仮。

仮の住まい

読書:『縮小ニッポンの衝撃』(NHKスペシャル取材班)

2017-11-12 15:53:43 | 日記
2017.07.20.第一刷
ISBN 978-4-06-288436-5

・総務省の人口推計に基づくと、日本の人口は現状2008年の12,808万人がピーク
・「国立社会保障・人口問題研究所」の推計によると、中位推計を参照しても、2065年には人口8,808万人、5100年に5,972万人まで人口が減少する

本書は、人口減少や集落消滅に直面する豊島区、夕張市、島根県雲南市などへの取材内容をまとめたものだが、一言で言えば、「人口減少に伴って日本の
公共団体に何が起きるか、先行して人口減少に直面している区市町村の現状を紹介する」内容となっている。

日本は、これから未経験の長期的な人口減少に直面することは避けられず、その警鐘を鳴らすことの意義は大きいだろう。

しかし、国家における人口減少は、他国での観測事例が存在される事象なのだから、国内の先行事例だけを紹介し悲観に明け暮れるのではなく、他国にお
ける克服事例の紹介があっても良いのではと感じた。
(勿論、他国の過去の人口減少の要因が日本と同じ少子高齢化とは限らないが、公共投資やコミュニティ縮小への対策という面では共通する点が多い。)

ともあれ、日本が直面する「長期的な人口減少」という事実の認知を新書読者層に広めるだけでも、この本の意味はあるのだろう。