NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ

NHK受信料支払い義務化反対・公共放送での視聴者の権利拡大・政治権力からの自立を求めています。

速報版議事録「視聴者のみなさまと語る会~経営委員と共に~in東京」の議事録

2009-02-08 18:25:37 | 情報提供
《速報版》議事録報告
2.07「視聴者のみなさまと語る会~NHK経営委員とともに~」in東京
今年度最後(6回目)の表記の会に参加しましたので速報としてお知らせいたします。
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ 
2009.2.08
場所 : 千代田放送会館 2階ホールスタジオ(東京都千代田区紀尾井町1-1)
参加者
 NHK 経営委員4名:小丸成洋 委員長、 岩崎芳史 委員長職務代行、
井原理代 監査委員、 小林英明 監査委員
執行部 4名:福地茂雄 会長、 金田新 専務理事、 大西典良 理事、   今井環 理事
 視聴者 60数名(司会者の末田正雄アナウンサーの説明では、参加申し込みは84名あり、その内69名から参加確認があったとのこと。会場の椅子の数は64でしたが、私の見た限りでは満席のようでした)
発言者:14時から16時までの予定を30分程超過してもなお発言希望が多数ありましたが、時間切れで質疑は終了となりました。初めに司会者から「発言は一人1~2分」と要請されましたが、殆どの方が5分程度となり結局22名の方からの発言留まりました。「開かれたNHK経営委員会をめざす会」では、予定した6名の内4名が発言でき、視聴者コミュニティの会員の方も数名発言されました。
「各経営委員がどのような経緯で誰から声が掛けられて経営委員になられたか?」質問する予定でしたが、残念ながら発言の機会が与えられませんでした。
会の進行
小丸経営委員長挨拶:昨年委員長になったが、皆さんの意見を今後の経営委員会に反映させるようやっていきたい。
福地会長の挨拶:省略
その後、岩崎委員長代行による「平成21~23年度NHK経営計画」と「21年度収支予算と事業計画」についての説明で20分。
司会者より大枠で、①番組に関する質疑、②NHKの経営、組織等全般、③その他、という仕切りが提案され、実質的な質疑は14時23分開始。
《番組に関する質疑》
①1423男性:せみしぐれの番組が大好き。三点の質問①内閣支持率の報道は世論誘導ではないか? ②麻薬問題の報道で「時価幾ら」と言うのは、儲かることを知らしめるみたいだから止めるべき、③大リーグ放送はNHKに相応しくない。

②1426女性:夜7時のニュースを良く見るが、昨年の自民党の総裁選や大相撲の不祥事の扱いが大きすぎ、国会の動向など小さく扱いすぎる。また、視聴者の声を聞いた集約をホームページに掲載しているが、厳しい意見は多かった(全体の76%)にも拘らず、紹介された意見のスペースは「好評」の2分の1以下と少ないのはどういう訳か?
③1432女性:前の発言者に100%賛同。経営計画に示されている「ジャーナリズムの強化」以前に、今のNHKはジャーナリズムに戻る認識が先ではないか? たとえば、カザ自治区へのイスラエルの爆撃を「ハマスの攻撃を受けたイスラエルが」と表現しているが、これでは真相を歪めている。
回答1435~42
今井理事:内閣支持率の調査に操作の意図は全くない。総裁選報道については日によってニュースに多い少ないがあり、順番が変わることがある。具体的なことは現場に任せている。
小丸委員長:私達経営委員は番組編成に立ち入ることは出来ないが、不偏不党を心がけていくべきと考えている。福地会長は民間の素晴らしい発想で取り組んでいる。
大西理事:年間660万件の声をお聞きしている。恣意的な集約はしていない。
④1442(K氏):NHK OBとして質問と要望。質問⇒ETV2001番組改変問題の最高裁判決後の経営委員会議事録によれば、小林委員が編集権に関して執行部(理事会)に注文をつけているが、あの見解(現場が独走云々)はおかしいのではないか?
要望⇒編集をめぐるトラブルを自律的に処理できる苦情処理システムを!
⑤1447:民放と同じ事をせず公共放送として違いを見せてもらいたい。NHKにしか出来ない大きな長期的な取り組みの番組を望む。
⑥1449女性:公共放送としてシッカリやってもらいたい。生活ホットモーニングなどで、アナウンサーが特産物を食しているのは如何なものか? タレントの起用が多すぎる。もっと、現地局の人を活用してほしい。
回答1453~1458

