Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

SUN Q パスで巡る東九州【1日目・後】こまめに集客する「ゆのくに」号

2017年05月03日 | ■旅と鉄道
【西鉄バス北九州23系統】小倉駅⇒貴船町


 下関から門司港に渡り、門司港の街をぶらぶらすす計画だったのが、関門汽船の混雑で予定変更。JRの運賃を別払いして、小倉に出てきました。
 次に乗るバスまでは、約1時間半。バスは乗り放題なので、以前から行ってみたかった小倉の新名所に足を向けてみました。






 小倉駅前からバスで9分、貴船町という上品なバス停で下車しました。
 目の前にある白い巨大な球体が、TOTOミュージアム。「水回り」の衛生器具でおなじみ、TOTOの歴史が分かる博物館で、2年前の2015年8月にオープンしたばかりです。




 ゆるやかな白と曲線が基調になった外観は、内部でもそのまま感じることができます。TOTOのイメージへ、素直にリンクする造形です。


 「水回り」の進化はそのまま、日本人の生活が豊かになってきた足跡と重なります。「水回り」という言葉そのものも、技術の進歩で水を使う場が、生活空間の中に進出してきた過程で生まれたものなんだとか。
 数々の挑戦の歴史と、デザインの変遷史は見ているだけで興味深いもので、1時間弱の時間では足りないほどでした。また来なければ。


【西鉄バス北九州「ゆのくに」】三萩野⇒大分フォーラス前


 帰路のバスでは小倉まで乗らず、貴船町から数分の三萩野で降りました。モノレールの駅があり、大型スーパーも並ぶ、ちょっとした副都心です。
 日常の買い物では三萩野を目的地とする人が多いことも、バスに乗っているとよく分かります。


 交差点を斜め横断すると、高速バスの乗り場があります。福岡方面を始め、古くから高速バスの発着地となってきた三萩野。屋外の待合スペースも、かなり広く取られています。
 一昨年、東九州道の「ほぼ」全線開通に伴い新登場した北九州~大分間の高速バスも、もちろん停車地になりました。


 公募で決まったバスの愛称は「ゆのくに」。1日9往復のうち6往復が各停便で、一旦小倉南インターまで回って、沿道からの乗客を拾います。3往復のノンストップ便にしても、三萩野までは一般道経由です。
 この日も乗客の総数15人のうち、半数以上は三萩野以南からの乗客。ライバルのJRではカバーできない範囲から、こまめに集客しています。高速バスの利用が、以前から根付いている地域というのも強みです。


 「ゆのくに」は、ネット割や回数券などではなく、基本運賃そのものが割安に設定されていることも特徴。1,500円~2,500円の間で曜日毎に運賃が異なり、今日は東九州道全通記念割引運賃の1,800円でした。
 基本運賃が安いだけに、予約なしで乗る人も多く、しかも現金払いばかり。所要時間は2時間を超える中距離路線ながら、近距離高速バスのようです。所要時間1時間半、30分毎のJRも回数券では2,520円まで下がりますが、バスには気軽さがあります。


 座席は中距離路線タイプの4列配置。少し窮屈だけど、運賃が割安なので仕方ないかな。1日2~4往復には3列シートの便もあり、うまく時間があえば乗りドク感を味わえそうです。
 小倉の南部・中谷から、別府までの間は、行橋今川以外ノンストップ。中津や宇佐といった主要都市でも、高速道路上のバス停すら設けられていません。


 出発から30分弱、ようやく小倉南から九州自動車道に乗りました。
 わずかに上り、北九州ジャンクションで東九州道へと進路を変えます。午前中は椎田付近で渋滞があったようだけど、今の時間はよく流れていてほっとしました。


 北九州空港までは4車線だったものが、以南は暫定2車線になります。GWとあって、交通量はかなり多い感じ。今日の様子だけ見ていれば、充分に4車線化を目指せるだけの需要があるのではないかと思えますが、さて。


