インドへのロードマップ

インドでの消費者情報、広告媒体情報などに特化したブログです。

インドの数字の位取りに関して

2006-02-02 00:31:41 | インド雑学
インドでビジネスをしていると、ラック(Lakh)とかクロー(Crore)
という言葉が頻繁に現れ、最初は戸惑います。最初だけではなく、
私などは今でもわけがわからなくなってしまいます。

インドでは、数が大きくなると、Millionなどの西洋の単位では
なく、10万を1ラック、100万を10ラックスというふうに表しま
す。1000万になると、100ラックスとは言わずに、1クローとい
ふうに位がアップします。そして、1億が10クローになります。
それ以上の単位もあるのかもしれませんが、それ以上は寡聞に
して知りません。

このLakh(LakとかLacとか表記されたりもします。複数形はsを
つけます)とか、Croreとかは、インドでビジネスをしていると
しょっちゅう出てきます。日常的な買い物程度では、あまり関
系ないのですが、仕事での取引で、何十万ルピーだとかの金額
になるとラックスが登場してきます。また人口統計だとかにな
るとムンバイの人口は1.6クロー(1600万)とか表現したりす
るのです。

この数字の位取りに関して、どこかのサイトで誰か解説してい
ないかと探してみたのですが、なかなか見つかりませんでした。
インドでのビジネスにおいてはきわめて重要な概念なのですが、
誰もこのことに関して触れていないのは納得がいきません。と
いうわけで、この件に関しては自分で解説を書かなければと思
いたったわけです。

実は、何年もの間、インド人と金額交渉や、媒体の読者数など
に関して打ち合わせしている時に、このラックスやクローが出
てきて、そのつどゼロがいくつだったかなと計算しなおさなけ
ればならずとても非効率でした。いつもわけがわからなくなり、
と言って調べてもなかなか出てないので、この記事に記した、
1ラック=10万、1クロー=1000万というのは、実は自分用の
メモです。

インドのこの独特の位取りの歴史的な背景はよくわからないの
ですが、おそらく何か深い哲学的な思想が背後にあるのかもし
れません。何しろ、数字のゼロの概念を発見したのはインド人
だと言われていているくらいで、また果てしなく大きな数の、
無量大数に至るまでの数のシステムもインドで作られた概念と
聞いていますので、ラックやクローの背後に潜む謎をご存じの
方は是非ともご教授いただきたく存じます。

インドの数字に関して考えていると、果てしないラビリンスに
迷い込むような気がして、そしてそれは仏教の奥義と接してい
るような、そしてまた最先端の高等数学や、コンピュータにお
けるデジタルの考え方にもひょっとしたら通じているのかとも
想像されたりして、チャネリングの境地に到達しそうになって
しまいます。

数学的に、このインドの位取りがどんなもんかという分析は、
専門の方におまかせするとして、上の図でも示した通り、ラッ
クと、クローの位取りでゼロにカンマを入れてみます。する
と、千のくらいで一つのカンマ、そしてゼロが二つでラック
のカンマ、そしてまたゼロが二つでクローのカンマとなります。

欧米の位取りは、3、3、3と3が基本になります。ゼロ3つ
でカンマが入ります。それに対してインドは、3、2、2とい
うふうになります。ゼロの数だけ並べると何か不規則ですが、
ゼロの合計数でみると、最初のゼロ3つで千になり、トータル
5つでラックになり、トータル7つでクローになるという規則
性があるのがわかります。3、5、7ときちんと奇数になって
いるのです。これに気付いたときは、自分でもすごい発見かと
思ったのですが、だからこれがどんな意味を持つのかというこ
とまではわかりません。インド人のことだからおそらくこれに
は我々にわからないような科学的な思想が隠されているのかも
しれません。

