NPO法人 地域福祉協会

清掃事業  森林事業(植栽・剪定)

慰霊と鎮魂 -敗者の優先的選択-

2017-08-18 | コラム
私は嘗て
魚津城の戦いに敗れた
上杉烈士の墓碑銘に
渾身の祈りを捧げた。

戦勝した
織田軍ではない。


天神様、菅原道真公は
不遇な形で
九州に左遷された故に

民は
道真公を神様と祀り
慰霊と鎮魂を事としたのである。

一方で
靖国神社には
皇室に味方した御祭神が祀られ

西郷隆盛氏や
北朝や
戊辰戦争で幕府側に付いた人々は

祀られていない。


端的に申すならば
慰霊や鎮魂とは

何等かの不遇、不条理な形でこの世を去った有志の人々や
戦に負けた人々に

優先的に行う神事であろう。


靖国神社の神道は
古神道及び神社本庁の伝統
古来の慰霊、鎮魂の聖なる儀礼との
著しい齟齬がみられる。

すなわち
現下において
御祭神論争を
神社本庁関係者のなかで
にわかに蠢動させる
最適な時期が来ているやもしれぬ。


高橋記(研究テーマ:国家神道の本質と宗教社会学)