「ショウコちゃん…」
もう指輪しか見えていないショウコちゃんは、僕の言葉に耳も傾けてくれない。
「実はもう一つプレゼントがあるんだ。」
一瞬、ほんの一瞬だが、ショウコちゃんの目が指輪から反れた。
う~ん、現金なお人(笑)。
僕は、ズタボロのディスクユニオンの袋に再度手を入れた。
これは出すべきなのか…いや、やはりやめた方がよいのか…
今更ながら葛藤する僕。
しかし、ショウコちゃんが今にもズタボロのディスクユニオンの袋に飛び掛ってきそうなので、僕は意を決して、それを袋から出した。
時は遡り、バイト終了後の事。
覚えているだろうか?僕がバイト終了後に何をしたか。
そう買ったんだよ。
バイト先のドラッグストアーで。
400円もしなかったっけ。
自分のために買ったと見せかけて、実は、ショウコちゃんのために買ったんだ。
本当はもっといい物が良かったけど、それの知識がなかった僕には、400円にも満たないそれにするしかなかったんだ。
僕が袋から取り出したのは、ニベアだった。
ニベア…これすなわちハンドクリーム。
ショウコちゃんのあかぎれや手湿疹でボロボロの手に全く効果はないだろうけど、そこには僕の想いが詰まっていたんだ。
「君の手は、そんな指輪よりももっと輝く可能性があるんだ。」
決まった。蚊の鳴くような声の僕は堂々とそう放った。心の中でね。
「ありがとう。」
ニベアを受け取ったショウコちゃんの口からまさかの言葉がこぼれた。
思いもしなかった。ニベアで「ありがとう。」と言われるなんて。
僕は、「どういたしまして。」と言おうと思い、ショウコちゃんの顔を見た。
ショウコちゃんは、指輪を見ていた。
やっぱりね。
ニベアじゃダメだよなあ…。
僕は、指輪に見とれるショウコちゃんを見つつ、反省するのであった。
追記
後日、ショウコちゃんはもっと良いハンドクリームを買っていたのだった。
多分、ニベアは使われていない。たかがハンドクリームされどハンドクリーム、なのだ。ニベア、いいと思うんだけどなあ…。
クリスマス編、ようやく終わり。
もう指輪しか見えていないショウコちゃんは、僕の言葉に耳も傾けてくれない。
「実はもう一つプレゼントがあるんだ。」
一瞬、ほんの一瞬だが、ショウコちゃんの目が指輪から反れた。
う~ん、現金なお人(笑)。
僕は、ズタボロのディスクユニオンの袋に再度手を入れた。
これは出すべきなのか…いや、やはりやめた方がよいのか…
今更ながら葛藤する僕。
しかし、ショウコちゃんが今にもズタボロのディスクユニオンの袋に飛び掛ってきそうなので、僕は意を決して、それを袋から出した。
時は遡り、バイト終了後の事。
覚えているだろうか?僕がバイト終了後に何をしたか。
そう買ったんだよ。
バイト先のドラッグストアーで。
400円もしなかったっけ。
自分のために買ったと見せかけて、実は、ショウコちゃんのために買ったんだ。
本当はもっといい物が良かったけど、それの知識がなかった僕には、400円にも満たないそれにするしかなかったんだ。
僕が袋から取り出したのは、ニベアだった。
ニベア…これすなわちハンドクリーム。
ショウコちゃんのあかぎれや手湿疹でボロボロの手に全く効果はないだろうけど、そこには僕の想いが詰まっていたんだ。
「君の手は、そんな指輪よりももっと輝く可能性があるんだ。」
決まった。蚊の鳴くような声の僕は堂々とそう放った。心の中でね。
「ありがとう。」
ニベアを受け取ったショウコちゃんの口からまさかの言葉がこぼれた。
思いもしなかった。ニベアで「ありがとう。」と言われるなんて。
僕は、「どういたしまして。」と言おうと思い、ショウコちゃんの顔を見た。
ショウコちゃんは、指輪を見ていた。
やっぱりね。
ニベアじゃダメだよなあ…。
僕は、指輪に見とれるショウコちゃんを見つつ、反省するのであった。
追記
後日、ショウコちゃんはもっと良いハンドクリームを買っていたのだった。
多分、ニベアは使われていない。たかがハンドクリームされどハンドクリーム、なのだ。ニベア、いいと思うんだけどなあ…。
クリスマス編、ようやく終わり。