大量殺戮

　大量殺戮したかった　カレはそういったそうだ　四歳の子供をハンマーで殴り、骨折させた少年の口から出た言葉だ
　社会の安定や同一性を維持するために、腐れ、けだもの、ハゲタカ、蛆虫等とラベルを張り排除する　決まって弱く小数のものが選ばれ、多数の物がこのお祭りやゲームに参加し、浄化や再生を体験する
　愚かなことだと目を逸らす人もこの多数派に属するがゆえの余裕以外のものではない
　カレのやろうとしたことは、反社会的行為だ　罪のない子供を殺そうとした　彼の行為の普通ではない点とは、この罪のない人を襲い殺そうとした点だ　
　頻発する罪なきものへのこうした攻撃は、まったく未知なものではない　かって、我々の祖先は、飢饉やひでりのような社会的な危機の中で、とりわけ罪のないものを生贄にささげた長い時代をもっている　神の怒りを鎮めるためだ
　社会的危機や変動が、失業や自殺のような排除を生み出す一方で、社会的に排除されたものたちが、アルカイックな生贄の儀式のなかで、己が再生を祝おうとしているようにも思える　しかも何度も
　これは最終警告なのだろう