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鼠径部のヘルニア

2008-10-08 15:18:44 | 外科医の基礎知識
外鼠径ヘルニア(indirect type):下腹壁動静脈の外側
内鼠径ヘルニア(direct type):下腹壁動静脈の内側
大腿ヘルニア:大腿輪(外腸骨静脈内縁・cooper靱帯・iliopubic tractで構成)

●Myopectineal orifice (3ヘルニアの脱出部位:by Fruchaud)
上縁:内腹斜筋、腹横筋腱膜弓
内縁:腹直筋外縁
外縁:腸腰筋
下縁:Cooper靱帯
●Hasselbach三角(内鼠径ヘルニアが脱出する部位)
上縁:腹横筋腱膜弓
内縁:腹直筋外縁
外縁:下腹壁動静脈
下縁:鼠径靱帯(1814Hasselbachが示したのはCooper靱帯)
●Trapezoid of disaster(mesh固定する際にタッカーを打ってはいけない部位)
上縁:iliopubic tract  内縁:精管   
神経・血管損傷を起こす恐れがある。

○横筋筋膜→内精筋膜、
○内腹斜筋→精巣挙筋

●従来法の適応
  ①後壁は正常、内鼠径輪の開大がない(1.5cm内、1横指大以内)
  ②若年者(20歳以下)
  ③腸管切除などで不潔になりメッシュを避けたい場合
  ④感染でメッシュを除去する際
●従来法による修復
a) Marcy法(内鼠径輪の縫縮):
b)iliopubic tract法:
  c)McVay法:横筋筋膜を切開。横筋腱膜弓とCooper靱帯を非吸収糸で縫合

●鼠径法(inguinal approach)のMcVay法
1)皮膚切開:鼠径靱帯に平行に大腿動脈拍動部から恥骨結節の外側(7-8cm)
2)鼠径靱帯の足側(卵円窩)にヘルニア嚢があること確認
3)外鼠径輪から外腹斜筋腱膜を切開し鼠径管を開ける。内鼠径輪から恥骨結節まで横筋筋膜を切開するとヘルニア嚢の頸部が出現する。
4)腹壁前脂肪を剥離しCooper靱帯、iliopubic tractを露出する。ヘルニア嚢にテーピングできるように剥離する。ヘルニア嚢が引き出せない場合は、裂孔靭帯に切開をいれる(正中側に向けて)。この時は死冠corona mortis(異常閉鎖動脈)に注意する。
5)ヘルニア嚢の処理
6)後壁補強=正中側(大腿輪内側まで):腹横筋腱膜・横筋筋膜・恥骨結節膜を縫合
7)大腿輪の縫縮+後壁補強=移行縫合(transition suture):腹横筋腱膜・横筋筋膜・Cooper靱帯・iliopubic tract  0PDS使用
8)減張切開

●大腿法(femoral approach)
1)皮膚切開:鼠径靱帯より足側、ヘルニア嚢の膨隆の真上に横切開
2)篩状筋膜を切開しヘルニア頸部まで剥離。サックを開き、内容の絞扼・壊死がないことを確認し腹腔内にもどす。ヘルニア嚢はできるだけ高位で結紮し切除。腸管壊死がある場合は新たな腹部切開を加えて腸切除する。
3)後壁補強:鼠径靱帯とCooper靱帯の縫縮(cooperへの運針が難しく恥骨筋膜への不完全なものになりやすく再発がある)。

●MeshPlugによる大腿法
外腹斜筋腱膜の外側に沿い剥離をすすめて卵円窩に到達する。ヘルニア嚢を開いて内容を確認した後にヘルニア嚢を腹腔内に反転しsmall sizeのplugを挿入する。Mesh辺縁と恥骨筋膜、鼠径靱帯、大腿血管鞘とを固定しその上にonlaypatchをあてる。

●Preperitoneal approach

かきかけ