時事コラム

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日航機トラブルが多いけど…飛行機、大丈夫?

2005-06-03 23:20:34 | 人災・事故・事件
今年度に入ってから、異常に航空トラブルが目に付きませんか。
3月に発覚した「管制官の指示無く滑走路に進入問題」を皮切りに、今日までに週に1度は航空関連のニュースを聞かない日は無いのでは?と思うくらいにトラブルが続いている様に思えます。

これは…ひょっとして、今年あたり大規模な飛行機事故が発生するのでは…そんな心配もしてしまうような異常事態ですが、実際の所はどうなのでしょうか。

ちょっと調べてみました。ざっと調べただけで、まだまだ歯抜けも有りますが-
下の一覧を見てみて下さい。

◆今年ニュースになった航空トラブル一覧。

2005/06/01 21:45 ボーイング747/JALウェイズ 成田→ハワイ 70便
車輪格納庫ドアが閉まらず?(計器誤表示??)成田に引き返し欠航。

2005/05/30 11:30 ボーイング747/日本航空 シドニー→関西 778便
離陸の為滑走路に向かう途中で、主脚の格納軸が破損。欠航。

2005/05/27 日航機機長。
喘息により服薬を告知せず、3年以上操縦が発覚。

2005/05/23 11:40
那覇空港:全日空機に着陸のやり直し指示。自衛隊機のエンジンテスト遅延による。

2005/05/21 08:40 MD-90/日本航空 伊丹→長崎 2371便
エンジン異常燃焼により引き返し緊急着陸。

2005/05/15  ボーイング777/日航機 ジャカルタ→成田 726便
機内食カート2台、収納せずに乗務員が手で抑えて着陸。

2005/05/08 11:40 ボーイング747/日航機 サンパウロ→成田 47便
与圧系統トラブルにより機内気圧急低下。高度を下げ、新千歳に緊急着陸。

2005/05/08 10:40 ボーイング767/日航機 中部国際→マニラ 743便
高度計トラブルにより関西空港に緊急着陸。

2005/05/06 07:30
成田空港:日本貨物空港エンジンカバー(15cm×20cm)脱落が発覚。飛行中の脱落と見られる。

2005/05/03 10:10 ボーイング747/日航機 中部国際→成田 54便
左翼ゴムカバー(50cm×15mm)の脱落が発覚。紛失時点は不明。

2005/05/01 10:50 日航機 中部国際→パリ 437便
空調装置に異常。成田へ緊急着陸。

静岡県警:静岡県警ヘリコプター墜落、5人死亡。

2005/04/30  /日航機 羽田→秋田 1267便
ブレーキ関連油圧系統故障、そのまま飛行し、着陸後、滑走路・誘導路等にに油漏れ。

2005/04/29 21:40
羽田空港:管制ミス:日本航空2機に、補修工事の為、閉鎖中の滑走路への着陸を指示。
 管制官5人、監督する航空局長ら6人、計11人処分

2005/04/24 10:25 ボーイング767/日航機 中部国際→北京 601便
飛行中計器表示トラブル。引き返し、修理の上で再発進。


2005/04/22 17:00 ボーイング737/ANK 小松→仙台 361便
小松空港:管制官の指示無く離陸滑走を始める。

2005/04/17 18:00 DC-10/日航機 成田→香港 735便
操作関連油圧系統故障、離陸中止。

2005/04/14 17:30 ボーイング747/日航機 ホノルル→成田 73便
左翼部品の一部(50cm×50cm)欠損。

2005/04/10 会社規定違反となる、経験不足副操縦士による離着陸3回。
航空法には合法。社内規定違反。確認ミスによる。

2005/04/07 エアバスA300/日航機 羽田→高松 1411便
エンジン付属部品のボルト脱落。

2005/04/05 16:50 MD-90/日航機 岡山→羽田 1684便
尾翼カバー(4cm×10cm)欠損が発覚。欠航。

2005/04/05 全日空機
部品脱落が発覚。

2005/03/31 06:00 ボーイング747/日航機 関西→ホノルル 78便
左主脚タイヤのボルト脱落が発覚。

2005/03/30 01:15 ボーイング747/日航 
羽田空港:牽引中に日航機主翼、誘導路脇の監視カメラに接触。カメラの設置場所のミス。
 航空局管理課長ら6人処分

