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青山学院大、16年度入試で英語外部試験「TEAP」採用

2015-05-13 | 日記

 青山学院大学は、2016年度入試で外部試験である「TEAP(アカデミック英語能力判定)」を出願資格として採用すると発表した。対象となるのは、文学部英米文学科、総合文化政策学部総合文化政策学科、地球社会共生学部地球社会共生学科の、一般入学試験や自己推薦入学試験など。

 同大学では、対象の学部・学科でそれぞれ出願資格となるTEAPの基準点を設けており、基準点をクリアしていれば入学試験当日は英語の試験が免除され、学科が指定する科目を受験する。現在、TEAPの基準点と、その他の受験科目が公開されているおり、入学試験日程などの詳細は、2015年5月下旬に公表される予定だという。

 「TEAP」は、日本英語検定協会が実施している英語試験で、おもに高校3年生を対象とした大学入試を想定して開発されている。英語で講義を受ける、英語の文献を読み解くなど、留学を含めた大学教育で遭遇する場面を考慮したテスト内容となっている。難易度の目安は、日本の高校3年生のレベルを測定するのにふさわしいとされる、英検準2級~準1級程度。「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能を測定するテストで、試験は年3回実施される。

 TEAPの試験は、札幌、仙台、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡の全国11都市で実施される。現在、7月19日に実施される2015年度第1回試験の申込みを、コンビニや郵便局ATM払いの場合は6月19日まで、クレジットカード払いは6月30日まで受け付けている。


上智大学では、2015年度入試より一般入学試験(TEAP利用型)を導入

2015-05-12 | 日記

上智大学では、2015年度入試より一般入学試験(TEAP利用型)を導入。従来の一般入学試験(学科別)との2方式で実施する。

 TEAP利用型は、事前に日本英語検定協会が実施するTEAP(アカデミック英語能力判定試験)を受験し、各学科の出願基準スコアを満たすことで出願可能。国際教養学部を除く全学部統一で実施する。試験日当日に英語の試験は実施せず、学科の指定する選択科目を受験。選択科目が共通していれば、複数の学科を併願できる(2次試験実施の学科間を除く)。

 各学科の出願基準スコアは、文学部英文学科が130、法学部法律学科が100、経済学部経済学科が95、外国語学部英語学科が145など。各学科の指定選択科目は、文系(一部学科除く)は国語が必須で、地歴・公民・数学から1科目、理工学部は数学必須で物理・化学・生物から2科目となっている。

 日程は一般入学試験(TEAP利用型)が2月3日、一般入学試験(学科別)が2月4日から9日。なお、出願資格を満たしていれば、一般入学試験(TEAP利用型)と一般入学試験(学科別)の併願も可能だ。


上智大学と英語検定協会が共同で開発したTEAPという新しい英語の試験

2015-05-08 | 日記

①TEAPとは

 センター試験以降、一芸入試、AO入試、全学部入試と、入試形式が多様化してきましたが、今回は上智大学と英語検定協会が共同で開発したTEAPという新しい英語の試験が登場しました。これはTest of English for Academic Purpose「学術的目的のための英語の試験」という名前の通り、高校生が大学に入った場合にどの程度英語をコミュニケーション、学習のツールにできるかを測る、という目的の試験です。出題内容は後述しますが、コミュニケーション能力を測るという狙いから、従来の入試英語とは一線を画す問題形式となっています。公式には英検準2級~準1級レベルとされています。

 これまでの英語の試験とのシステム上の最大の相違は、この試験が他教科と独立して、高3の7月、9月、12月に行われる、という点です。(受験資格は高校3年生以上です)しかも、このテストの得点は順位付けではなく、TEAP利用入試を採用している大学(*注1)が学部・学科ごとに設定した基準点(*注2)を越えればよい、という資格試験的扱いになっています。つまり、3回のTEAP試験のうちで、基準点を越える点を取れば、その生徒は2月の本試験において英語は受ける必要がなくなり、基本的には文系学部は国語・地歴の2教科の得点、理系学部は数学と理科の2教科(上智大学理工学部は理科が2科目必要)で合否が決まることになります。これにより英語抜きの受験、という4年制大学の一般入試としては大変珍しい現象が起こることになります。英語が苦手で他の2教科の足を引っ張っている受験生は3回のTEAP試験のうち、1回、1点でも基準点を越えれば2月の入試において英語以外の勝負に持ち込む、という作戦が立てられます。一方、英語が得意な受験生は秋までのリードで英語免除を勝ち取り、冬は他の2教科に集中する、という作戦が立てられる、というメリットがあります。(もちろん、他大学受験を考えればTEAP試験の後で英語の勉強が不要になるとは言えませんが。)

