MEGA PEACE Vol.1

音楽の祭典、メガピ@早稲田!

MEGA PEACE vol.1 総括

2008-04-10 03:15:31 | なんでも
ばばです。

以下、3月4日付けのボランティアセンター経由で、総長宛に出したMEGA PEACE vol.1総括のレポートです。

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白井克彦 総長

平山郁夫記念早稲田大学ボランティアセンター(WAVOC)主催
早稲田大学創立125周年記念事業

MEGA PEACE Vol.1 省察レポート

早稲田大学政治経済学部政治学科5年
MEGA PEACE Vol.1 代表 馬場 祐平


1.プロジェクト概要
2.基本理念
3.当日概要
4.プロジェクト経緯
5.課題と省察
6.Vol.2の開催へ向けて


1. プロジェクト概要

 「所属の壁を超えて他者とつながる」をキーコンセプトに、ふだんの生活では出会えないような人々が、「年に一度くらいは一同に会そう」という趣旨で音楽祭を行った。

本企画は、音楽の巧拙ではなく、素人でも舞台に上がり主役となることを重視した。また、誰もが愛する「音楽」を企画の軸にすることで敷居を低くし、多様な人々の参加を促した。その結果、早稲田内外の人々が所属や世代を超えて参加するという結果を生んだ。

 「進取の精神」で社会をリードしていくべき早稲田大学において、多様な人々が各々の所属を超えて横断的につながる「場」を築けたことは、本企画が一定の社会的ニーズと意義を有すると考える。


2. 基本理念

 *所属の壁を越えて、多様な人が横断的に交わる場をつくる
 *音楽によって感情レベルでの一体感を共有し、言葉を超えた感動を生む
 *他者への想像力と主体的な働きかけの大切さを感じ、次なる行動を促す機会とする


3. 当日概要

2007年12月15日(土) 場所 大隈大講堂 入場無料・入退場自由
14:00開場、14:30 開園 ~ 18:00 閉演、18:10閉場、21時完全撤収
出演者数 350名、来場者数 700名 参加者総数 1050名
ホームページ http://www.megapi.net/

[プログラム]
・14:30~15:20 「奏でるメガピース」
フジロック出演経験を持つプロの和太鼓バンド「GOCOO」による和太鼓ライブ
・15:35~16:45 「踊るメガピース」
4チームのダンスユニットとフォークダンス
演目/theater早稲田/男祭り/よさこいソーラン節/東京音頭/フォークダンス総踊り/
・17:00~17:15 「光と音のオルゴール(WIP協力)」/「テーマソングライブ」
・17:15~17:50 「歌うメガピース」 4チームの合唱隊。
曲目/ありがとう/やさしさに包まれたなら/安土夢幻/明日に架ける橋/
・17:55「フィナーレ」 来場者全員で「あの鐘を鳴らすのはあなた」の大合唱
 *上記企画とは別に「ピーシーズ」という展示企画を行った。出会った人々のピース写真を撮ることで、当日参加できなくても写真という形で企画に参加してもらおうという趣旨で行った。約1か月半の間、多数のメンバーが主体的に写真を撮り続けることで、本番当日には1500枚の写真を大隈講堂のエントランスに展示することができた。また、大学周辺のカフェ3店舗(うるとらカフェ、norari:kurari、QUNE)において、12月上旬から本番当日の2週間、これらの写真と映像を用いた展示企画を行った。


4. プロジェクト経緯

 私は中学・高校と中退している。大検を経て早稲田大学を目指した理由は、その頃に感じていた「人とのつながりの物足りなさ」であった。早稲田大学には私が求めていた「多様な人々の渦巻きが生む熱」があるように思った。

 入学後、実際に私は早稲田の多様性に触れることができた。大学の4年目を終え同期が卒業をしていく頃には、出会いに恵まれた幸福な大学生活だったと振り返ることができた。しかし周りを見回してみるとそう感じる人は決して多くないようだった。多様性に触れないまま、いくばくかの後悔を抱えて卒業していく人たちを少なからず見かけた。

 日本一、多様な人々の渦巻きが生む熱を持っているはずの早稲田で、私が高校の頃に抱いていたような「物足りなさ」を感じている人がいる。それは私にとって大きな衝撃だった。そして大学の4年間を振り返ると、実はごく限られた人々としか出会っていないのかもしれないと思うようにもなった。