2005/03/27 13:45 ボーイング747/日航機 成田→ローマ 409便
計器の誤表示トラブル、成田に引き返し欠航。

2005/03/27 08:00 ボーイング777/日航機 ジャカルタ→成田 726便
成田空港:日航機主翼ラバーシール(1m×3cm)脱落が発覚。飛行中の脱落と見られる。

2005/03/22 エアバスA300・A310
部品に欠陥の恐れ。耐空性改善通報。

2005/03/22 21:25 ボーイング747/日航機 ブリスベン→成田 762便
エンジン点検パネル脱落。

2005/03/22 19:00 エアバスA300/徳島
徳島空港:整備作業者が接触、左翼に破損。欠航

2005/03/22 AM ボーイング767/日本航空 →福島 2261便
福島空港:着陸時に尾部テールスキッドが滑走路に接触。滑走路灯1個が破損。
テールスキッドは航空機本体がしりもちを付きそうになった時、本体より先に接触する様に設けられている緩衝材。まさに役目を果たして大惨事を防いだ例。

2005/03/17 18:00 エアバス/日航機 長崎→羽田 1852便
左翼防氷装置故障。福岡空港緊急着陸。

2005/03/16  ボーイング767/日航機 羽田→札幌 1021便
非常用脱出装置を切ったまま運行。航空法違反。

2005/03/11 18:00 ボーイング767/日航機 仁川国際(ソウル)→成田 954便
仁川国際空港(ソウル):管制官の指示無く滑走路に進入。

2005/03/03 エアバスA300/日航機 女満別→羽田 1184便
管制官指示の誘導路を通り過ぎる。

2005/03/02 19:00 MD-81/日航機 青森→札幌 2808便
誘導路走行中、除雪後の雪ダマリに右翼接触、ライトが破損。

2005/01/22 夜 日航機 千歳空港→
千歳空港:管制官の指示無く離陸滑走を始める。




さて。見て貰えば判ると思いますが、1月22日に発生したトラブルから、3月2日に発生したトラブルまで随分と空白期間が有りますよね。

実は…これ、空白期間じゃないんです。1月22日のトラブルが発覚・ニュースになったのが。3月1日になってからなんですよ。その直後に3月2日、3月3日と連続してトラブルが発生し、その上3月11日に再び1月22日と同じミスを繰り返し、3月16日に航空法違反を犯した。

つまり、3月1日の発表が「事実隠し?」とマスコミに取られ、その後偶然か必然かはご想像にお任せしますが、発表せざるを得ないトラブルが相次いで発生してしまう。それに日航の人為的トラブルが重なった事もあって、現在日航では、本当に僅かなトラブルでも発表しないとマスコミに叩かれてしまう状況になっている訳です。


勿論、重大な事故に繋がるトラブルも数えなければならない程度には含まれています。それはそれで重大な問題ではありますが、今回取り上げたい事・・・この中に含まれる過半数は「部品の脱落」です。
ここで、昨年度の部品脱落件数を出してきましょう。実は、2004年度に計159件もの脱落が発生しています。計算してみると、1週間に3回は部品の脱落が発生している事になります。


つまり、ここにあげたニュースの大半は-「今回、日航機の人為的ミスで注目を浴びているけれども、実は日常的な事。」でしか無いのでしょう。

そして、日航では現在、非常にマスコミの動向にピリピリしていますから、些細なトラブルでもすぐに発表してくれます。でも、上に挙げたニュースを見る限り、週に3回も脱落事故って発生してませんよね。それがどういう事か…日航機が全て発表をしているとすれば、トラブルが昨年より少なくなったのか、そうでなければ、マスコミの注目を浴びていない…他の会社が隠しているだけって事です。



実際、部品の脱落は日常的に発生し、しかしそれでも墜落する機体は無い。そうでなければ毎日どこかで墜落してますからね(^^; だから大丈夫-な訳じゃないです、部品の脱落事態、本当は有ってはならない事ではありますが、かといって、「今更言う事」では無いって事。それよりも、日航はこうしてトラブルを発表しているけど、他の会社は本当にトラブルが起きていないのか??って事です。

どうも、トラブル隠しの体質は、日航でも、三菱でも、そして他の航空会社でも…大企業っていうのは、一度明るみに出るまで、隠せる所まで隠しちゃおう、という考えなのかも知れませんね。


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