 ちなみに、問題冊子は回収されますので自己採点はできませんし、計110問の配点も不明ですので、試験後2週間ほど経ってから行われる点数発表まで自分の点数は推測も困難です。

(注1)

2015年度入試(2015年春の入試)で採用する大学
上智大学(国際教養学部以外の全学部学科)・立教大学(自由選抜入試)・関西大学(AO入試・指定校推薦入試)・立命館アジア太平洋大学(AO入試)・中央大学(英語運用能力特別入試・自己推薦) 筑波大学が検討中
⇒詳細はTEAP採用大学一覧

(注2) 


上智大学ホームページ⇒http://www.sophia.ac.jp/static/teap/

 

②どのような問題が出されるか?

 では、このTEAPはどのような問題が出されるか、形式面を見てみましょう。現在、TEAPに関しましてはテキスト・問題集類が一切存在せず、TEAPのホームページ(http://www.eiken.or.jp/teap/construct/)にsample問題(ReadingのPDFファイル及びListening用音声ファイル)が掲示されているのみです。また受験者にも問題の持ち帰りは許されず、試験問題のメモ等も一切禁止です。今回はこのsample問題と私が7月と9月の試験会場でこの試験を受けた際の記憶に基づいた記述となることをご了承ください。

 TEAPは2部構成で前半がReading Part、後半がListening Partです。センター試験と同様、全て選択肢から正解を選び、マークシートに解答を記入する方式で、筆記問題(和訳・英作文)は出題されません。(*注) 形式面の最大の特徴はこのListening Partが50分で50問出題される、という点です。センター試験でも2006年度からリスニング問題が出題されるようになりましたが、こちらではリスニング解答時間は30分で、この中に日本語による解答法の説明が含まれ、英文は2回繰り返されますので初めて耳にする英語を聞く時間は10分程度です。国公立大学の二次試験の英語の問題では、東京大学(全学部)の30分のリスニング問題が異彩を放っており、英文もハイレベルで長いものですが、これも2回繰り返されるのが救いで、1回目に質問を聞き取り、2回目に答を探しながら英文を聞く、という作戦が使えます。これに対し、TEAPでは放送される英文は1回のみで、大問5つのうち3つでは設問が問題冊子に印刷されておらず、英文の後に読まれる設問を聞くまでは何を答えるべきか分かりません。聞き取るべき情報を絞って聞くわけにいかず、英文を始めから終わりまで集中して聞かねばなりません。これが筆記試験70分に引き続き、休憩なしで行われますから、かなりの体力、集中力が必要となります。日ごろからラジオ講座や音声教材で英語の音を耳にする習慣を付けておくべきことは言うまでもありません。

 形式面の特徴の2番目はReading Partの語彙の難しさです。Reading Partは70分で60問、とセンター試験の80分で50数題(ここ10年間50~55題の間で毎年変わっています)に比べると時間が10分短いのに問題数が多いので、あまりじっくり考えて解答する余裕はないと言えますが、それ以上に英文で用いられる英単語が明らかにハイレベルである点が目に付きます。先述のように公式には英検準2級~準1級レベルとされていますが、TEAPの英文の語彙レベルは1級レベルに近く、上智大学の本試験並みと言えます。第1回、第2回の試験で使われた英文ではexpertise「専門知識」, vandalize「破壊する」, herbicide「除草剤」, turnout「選挙の投票者数」, laud「称賛する」, take issue with「~と論争する」, mandatory「強制的な、必修科目の」, precedent「前任の」などが単語帳に載っていない語彙で、さらにedge「端」→「力、特質」, hat「帽子」→「地位」, credit「評判、信用」→「(学校の)単位」など通常用いる意味とは異なる意味で使われる単語も目立ちました。このようなハイレベルな語彙にも語注は一切与えられません。