 10年以上前の学生時代には自動料金所で運用されていた旧「椎田道路」や、ミカン畑の強制代執行でもっとも最後の開通となった椎田南~豊前間は、うとうとと夢の中。目を覚ませば、中津ICに差し掛かっていました。


 有料道路「宇佐別府道路」として、学生時代には何度も乗った区間も、今は東九州道の一部。「暫定2車線」の状態が、もう20年以上も続いています。


 日出JCTで大分自動車道に合流。


 眼下には、別府湾の風景が見えてきました。福岡や久留米から来た時に見慣れてきた風景であり、北九州から来た目で見ると、なんとも不思議な感じがします。


 各停便は、鉄輪口、別府、高崎山、大分フォーラス前、大分新川と、こちら側でもこまめに停車。特にインターに近く、温泉街のど真ん中に着く鉄輪口は便利で、福岡方面の僕も何度か利用したことがあります。


 ここまでスムーズに来たけど、別府市内ではさすがに渋滞。


 別府市街地を抜け、3車線の通称「別大国道」まで出れば流れはスムーズになりました。


 10分程度の遅れで、大分フォーラス前着。駅前のバスロータリーには入らず、路上のバス停が事実上の大分側のターミナルになります。
 バス停名の由来となったフォーラスは、現在建て替えのため休館中です。


 時間も7時を過ぎ、お店を探す気力もなかったので、まず間違いのない中央町の居酒屋「かみ風船」へ。行列ができていて30分待ちを告げられたけど、実際は10分くらいでカウンターに通してもらえました。
 さすがは連休、早い時間から飲み始めた人も多かったみたい。


 生中380円、チューハイ180円、しかも税込み!というお手軽価格。大分名物もお安く、嬉しくなってついつい頼み過ぎてしまいます。


 りゅうきゅう茶漬けをずずーっとすすって、〆。6千円もかけずに、二人でお腹いっぱい、ほろ酔いになれました。


 まだまだ宵の口なので、2周年を迎えて なお好調の「JRおおいたシティ」へ。
 アーケード街の「センタポルタ中央町」は十数年前と変わらぬ風情なのに、その先に見える駅前界隈は、まったく以前の面影がなくなってしまいました。


 駅前広場では、地ビールフェスタが大盛況。賑わいの場があると、街に出るのが楽しくなりますね。ああ、学生時代にこんな駅だったらなあ…


 駅ビル内の飲み屋街も、人が途切れることがありません。


 大分駅ビルの開業とほぼ時を同じくして、アーケード街の先には大分県美術館もオープンし、人の流れは確実に変わって来たようです。
 在学中は、シャッターが目立っていたガレリア竹町も、目だって店が増えたように感じます。全国大手も認める活況ということか、ローソンまでできていました。


 ドーム広場にあったポルトガル船のモニュメントは、一昨年なくなってしまったのだとか。「船の前」は待ち合わせ場所としても親しんできただけに、ちょっと寂しい気もします。


 歓楽街、都町(みやこまち)には、自立型のLED街灯が登場。えらくしゃれた感じに見えるものです。防犯カメラが仕込まれており、安全な街づくりの一翼も担っています。


 大分での1泊は、ジャングル公園真横の大分クレインホテルに投宿しました。
 歓楽街・都町のど真ん中なので、酔っぱらって迷い込むような小汚いビジネスホテルを想像してました(失礼!)が、実際はナチュラルテイストな内装で、落ち着けます。


