ゆずり葉

斜里町立朱円小学校 校長室だより

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№4 日置順正さんを悼む その3~講話会 翁(おう)の功績 偲びつつ~

2011年08月25日 | 学習の様子
日置順正さんを悼む講話会
○ と き  平成23年9月20日(火)5・6校時
○ ところ  朱円小学校 視聴覚室
○ 演 題  「日置順正さんが残したもの~偉大な郷土史家を悼む(仮題)」
○ 講 師  和田秀穂氏(元網走小学校長,現遠軽町教育委員会教育支援室職員)
○ 対象者  朱円小学校5・6年生児童(6名)
       ※ 学校だよりでもお知らせし,保護者・地域の方へ参加を呼びかける。


和田(わだ)秀(ひで)穂(ほ)氏は,『文化四年慟哭の斜里場所』の著者です。
「エピローグ」の中で,この本が出版できたのは,「日置順正翁の物心両面の励ましと支援の賜」と記されるほど,日置さんと親交のあった方です。

この度,日置さんのご逝去をお知らせしたところ,「日置順正さんの供養のための講話をしたい」との申し出がありました。
私にとっては願ってもないことでした。

5・6年生は,6月に朱円周堤墓発掘現場の見学や朱円遺跡の発掘体験をして,地域の歴史についても学んできています。
7月22日に執り行われた今年度の「津軽藩士殉難慰霊祭」に私が参加した後の授業でも,日置順正さんの偉業については若干触れ,改めて学習する機会をつくりたいものだと思っていた矢先の,日置さんの訃報でした。
和田先生の講話を聞くという形で,日置さんのご功績を学ぶ機会がつくれたこと,とても有り難いことと嬉しく思っています。
5年生の社会科に,『食料生産を支える人々』という大単元の最初に出てくるのが『稲作にはげむ人々』です。
米づくりの農家のモデルとして教科書に登場するのは新潟県の南魚沼市の農家で,北海道ではありません。
しかし北海道は,今では新潟県と1・2を争う米どころになっています。

北海道の米づくりについては,教科書の最後に発展的課題として扱う内容で,『北限の米づくりに挑戦した中山(なかやま)久蔵(きゅうぞう)』として紹介されています。
ここでは,大阪出身の中山久蔵が,41歳の1869(明治2)年,現在の北広島市に定住し,米づくりに挑戦したことが書かれています。

水田に温かい水を入れるために,太陽熱で水が温まる工夫をした暖水路のことや,
大きな風呂だるで湯を沸かし,その湯を水田に入れたことなど,寒冷地での米づくりの苦労が紹介されています。
そして,1873(明治6)年,ついに寒さに強い『赤毛種』の発芽を成功させました。

久蔵の挑戦は,北海道の米づくりの夜明けとなりました。現在,道民に広く食べられている『きらら397』(寒さに強く,おいしい)は,この赤毛種の子孫にあたります。

【朱円は,網走管内で最初に米づくりに挑戦した地域!】

日置順正さんの研究の成果としてまとめられた冊子の一つに,『斜里町の水田耕作』があります。
これによりますと,鈴木養太さんが明治29年(中山久蔵が米づくりに成功した年から23年後),
『札幌赤毛』の種子をもらって,作付けに挑戦しました。
これが「網走管内における水田耕作の始まり」といわれています。

久蔵が育てた赤毛種の種もみは,道内の開拓農民に無償で配布され,米づくりは北海道各地に広がっていきます。
この種もみが,23年を経て朱円までたどり着いたのでしょう。
教科書の記述と日置順正さんの記述がつながり,嬉しくなりました。

日置さんの記録によると,鈴木養太さんの挑戦の様子は,養太さんの孫の鈴木直三郎さんから聞き取ったことを基に以下のようになっています。

「現在(1990年/引用者註)の朱円西の吉田三郎氏住宅付近で,一帯が平坦な土地であるため,
近くを流れる小川からの導水灌漑(かんがい)は難しく,やむなく良い上土を一スコップずつはね除いて灌漑したが,
土質が悪化し2ヶ年(明治29・30年/引用者註)で中止したという。」

※ 作付面積は,5畝(せ)(0.5反で約500㎡)であった。
※ この後,斜里町での米づくりは,しばらく空白期間がある。
大正7年ごろから,朱円西区の人たちが米づくりを始め,反あたり4俵の収穫をしている。
中区では大正13年ごろから取り組み始めた。
耕作者の中に橘田(きつだ)さんの名前もあった。
※ 斜里町の米の収穫量は,昭和8年をピークに激減していく。
その後の凶作などもあり,畑作への転換が進み,昭和30年ごろを最後に水田耕作が姿を消した。
(参照『斜里町の水田耕作 日置順正』 知床博物館研究報告 第11集 別刷 1990)
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