 3番目の特徴は、グラフの多用です。Reading PartではPart 2Bの5問が全てグラフを見て解答する問題、最後の長文にも英文の内容と与えられたグラフを比べて答える問題が含まれています。Listening PartでもPart 1Cの5問が全て放送される英文の内容と合っているグラフを選ぶ問題、最後のPart 2Bにも1つグラフが絡む問題が出題されますので、合計110問中の約1割がグラフに関係する、という英検の問題とも異なる、非常に珍しい形式です。英語からデータを素早く読み取る・聞き取る、という能力は大学での研究・調査に重要、ということで重視されているようです。英語の数字の聞き取りが苦手、グラフの読み取りが嫌い、という受験生には少し辛いところです(絵や表は出ていません)。

 4番目の特徴は扱われる英語の題材です。Test of English for Academic Purpose「学術的目的のための英語の試験」という名の通り、学問、大学関係の話題が中心的に扱われます。第1回、第2回の試験ではReading Partで「自然科学(環境問題・生物学)・人文学(地理・歴史)の解説」、「学生向けのお知らせ」、Listening Partで「大学生同士の会話」、「大学での講義」、「大学職員の学生へのアドバイス」 などが扱われています。物語文・随筆の類は出題されていません。受験生が大学に入学後、外国人教授の授業を受けたり、留学をしたりする場合に必要となる英語力を確認する、という狙いがはっきりと感じられます。これは同じく音声重視の試験でも、ビジネス英語主体であるTOEICと大きく異なる点です。

 最後に、純粋な文法問題の少なさが挙げられます。Reading Partの最初の20問が空所補充4択問題ですが、「仮定法」「関係詞」「準動詞」といった純粋な文法項目は問われず、大部分が単語の正しい使い方や、形や意味が似ている単語の正確な使い分け方を問う、いわゆる「語法」問題です。一般の入試の文法問題でおなじみの整序問題、誤文訂正等は出題されません。この、「規則に関する細かな知識よりも自分で表現する際に重要になる単語の語法に関する知識を重視する」、という傾向は近年、センター試験にも見られ、センター試験でも年々純粋な文法知識を問う問題は減少しています。とはいえ、「仮定法」「関係詞」「準動詞」などの知識なしに正しい英文の解釈は不可能なはずで、リスニング問題で読まれる文でも「助動詞」や「比較構文」を使わない英文はあり得ません。決してTEAPでは文法の知識は要らない、ということではありません。誤解のないようにしてください。

※注TEAPにはReading, Listening以外にWriting, Speakingの試験も用意されていますが、現時点ではこちらは大学受験では利用されていません。

 

③どう解くか

 ではこのTEAP試験で大学側が要求してくる基準点をクリアするためにはどのような解法が有効で、どのような対策が必要なのか、考えてみましょう。設問ごとに見て行きます。

《Reading Part》

○Part 1 [ 空所補充4択問題 20問 ]
 前記のように、語法を問われますから、単語帳で語彙を増やす際に、意味はもちろんですが、動詞なら主語は人か物か、自動詞か他動詞か、他動詞ならどのような目的語が付くか。名詞なら可算名詞か不可算名詞か、類義語は何か。形容詞ならどのような名詞を修飾するか、類似の形容詞との相違は何か。こういった点を辞書の解説や例文を見て考える癖を付けることが有効です。

○Part 2A [ グラフに合った英文を選ぶ問題 5問 ]
 グラフのタイトルや軸の部分に書かれた項目名も大きなヒントです。数字が絡んだ紛らわしい選択肢も多いので、グラフの内容をさっと見てから選択肢を順番にチェックしてグラフに合うかどうか確認する、という地道な作戦が有効でしょう。

○Part 2B [ 短い英文(手紙・メール・メモ・広告)を読み取る問題 5問 ]
 英語の手紙やメールは慣れていない人が多いと思います。「誰が」「誰に」「何のために」書いたメッセージか、文中にマークを入れながら読むのが良いと思います。(問題冊子は回収されますが書き込みは自由です。)