 こだわりアメニティプランを選んでみたら、男性用もちゃんと準備されていました。使い慣れない男性化粧品で、旅疲れの肌をお手入れ(笑)。


 300円の朝ごはんも充実。
 GWど真ん中の日程でツイン8,000円は、なかなかお値打ちでした。

SUN Q パスで巡る東九州【1日目・前】下関でGWの混雑を体感

2017年05月03日 | ■旅と鉄道
 今年のGWは、僕も嫁さんもカレンダー通りの5連休。嫁さんの休みが決まったのが割と直前だったため、日数が必要、かつ直前でも切符や宿を手配できる旅を考え、東九州縦断バスの旅に出かけてみました。
 昨年、悲願の全通開通を果たした東九州道。新たなバス路線の活躍と、福岡からではなかなか遠い宮崎を、じっくり巡るいい機会になりました。


 今回使用する切符は、SUN Q パス全九州版4日間用。九州内と下関の高速バス、路線バスのほとんどに乗り放題で14,000円と、安くて、使い勝手のよい切符です。
 まずは久留米から天神まで西鉄の急行電車で。久留米~基山~天神と高速バスを乗り継げば、パスを使って出れなくもないものの、時間節約のための投資です。


【西鉄高速バス・ふくふく号】天神9:50⇒下関12:20


 40分で、西鉄福岡(天神)着。天神のターミナルは、2階が西鉄電車、3階が高速バスになっていて、一度1階に下ってエレベータに乗れば、雨に濡れずに乗り換えられます。
 発車案内には、九州内だけではなく、遠く東京や河口湖の字も並び、旅の気分が盛り上がってきました。


 さすがはGW後半の初日。福岡近郊への高速バス乗り場には、早くも長蛇の列ができあがっていました。
 天神は始発地なのに、一部の便には遅れも発生しています。下り便が早くも渋滞にかかっており、折り返し便となる天神発も遅れてしまうのだとか。


 臨時のおみやげ屋さんが出ているのは、シーズンならでは。


 まずは、海峡を渡り下関を目指します。幸い、下関行き「ふくふく号」は、ほぼ定刻にやって来ました。下り便は30分遅れだったそうですが、折り返しに余裕があるようです。
 数席の空席を残して、天神バスターミナルを出発しました。


 街では、博多どんたく港まつりの準備の真っ最中。今年は晴で、パレードにも絶好の天気!との予報が流れており、実際この時もいい天気でした。
 ところが午後、パレードの最中にヒョウ交じりの雨になってしまったとか。そんなことになるとは、夢にも思いませんでした。


 中洲と蔵本で乗客を拾い、補助席まで使った満席状態に。通常は蔵本から都市高速に乗り、福岡ICから九州自動車道へと抜けるルートを取りますが、渋滞が激しいため、古賀まで国道3号を走ることになりました。
 車で通り慣れた以前の職場近くも、高速バスの高い視点から見ると別の街のようです。


 まずまず流れはよく、なるほど渋滞の高速道路よりはスムーズ。しかし下り線の混雑は次第に激しくなり、古賀ICから国道3号への道は大渋滞になっていました。同じく一般道振替えになった下り高速バスも、渋滞にはまっています。
 無線では刻一刻と各地の渋滞状況が入っており、その後「古賀IC出口が混んでいるので、下りは福岡ICまでそのまま高速を下るように」との指令が下っていました。この無線を傍受できたら、マイカーにとっても最強の渋滞回避ツールになるかも。


 九州自動車道に入っても、ところどころで渋滞が。GWの渋滞予測ではこの時間、上りに目立った混雑はないとのことでしたが、小規模の渋滞はあちこちで発生するもののようです。


 門司港付近でも事故渋滞に巻き込まれ、約30分遅れのペースで関門橋を渡ります。橋上だけはクルマも少なく、快晴の関門海峡の眺めを楽しむ間もなく、あっという間に本州へ。もう、混んでほしい時だけ混まないんだから…


 下関側でも、宝蔵寺、東駅、唐戸と、こまめにバス停が設けられています。宝蔵寺では10人近くが降り、迎えのクルマでバス停を去っていきました。
 東駅とは、駅もないのに不思議なバス停名というか、地名。かつての山陽電気軌道のターミナル・下関東駅があった名残りなんだそうです。今も道路交通の要衝であり、中心部らしい雰囲気が残っています。


