キノコ・シダ・コケ観察日記

野山を歩くと目にする、きのこ・苔・シダを観察して生態やからだのしくみを掲載します。

ウグイスゴケ

2017年12月26日 09時43分09秒 | 
山地の倒木の上や木の根元などに生える樹上地衣になります。地衣体は早くなり、子器の柄だけが残ります。柄は直立して灰緑色か灰白色、先が幅広いさかずき状になり、そのへりから小さな枝を出します。この地衣体は、光のないところでは生きていけないのです。何故かというと、体の中にいる藻に光合成をしてもらって、その養分をもらって生きております。私は、山に行くと、朽木上にこのウグイスゴケがあるのをみかけます。

ニクウスパタケ

2017年12月14日 08時54分59秒 | キノコ
ニクウスパタケは、ナラ、シイ、クリなどの枯れ木や切り株を探すと、屋根がわら状に多数重生し、材の白ぐされをおこします。子実体はうすく、1年生です。上面はクリーム色になっており無毛です。下面は、長さ1mmのうす歯状の突起が密生します。山にいくと、たまにニクウスパタケがびっしりと木についていて、しばらく観察することがあります。話しは、かわりますが、このニクウスパタケが、生えている木には、なんとオオクワガタの幼虫がいることが多いと噂になっております。昆虫に興味のある方には、面白い情報となります。

きのこのはたらき

2017年12月08日 09時49分34秒 | 胞子植物
キノコの体は、菌糸からできていますが、体の下の方には、カビ状の菌糸をいっぱいに広げています。土の中や木の中の菌糸は、キノコのための栄養分を吸収しています。この菌糸の養分になるものは、植物や動物の体です。地上に落ちた木の葉や動物の死体は、毎年たいへんな量になります。ナラやブナ林では、毎年10cm以上の厚さに葉をおとすといわれております。これを食べる土の中の動物もたくさんいますが、こうした動物などとともに地上の落ち葉、枯れ木、そのほかの不要なものを養分にしているのが菌類になります。カビやキノコの体には葉緑体がないので、自分の体の中では養分をつくることができません。ほかの植物や動物がつくった養分をとって生活しているのです。マツタケのようにいきた木の根に菌糸をいれて生活しているものもあります。枯れ木や切り株などに生え、これを腐らせていくものは、木材腐朽菌といっています。自然に倒れた木は、地上で木材腐朽菌が入りこみ、しだいに腐っていき、たくさんのキノコが生えてくるようになります。