して、エネルギーに変えること。
音楽も、きちんと鳴らしただけでは伝わらない。
音符の優先順位を見抜き、自分流に料理できたら、プロの仲間入り。
今回もそんな瞬間がいくつかあった。
すべての皆さんに「おめでとう!」

(第30回島村楽器音楽コンクール本選会で私が述べた講評/紀尾井ホール)
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