 ここで運転士へ、指令から連絡が入りました。唐戸方面への道路は、お祭りの影響で大混雑のため、通常の回送バスのルートを使ってまずは駅に向かうようにとのこと。
 街路樹の茂る「回送ルート」を、下関駅に向かって直行します。時期的には避けられない大渋滞に対し、頑張って定時に近づけようという努力が垣間見えた、GW渋滞ピークの高速バスでした。運転士さんも指令も、お疲れ様です。


 約50分遅れで、下関到着。いつの間にか、バスの発着場も新しくなっていました。上層階には、シネコンも入っています。
 駅まで、少々距離があるのは残念だけど、雨の日でも濡れずに行けるのは便利ですね。


 駅ビルと路線バスのロータリーも完成して、だいぶ分かりやすくなりました。


 駅前の通りには、立派な自転車レーンも登場。車道と歩道とは、分離ブロックで明確に区分されていて安全です。


 ペデストリアンデッキ上にある「釜山門」をくぐりエスカレーターを下ると、グリーンモールなる商店街に出てきます。




 なるほど、ちょっと韓国チックな雰囲気です。下関は古くから、大陸に開かれた街。今も毎日、釜山へのフェリーが出航していきます。
 この街でお昼ごはんを食べてみたいというのが目的だったのですが、飲食店で開いているのは、なぜか中華系の料理店ばかり。


 山陽本線の高架をくぐると、アパート団地兼市場に出てきました。竹崎長門市場というらしく、こちらもどことなく異国感漂う雰囲気。店の中からは、おじちゃん、おばちゃんのしゃべる韓国語が聞こえてきます。


 ようやく開いている、韓国っぽい店を発見!


 豚バラと骨付きカルビを頼んでみたら、予想に反して日本風の焼き肉でした(笑)。おいしかったので、問題なしです。


 サンデン交通のバスで、唐戸へと出てきました。SUN Q パスでは、下関エリアのサンデン交通バスも乗り放題です。下関都心部だけではなく、秋芳洞や川棚温泉もエリア内なので、工夫すれば旅行の幅が広がります。


 唐戸周辺には、古いオフィスビルや郵便局が並び、門司港とセットでレトロ建築めぐりも楽しめます。今回はその中でも未訪だった、旧英国領事館に入ってみました。入場無料、太っ腹。


 領事の部屋。韓国だけでなく、世界に開かれた街だったことを示す遺産です。
 2階には英国風レストランもあり、午後にはアフタヌーンティー、夜はパブとしても楽しめるんだとか。アフタヌーンティーで優雅なひと時を過ごしてみたかったけど、時間が合わずに残念!


 中庭の雰囲気も、異国情緒たっぷり。






 観光地として活気のある唐戸周辺は、下関市の中心部でもあります。再開発ビルが並び、アーケード商店街の交差点はドーム型で広々。市役所は一部が、新庁舎に建て替わっています。
 全国各地の地方都市の中心部同様、苦戦している様子も垣間見えました。


 海岸に出れば、GWの賑わい真っ盛り。海産物目当ての観光客が行き交う中、歓迎イベントの大名行列が闊歩し、平和な休日の風景があります。
 門司港行きの関門汽船も、いったい何時間待ち!?と思うほどの大行列。SUN Q パスで乗れる4航路の一つということで計画に組み込んでいたけど、諦めざるをえませんでした。


【山陽本線普通】下関14:53⇒小倉15:08


 反対方向のサンデン交通バスに乗って、下関駅に戻りました。
 6月運行開始のトワイライトエクスプレス瑞風は、下関が始終点。カウントダウンボードで、雰囲気を盛り上げています。


 昔ながらの415系のセミクロス車は、九州へ行く人で大混雑。国鉄形電車も嫌いじゃないけど、ぼちぼち新車が入らないかなぁ…。