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大学入試改革 考える力を育む記述式問題に

2017-01-12 | 日記

 大学入試改革にやっと着地点が見えてきた。 

 国立大学協会が、国立大の2次試験で全受験生に長文の記述式問題を課す方針をまとめた。今の中学2年生が対象となる2020年度の実施を目指す。

 200~300字程度の長文で答える記述式が想定される。国語を中心に、総合問題や小論文の出題も考えられる。

 統計資料や新聞記事を読み解いて考えをまとめるなど、新たなタイプの記述式になる見通しだ。小規模大学などを対象に、大学入試センターが共通問題を作り、提供する仕組みも検討される。

 暗記中心の学習では身に付きにくい論理的思考力や表現力、読解力を養う効果が期待できよう。国立大が足並みをそろえた改革は、高校教育が変わる契機になる。考える力の育成を目指す次期学習指導要領の理念にも合致する。

 大学入試センター試験に代わり、20年度から実施される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称、新テスト)」にも、記述式問題が導入される。国語で80字程度の短文記述式を導入し、数学でも、数式などの記述を新たに課す。

 マークシート式問題に、短文であっても記述式が加われば、理解度をより深く測れる。国公私立大の9割が利用する大規模テストで課す意義は大きい。

 文部科学省によると、国立大では理系を中心に、約6割の学生が国語、小論文などの記述式問題を課されずに入学している。

 「新入生の半数以上が、文章を書く基本的技能を身に付けていない」と感じる大学教員が4割に上るという調査結果もある。こうした現状は改善せねばならない。

 課題は、機械では処理できない記述式の採点の態勢整備だ。

 約50万人が受験する新テストの記述式問題については、一部を大学が採点する案も検討された。だが、入試日程が早い私立大などは対応が難しく、教育関連企業への委託に一本化される見込みだ。

 採点は1点刻みではなく、段階別評価で行われる。文科省は、採点基準を明確にするとともに、混乱やミスを招かないよう、業者との準備を入念に進めてほしい。

 文科省は来年度初めに、新テストの実施方針と問題例を示す。マークシート式問題の改善や、実践的英語力を測る外部試験の活用など詰め切れていない点もある。

 受験生や保護者の不安感を解消するためには、入試改革の意義も含めて、分かりやすく説明することが求められる。