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オーディオとお酒と音楽、言葉遊びに旨い物、欲張り男の独り言

黒人音楽大好きで、SP,Tape,EP,LP,CDの山に埋まっています。映像もたくさんあり、死ぬまでに観終わるかどうか?

名古屋の小池レコード

2013-01-15 18:51:29 | 音楽
 就職して初任地は名古屋で、3年8か月を過ごした。ある時小さなレコード屋さんの輸入盤が飾ってあるショー・ウィンドウを見ていたら、店主に誘い込まれた、小池弘道さんだった。高かったのでレコードは買わなかったが、よくしてもらった。海外からレコードが到着すると段ボール箱ごと見せてもらえて、ジャケットを眺めて楽しんでいた。レコードコンサートももちろん行ったが、応援するほどの知識はなかった。

 今から思えばあの店は、戦後の復興期に海外の有名指揮者等からチャリティでオリジナル・レコードをいただいて、本来の名古屋国際レコード・コンサートに使用して、使用しなかったレコードを、当時の国内盤よりずっと音が良かったものだから、高値で売っていたのだと思う。途中から海外の卸業者とも取引ができて、ある程度のレコードを商品として売れたのだと思う。

 レコード・ジャケットを観ながら、時々お客さん対応を見ていたが、巻物みたいなものを拡げて、新しいお客さんに説明し、そばの常連客がそうだそうだと頷くパターンが多かったように思う。一種の集団催眠だと感じていた。でなければ、お客さんのお目当てではないレコードを買ってもらうなんてことはできないはずだ。レコードを掛けるときも、アンプのつまみを盛んに動かして、いわば手動でダイナミック・レンジ・エクスバンダーみたいな事をやっていたのだと思う。

 その内に足が遠くなってしまった。ある時小池さんから、「うちの養子にならんか」というお誘いを受けた。それはそうだ、集団催眠にかかるようなお客さんだったら、店の跡継ぎは務まらないではないか。私は九州の田舎の16代目の長男で、養子は絶対親が承知しない、ということで了承してもらった。それからは小池さんの娘さんの顔を絶対見ないようにしていたが、やはり気疲れして行かなくなった。1枚も買わなかった常連なんて失礼だから、1枚くらい買っておけばいい記念にもなったであろうが、やはり高すぎた、残念。

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