仮。

仮の住まい

錨の引上げ方法

2017-04-01 22:40:34 | 日記
・大型港の沖合いには、恐らく入港待機中であろう船舶が停泊していることがある
・海流や波に影響されず同一場所に停泊するには、何らかの位置固定手段が必要で、一般的にそれは錨であると推察される
・錨と船舶の間に(鎖を介して)生じる張力により、船は流されずに済む
・しかしそうすると、いざ出発する際、その張力を乗り越えて錨を引き上げることは不可能なのではないか?

という疑問を、ふと思い出した。

幼少時、私は「錨はある方向に引っ掛かって止まる。だから、出発時は引っ掛けた方向と真逆まで進めば、錨の引っ掛かりが取れて錨が回収できる」という回答を思い立ち、納得していた。

しかし、それでは、停泊中に海流が逆向きに変わった場合、錨の引っ掛かりが外れて張力を失い、船舶は漂流してしまうことになる。
海を見ていて、ふとその矛盾を思い出したのである。

正しい答えは専門書等を読んで得たいところだが、(公財)日本海事広報協会のWebサイト等を閲覧して、とりあえずの回答を得た。
・停泊中の船舶は、錨の引っ掛かりだけでなく、錨や錨と船舶を繋ぐ鎖(アンカーチェーン)の重量や海底との間で生じる摩擦力によって停泊している
・錨のみならず鎖の相当部分が海底に付いており、大型船舶では、鎖の海底接触部分は2~300mに及ぶ場合もある
・海流が逆向きになっても、錨の引っ掛かりだけで固定されているのではないから、ある程度鎖を別方向に引きずったところで、十分な摩擦力が発生し停船する
・出発する時は、そのまま錨を巻き上げることは不可能だから、錨に向かって少しずつ進みながら緩んだ鎖を回収していき、最後に錨を垂直に引き上げる
・錨は海底を水平に引っ張られると引っ掛かりが生じるが、垂直(真上)に引き上げる際は、引っ掛かりが生じない仕組みになっている

日常生活で見えない部分は、何となく理解しているような気になってしまっている。
錨に限らず、間違った納得を他にもしているのではないかと、ふと不安になった。

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