 私には大学の5年目が残されていた。この問題点に共感してくれる強力な友人たちもいた。早稲田大学で様々な活動を主体的に成し遂げてきた者ばかりであった。みな口を揃えていった。早稲田大学には人と人との間に壁がありすぎる。大学の内側の壁も、そして外との壁も、もっと乗り越えて人と人はつながっていくべきだ、と。

 サークルとの壁、体育会との壁、教職員との壁、留学生との壁、地域との壁、大学外との壁、、、。それらの壁を乗り越えようとしている人々の存在は知っていたが、そのすべてを包含し、あらゆる壁を越えて群れあえる場所は、早稲田には存在していなかった。

 一日でいい。一時間だっていい。一瞬でもいい。多様な人間と群れあうことができれば、その存在を肌で感じることができれば、その壁を超えるきっかけになるはず。それは早稲田を、ひいては日本を変えていくことになるだろう。そして早稲田を人より長く、そして多く楽しんでいる自分はそれをやるべきだろう。そうした想いからこの企画は生まれた。

 多様な人間が群れあい、早稲田の変化を感じられる象徴的なイベントにしたい。その想いがはじめにあったため、大隈講堂を押さえることが必須だった。そこで原孝教授を通じてWAVOCに協力を仰ぎ、主催プロジェクトという形で2007年6月末にスタートする。

 それと並行して大学在学中に出会った友人に声をかけ、代表の馬場を含めた7名によってプロジェクトの方向性を決める話し合いを重ねた。この7名はその後の活動においても中心的な役割を務めた。

 夏季休暇の終わりに近い9月上旬に、地球感謝祭へ「合唱」の企画で参加することを決める。目的は音楽によって人と人とがつながるということをメンバーが実感すると共に、イベントの経験を積むこと、メンバーの増員、地域との交流といったことがあった。

 参加を決定して仲間を募り始めてわずか10日ほどの期間にも関わらず、47名が集まった。それだけでなく、早稲田大学OBを中心とした商店連合会の関係者、特に「団塊のノーブレスオブリージュ」とのコラボレーション企画を行うこともでき、所属や世代を超える可能性と意義を共有する。

 地球感謝祭後の10月、当初の7名を中心に12月の本番へ向けた話し合いを重ねる。各自が団体の代表やプロジェクトリーダーを経験してきたこともあり、多様な企画案が出され、実行へ向けて動き出すことになる。また、メンバー募集の説明会等も複数会行い、団体としての正式な発足式もこの時期行った。

 11月に入ると各チームにリーダーを置き、それぞれが主体的にチームを運営していく体制となった。チーム毎の練習がはじまることでチームが熱を帯び、その暖かさに惹き寄せられるように参加者が急増していった。本番へ向けた約1か月間の練習過程では、各チーム内での交流が活発に行われた。

 12月15日の本番直前に大隈講堂前で組んだ円陣では、全員が集まっていないにもかかわらず、歩道にはみ出しそうなほどの大きさになった。わずか7名からはじめた本プロジェクトは、半年にも満たない間に350名の出演者を擁することになった。

 その結果、年末の土曜日の午後という、早大生が日ごろより格段に少ない時期にも関わらず、当日は約700名の来場があり、出演者とあわせて1000名を超える人々が会場に足を運ぶイベントとなった。


5. 課題と省察

 本プロジェクトは「所属の壁を越えて他者とつながる」ということを第一義にしてきた。

 「所属の壁を超える」という点においては、多様な人々が参加したと言える。大学内ではゼミやサークルの壁を超えた関係が生まれた。大学の外に目を転じれば、他大学の学生をはじめ、小学生~高校生まで大学生未満の子どもたち、さまざまな出身の留学生たち、地域の人々、参加者の親兄弟をはじめとした親族等も多く壇上に立った。また元ハンセン病患者の方々が軸となったチームもあった。

 「他者とつながる」という点においては、350名の人が関わったことで参加者間のつながりが多数生まれた。本番の後もチーム間での交流は深く、チームを超えた関係が生まれていることも少なくない。

 本番のエンディングにおいて出演者・来場者を交えた全員で「あの鐘を鳴らすのはあなた」を大合唱した際には、音楽の力によって感情レベルでの一体感が生まれた。それまでにしてきた活動がこの大合唱へと収斂され、「壁を超えたつながり」を生むだけでなく「他者への想像力と主体的な働きかけの大切さを感じ、次なる行動を促す機会する」という基本理念が実現されたと考えている。

