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国立大学と私立大学の会計について

2017-10-23 | 公会計

 国立大学と私立大学は同じ大学ではありますが、会計処理や計算書類の内容は全く異なります。

 まず、私立大学の会計である学校法人会計の特徴の1つは、基本金の処理があることです。そもそも基本金とはなんでしょうか。学校法人は、その本来の目的である教育活動や研究活動を円滑に行うため、必要な資金を継続的に保持することが必要です。その資金を留保したものが基本金です。

 一方、同じ大学でも国立大学にはこのような基本金の考え方はありません。国立大学の場合、教育研究活動を行うための基礎となる施設・設備の整備及び不動産の購入に要する経費は、当初から国からの施設整備費補助金として補助されることが想定されているためです。

 私立大学と国立大学の会計処理の違いは基本金だけではありません。主要な財源が授業料収入や入学検定料収入である私立大学と、財源の多くを国からの運営費交付金や施設整備費補助金で賄う国立大学では、おのずと会計処理も異なるのです。しかし考えてみてください。財源が異なるといっても、同じ大学であり教育研究活動を行うことに違いはありません。組織の活動を資金の調達とその運用とすると、違うのは半分(調達)だけで、残りの半分(運用)は同じなのです。

 私立大学と国立大学の連携が進んでいる現状においては、両大学を比較する機会も増えています。将来的には、会計面においても両者を接近させる試みが必要となってくるでしょう。


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