○Part 2C [ 短い英文(5~6行の解説文)を読み取る問題 10問 ]
 これは先に設問を読み、要求されている情報を頭に入れてから本文を読み答えを探す、というのが効率良い解き方でしょう。ここでも紛らわしい単語が選択肢に含まれたり、本文中の紛らわしい意味の単語の同意語を問われたり、と、語法の知識が要求されます。Part 1と同様の対策が必要です。

○Part 3A [ 20行程度の英文中の空所補充 英文2つ、それぞれ空所4か所 計8問 ]
 文と文、段落と段落の関係を表す語、いわゆるディスコースマーカーと、文意に合った名詞を中心に問われます。英文の内容を読み取らねば解けない問題ですから近道はありません。文頭からしっかり読んでいくしかないでしょう。内容は解説文中心で、レベルと文の長さからしてもここはしっかり得点するべき部分です。

○Part 3B [ 長文読解(500 ~600語) 英文2つ、それぞれ設問6 計12問 ]
 もっとも入試問題らしい問題で設問はすべて内容確認問題です。文中に空所や下線はなし。設問はほぼ本文の順番なので、1段落読んで1問解いて次の段落へ、という読み方もできますが、文全体のテーマを問う問題もあるので段落間の関係を見失わないようにしなくてはいけません。段落ごとのテーマを段落の横にメモしたり、キーワードに下線を引いたり、読み方に工夫が必要でしょう。先述のように単語レベルはハイレベルですから、単語帳・熟語帳に載っている語彙は確実に覚え、テキストの英文中の未知の語彙は前後関係で意味を推測した後に辞書で確認する、という地道な努力が必要でしょう。

《Listening Part》

○Part 1A [ 短い会話と設問を聞いて正解を選ぶ問題 10問 ]
 基本的に男女2人の短いやり取り(第2回では3人のやり取りも一つ混じっていました)で英検等でおなじみの平易な問題。このレベルならウォーミングアップ扱いにしないといけません。

○Part 1B [ 短いmonologue(一人の発話)と設問を聞いて正解を選ぶ問題 10問 ]
 短い講義、ラジオのスポット放送のような様々な内容の英文が放送されます。会話体に比べ、理路整然とした内容のものが多い分、内容は理解し易いと思いますが、単語のレベルは会話より上がります。

○Part 1C [ 英文を聞いて内容に合ったグラフを選ぶ問題 5問 ]
 先述のようにTEAPの特徴と言える問題。前の2問は英検やセンター試験の問題集でも練習できますが、この形のリスニング問題は他になかなかないので、練習はしにくいと思われます。通常のリスニング問題で数字をしっかり聞き取る練習をし、英文が流れる前にグラフに目を通してタイトルや軸の項目名からどのような英文か予想を立てる習慣を付ける必要があるでしょう。

○Part 2A [長めの対話と設問を聞いて正解を選ぶ問題 会話が3つ それぞれ設問3 計9問 ]
 会話形式ですが、気楽なおしゃべりではなく、学術・授業関係の堅い内容の対話、が中心です。幸い、前の3題と異なり設問が問題冊子に印刷されていますから、問題の解答法の英文が流れている20秒ほどの間にこの設問をしっかり読み、解答に必要な情報をあらかじめ頭に入れて英文を聞くテクニックが有効です。対話を聞いてから問題が読まれ、解答する時間が10秒ありますが、この時点で初めて問題を知って答を探すのでは遅いでしょう。

○Part 2B [ 長めの解説文と設問を聞いて正解を選ぶ問題 英文が4つ それぞれ設問4 計16問 ]
 前の2A同様、設問が印刷されているのが救いです。やはり解答法の説明が英語で流れますのでこの時間を利用して設問に目を通せるかどうかでかなり点数が変わる気がします。
 先述のグラフに関しては、ネット上に公開されているSample問題と第1回試験では英文の内容から適切なグラフを選ぶ形でしたが、第2回ではグラフが英文の内容を補充する形で提示され、英文を読むヒントになっていました。