 このような意味で今回のイベントは成功であり、また十分に社会的な意義を有していると思う。しかし、終わってみて振り返ると浮かび上がる課題は限りなくある。

 まず「壁を超える」という点ではターゲットが曖昧だったことが挙げられる。多様性を確保しようという意図のもと、超えるべき壁を限定せずに「所属を超える」という言葉を使ったものの、それによって本来捉えたかった「比較的縁遠い人々」を捉えるのが困難だったという点である。

 具体的には、大学の中では体育会系に所属する学生たちと教職員、大学の外では世代を超えた人々(特に「現役で働いている人」と「団塊の世代以上の一線を退いた人」)と周辺地域の人々である。それぞれの参加者は少なからずいたものの、時間に融通のきく学生と比べると偏りがあった。こうした人々に対してはもっと早めのアプローチと、納得して参加してもらえるだけの「大義」を考え、深く共感してもらう必要があった。

 「他者とつながる」という点においては、チーム内でこそ強い絆を紡げたものの、チームを一歩出ると知らない人が多いというケースが多かった。これは大規模なイベントゆえにやむを得ない面もあるが、他チームとうまく交流する機会を増やすことができれば、より他者とつながったり、存在を感じたりできたはずである。

 また「壁を越える」ことと「他者とつながる」といったビジョンを達成するための実施方法が曖昧なままプロジェクトを進行させたため、主なタスクを一部のメンバーが背負わざるを得ない状況が生まれた。そのため各メンバーの限界を超えることがあり、予算面をはじめ様々な部分で後々障害となった。と同時に本番跡に聞こえた不満の声の多くは「もっと深く参加したかったが、どうすればいいのか分からなかった」というものだった。こうしたことはひとえに代表である馬場のマネジメント不足に起因すると考える。

 だが、そのような状況においても何とか本番当日まで漕ぎ着け、曲りなりにも成功と言えるまでに達したのは、参加者がこのプロジェクトに協力的だったからである。これは7名のリーダー陣をはじめ、中心的に活動した人々が信頼を勝ち得ていたことがあると思う。信頼が信頼を生み、それが組織化されていくことで、そこにまた新しい人が参加してくる。こうした信頼の連鎖構造の結果、幾多の問題や困難がありながらも、今こうしてレポートを書くことができている。仲間たちに、心から感謝したいと思う。


6. Vol.2の開催へ向けて

 今回はプロジェクトの第一回であり、また動き出しがおそかったことも原因で、実際の準備期間は極めて短期間であった。幸いなことに今回生まれたつながりを活かして、次回の開催に中心的に関わりたいという参加者が多数おり、今回の反省を行いながら、次回へ向けた話し合いを行っている。

 振り返ってみて思うのは、今回生まれたつながりはまだ小規模なものではあるが、潜在的なニーズは限りなくあり、それは早稲田大学が率先して行うべきものであるということである。第一回の経験とつながりを活かして活動を続けていくことで、今回汲み取れなかった人々も含めてより広い範囲の人を巻き込んでいけると思う。

 しかし更なる発展のためには早稲田大学側との協力を増やすことが先決であると思う。一学生の視点では、大学当局と学生個人との隔たりは限りないものがあると感じる。それを埋めることができれば、大学生活はより実りの多いものになるはずである。本プロジェクトのような機会を通じて、総長をはじめ大学を率いる方々に賛同いただき「壁を越えること」に協力して頂きたいと思う。


 白井克彦総長、

 多様な個人、多様なサークル、多様な団体、多様な卒業生、多様な市民を、「感情」で握手させるMEGA PEACEに賛同して下さい。

 白井先生、今年は参加してください。よろしくお願いします。

 
               MEGA PEACE vol.1 代表 馬場祐平



  フィナーレ曲「あの鐘を鳴らすのはあなた」
  作詞作曲 森田 公一

  あなたに逢えてよかった
  あなたには 希望の匂いがする
  つまずいて 傷ついて 泣き叫んでも
  さわやかな 希望の匂いがする

  町は今 眠りの中
  あの鐘を 鳴らすのは あなた
  人はみな 悩みの中
  あの鐘を 鳴らすのは あなた

  あなたに逢えてよかった
  愛しあう 心が戻って来る
  やさしさや いたわりや ふれあう事を
  信じたい心が 戻って来る

  町は今 砂漠の中
  あの鐘を 鳴らすのは あなた
  人はみな 孤独の中
  あの鐘を 鳴らすのは あなた

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