このゼロ二つづつでの位取りですが、以前、インドから来た
見積もりに、千の位のカンマにゼロ二つでまたカンマがついて
いるのがありました。インド人はそれをラックのカンマとして
用いていました。ところが、我々はそんなのを見た事がありま
せん。西欧流のやり方に染まっている我々は、そのカンマのつ
けかたを、何かのミスとして扱ってしまいました。ゼロを一個
うっかりとタイプミスしてしまっていると。

ラックのことを知っていれば、それはそういう位取りだと分か
のですが、知らないと、大変な誤解につながります。そのカン
マの付け方は、インドではごく普通に行われる方式だったので
す。インド関係のお仕事をされる方はそのことを頭のどっかに
記憶しておいてもらえると、このような誤解を未然に防ぐこと
ができます。

日本の位取りは、一十百千万億兆というふうになっていますが、
実はゼロが4つづつで位があがるというシステムです。本来は、
数字表記を欧米に合わせてゼロ3つごとにカンマをうつのでは
なく、4つめごとにカンマをうてば、日本語としては数字を読
みやすくなります。日本のカンマは、日本の位取りと一致して
いないので、非常に読みにくいのです。インドと同じように、
我が道を行くで、4つのゼロでカンマというシステムにしたら
よかったのかもしれません。今となっては遅いですが。

インドで話をしていて、ここに書いてある30クローというのは
300ミリオンだとか説明されると余計にこんがらがってしまいま
す。大きな数字になるとどうしても日本語の概念で把握する癖
が抜けきれず、30クローというのは3億だと理解したほうが楽
になります。クローには本当に苦労させられます。

インドは、掛け算の九九を99x99まで覚えさせられるというのは
有名な話です。九九九九となってしまい、なかなか苦しそうな
勉強です。しかしこの計算能力がインド人を数学に強くしている
のですね。シンガポールの両替商はインド人が多いですが、お金
の計算や、おつりの計算の仕方はかなり速いです。

インド人は、おそらくラックとかクローという概念を使い、大き
な数字をひとまとめにして扱うことでメリットを得ているような
気がします。日本のようにゼロが4つでやっと万が億になるとい
のだと、ちょっとITの時代には合わないのかもしれません。イン
ド人がITに強いというのも数字の位取りに秘密があるのかもしれ
ませんね。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も以前 (へいたらう)
2006-02-02 15:22:40
アメリカ在住の日系二世の親戚と、日本の(福岡の)不動産の話をしたことがあるのですが、まず、坪当たりいくらを、㎡に換算して、それをエーカー(?)に換えて、今度は万円単位を千円単位に変え、それから、円をドルに換算しなければならないという・・・。



もー、いや!って感じでしたね。
返信する
そういうことですか? (kimaGlen)
2006-02-02 16:23:41
たしかに、小さい数字がラックで大きくなるとクローするというのは、真理ですね??

奇数説というのもありそうで。

でも本当に、何かすごいか、ぜんぜんすごくない哲学が隠れていそうで気になります。

それから、今度、インドの方が本当に二桁の9x9(=99x99)ができるのか、聞いてみたいです。
返信する
おわびと感謝 (店長)
2006-02-02 20:01:29
ひとつお詫びしなければなりません。このページの最初の情報に誤りがありました。CroreとあるべきところをCloreと綴ってしまっていました。RとLを間違えてしまっておりました。申し訳ありません。ほんとにこのCROREというのには苦労させられます。クローと言えば、九郎義経をつい想像してしまいます。おっと失礼。



へいたらうさん、コメントありがとうございます。私も数字のこと考えただけで頭が痛くなります。坪とか言われてもねえ。シンガポールはスクェアフィートになるので、余計わからなくなります。



KimaGlenさん、大きくなるとクローしますね。ちなみに、今インド人に確認したら、クローの上の単位はなく、100クロー、1000クローというふうに使うのだそうです。いつ頃からこんなシステムができたのかはよくわからないと言っていました。99x99については今度聞いてみます。
返信する
Unknown (pt)
2018-06-18 23:06:42
 10万=ラック
100万=ミリオン
1000万=クローネ

とセットにしてしまえばある意味楽なような気も、、?
返信する