 ~最後に~

 ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が日本人の英語力を痛烈に批判していましたが、産官学で実用的な英語を求める声は強まっています。センター試験廃止を機に、英語教育、入試英語も実用英語を主体としたものに大きく様変わりすることはほぼ確実と思われます。TEAPは本年が初年度ですから、今後多少の軌道修正は考えられますが、今後、採用する大学は増えるものと予想されます。せっかく受験勉強で多くの時間と労力を割いた英語が将来役に立たない、というのは確かにもったいない話です。日本の国語を英語にする、というのはさすがに現実離れしていますが、日本人が受験勉強で身に付けた英語を駆使して世界を股にかけて活躍する、日本のことを海外に積極的に発信し国際理解を深める、このような社会は実現可能だと思います。そんな日の到来を夢見つつ、TEAPの紹介を終わりといたします。

◇Reading Part

 通常通り、70分で60問。全体的レベルは前回並み、と感じました。第1問の4択問題は今回も語法・語彙中心の出題でしたが、一般的な入試用単語集で対応できるものがほとんどでした。しかし、それ以降の設問には、入試用単語集では見かけない語、通常の試験なら語注が付くと思われる語が多く使われていました。(いつも通り、語注は与えられません)また、単語集の見出しにはなっていてもやや特殊な、比喩的な意味で用いられているものも目に付きました。一語一訳の入試単語集だけで満足せず、重要単語は英和辞書を引き、周辺的な語義も見ておく必要を感じました。複数の訳語を身に付けることは英作文や英会話での表現の豊かさにもつながるはずです。

 英文では前回同様、図書館、大学寮、授業の課題のチェックなど大学生活に絡む話題が中心でした。中国、ベトナム、イタリアなど英米以外の国も多く登場しました。最後の長文はGreat Depression「世界恐慌」やルーズベルト大統領のNew Deal政策とアメリカのDust Bowl「黄塵地帯」の砂嵐と絡めた興味深い文でした。前回の鄭和の英文と同様、世界史の知識のある人の方が読み易く感じたのではないでしょうか?

◇Listening Part

 試験前にCDに録音された音声による解答上の注意が流されますが、前回までと同様の英語の注意に続き、日本語による注意も流されました。特に携帯電話の電源を切ること、途中退出は失格になることなど、繰り返し注意されました。

 流される英文の難易度は前回並みに感じましたが、1-C(グラフの読み取り)はやや煩雑で、単に数字を聞き取れただけでは適切なグラフを選べないようにひねりを加えた問題も含まれていました。もちろん数字の聞き取りが不正確ではこの分野での高得点は望めません。Reading Partと同様に、こちらでも受験用単語集の後半に出てくるようなハイレベルの語彙が用いられます。単語学習の際、単語集付属の音声教材や電子辞書の発音機能など用いて正しい発音を耳にしておく必要があるでしょう。もちろん、はっきりと聞き取れない単語があってもそこにこだわらず、次の文に集中する、という姿勢が必要ですし、2-A,2-Bの出題のように設問が印刷されている場合には解答に係る部分に集中し、周辺部の難単語に惑わされないようにする、といった姿勢も重要です。このような姿勢は類問での演習を重ねて初めて習得できるべきものだと思います。

◇Writing

 1時間程度の昼休みをはさみ、午後はWriting Partから始まります。Task A,Bの2問で、Task Aは、ある勤務形式の当否についての英文を読み、賛成・反対、双方の意見の要約と自分の意見を70語程度でまとめるもので、Task Bは「ある市の環境に関する問題への対策案2つ」に関する英文(折れ線グラフと円グラフのデータ付き)を読み、その2つの意見の要約と自分の意見を200語程度でまとめる、というもので、制限時間は70分です。

 大学の授業や大学生活の話題の多いReading PartやListening Partに比べ、大人向けの内容となります。罫線が引かれたのみの解答用紙の表面にTask A、裏面にTask Bの解答を書きますが、特に使用した語数を書く欄はありません。語数指定はabout 70 words, about 200 wordsとなっていますので、よほど大幅な過不足がなければ語数に神経質になる必要はないと考えます。要約と自分の意見の語数の比率も自己判断となります。私は指定語数のかなりの部分を自分の意見の方に充ててしまいましたが、これがどのような点数を付けられるのか興味があるところです。

◇Speaking

 Writingの後、受験番号に従って、教室の半数くらいが指名され、試験会場を移動し、残りは教室で待機となります。透明なビニール袋に携帯電話を入れ、それを首から下げて移動します。この袋は試験終了までぶら下げさせられます。この場面でも携帯電話に対する警戒は厳重で、他の受験生とのおしゃべりも禁止です。

 別のフロアに移動し、2人ずつ試験会場の教室(5~6教室あったと思います)に振り分けられます。(この2名は受験番号が連続しないようになっていました)教室前の廊下の椅子に着席、係員から受験票チェックを受けます。私は2人のうち後の番で、前の人が呼ばれ、教室に入り、試験が終わるまで待機でした。前の人が退出し、30秒ほどたってから(試験官の採点の時間でしょう)係員の指示で入室。ここからが面接で、外国人試験官と1対1の応対です。
試験の構成は以下の通りです。

Part 1 試験官からの質問への応答(約2分) 
Part 2 ある状況が設定され、それに即して受験生が試験官へ質問する(約2分)
Part 3 試験官から与えられるテーマに関し、スピーチ(約1分)
Part 4 社会的なテーマの質問に答える(約4分)
合計で10分ほどです。

 Part 1と2は高校生向けで、特に第1問は自分の将来の生活に関する質問で、既に大人である身には答えづらい質問でした。Part 2は、試験官がある職業に就いていると仮定し、インタビューする、というものでした。多分、その職業に就きたいと思っている高校生が自分の将来の参考にするために質問する、という想定だと思われます。これも成人にはやや質問を作りづらい設定でした。

 対照的に後半のPart 3とPart 4は大人向きでした。Part 3では最近の世の中のある傾向に関して意見を述べるもので、Part 4では「科学技術」「エネルギー問題」などに関する応答でした。日ごろニュースを見聞きしていない人にはつらい部分です。

 採点基準は不明ですが、実用英語検定と同様、Attitude「話そうとする態度」は重視されるはずです。LとR、BとVの識別など、出来るに越したことはありませんが、それらを意識しすぎて口が重くなるよりは、多少不正確な発音でも、大きな声でたくさん話す方が高得点につながると予想します。ピンマイクなどは着けませんが、この面接は録音もされているようですので、大きな声ではっきりしゃべることはマイナスになりません。

 実際に受験して意外な困難に遭遇しました。朝からこのSpeaking Partの時間まで、英語どころか日本語もほとんど発せずに過ごさねばなりませんでした。これは思った以上に声を出しにくくする状況でした。昼休みに発声練習、とまではいかなくても、友人とのおしゃべり程度でも声を出す方が良いでしょう(昼休み中は試験会場の外なら携帯電話が使えます)。
このようにSpeaking Partを終え、4技能の試験が全て終了したのが4時半過ぎでした。

~最後に~

 2016年度入試から新たに立教大学がTEAPを含む、英語の4技能を測定する試験を用いた新しい入試方式を導入すると発表しています(2014年12月11日付)。 大学受験のこの新しい流れは今後一層強まることでしょう。これに対応するためには、英語学習法も大きく変えねばならないでしょう。たとえば単語の勉強1つをとってみても、英単語のスペリングをローマ字読みして意味だけ暗記する、という学習法はListening PartとSpeaking Partの2分野で対処できなくなります。

 Writing Partでは英語を250語以上書くことになりますので一般的な大学受験レベルの、十数語で書けるような和文英訳の演習では不足です。海外にペンパル、メル友を作り、英語で身の回りのことを書くような習慣ができると理想的です。昨今ではネット上の掲示板での英語のやり取りなど、その気になれば機会は大いにあると思います。Speaking Partが最も対策を立てにくい分野だと思いますが、日ごろから英文を音読したり、CDの教材やラジオ講座などの英文を聞いて、それを声に出して繰り返す、などが声を出す訓練として有効だと感じます(ただし、自己流の音読は間違った発音が定着してしまう恐れがありますから、範読のCDなどがついた教材を使うことを薦めます)。

 前述のようにPar 3,4では新聞やテレビのニュースに関心を持っていないと話すべき内容に窮することになりますし、話したい内容があってもそれを表す単語が出てこない、という場面もありそうです。英字新聞やテレビ・ラジオの英語ニュースになじむことが理想的な対策ですが、学生向けの対訳付き週刊の英字新聞なども市販されていますし、ネット上でも材料はたくさん見つかるでしょう。

 今後、どのような大学が、どのようにTEAPを利用することになるか、注目していきたいと思います。