小林委員:編集権は現場にあるとの考えもあろうが、法人にあるとの考えが多数説であり、最高裁判決もこの考え方だ。この判決を踏まえ、NHK執行部を監督する経営委員会の立場から、経営委員会で福地会長にその旨発言した。

福地会長:編集権は私にあると思っている。番組全てを見ることができないなので放送総局長に委嘱してはいるが、検証する必要があると思ってやっている。

⑦1458:番組作成の目線が下がっている。ただ「派遣切りは可哀そう」というだけの放送ではダメだ。もっとセフティーネットなどにも言及すべき。

⑧1500:海外放送を24時間するのはよいことだ。私は海外生活を長くしたが、海外でもNHKテレビを見られるようにして欲しい。日本をフェアーに見てもらえるようにもっと海外放送の充実を。6カ国語放送は何時からするのか?

⑨1504:テレビでは民放の真似をするな。ラジオをよく聞いているが、最近つまらなくなった。民間人を起用する場合は人間性も含めて厳選してほしい。

回答1506今井理事:多面的見方の放送をやっている。国際放送はラジオではしているがテレビではしていない。

⑩1510:私は視覚障害があり、ニュースで外国人の発言がテロップだけ示されるので理解できない。翻訳を音声でも流して欲しい。

⑪1512:最近のNHK放送は民放との差が無くなってきている。アナウンサーもはしゃぎすぎる。不祥事が続くが金の管理は厳しくすべき。

回答1515今井理事:サブ放送では副音声での説明を週○○時間流しているが、ニュースでは対応できていない。

井原委員:視聴者の声の取り上げ方に関して、先の経営委員会で私が注文したばかりだった。2番目の発言はありがたかった。

《NHKの経営、組織等全般》
⑫1521:2月1日付けで経営委員長、福地会長に文書を出しているが回答が無い。(文書を読み上げ、途中で司会から主旨は何かと聞かれ「集金に来ないこと」と説明)

⑬1527:これまで受信料を滞納することなく払ってきた。未納者が居ることは不公平に思う。100%の徴収は無理でも90%位にすべきだ。収納率の達成目標を前倒しすべき。
⑭1530女性:転勤族ですが転勤先で、突然「これまでの未納分をまとめて払え」言われたが、やり取りで「半分でもいいから払ってくれ」と言われた。このような徴収では集めた金がどのように管理されているか不安だ。
回答1531大西理事:集金率を上げろといわれるが、法律ではテレビを設置した人が届け出ることになっている。地域スタッフや委託者、計5000名以上でやっている。昨年10月から訪問集金は止めた。
⑮1538(Y氏):経営方針7で「取材・制作の現場に経営資源をシフト」と謳っているが、最近再放送が多くなっており、番組制作にお金が回っていないのではないか?
⑯1541女性:我が家はNHKで育ったような家庭であるが、NHKらしさを保って欲しい。教育上、大きな影響を示して欲しい。南極からの放送に使った大きなパラボラは無駄になっていないか?
⑰1545:NHKラジオで特に深夜番組ではNHK OBが多くでている。これはOBの指定席(天下り)ではないか?
⑱1550:方針では「ジャーナリズムを強化」というが、経営委員長と会長のトップ二人が揃って財界出身者とは異常である。もっと放送に造詣の深い人が着くべきだ。
⑲1553(M氏):議事録の改善を希望する。経営委員会前に理事を加えないで行う委員だけの会議の内容が一切公開されていない。例えば委員長選出の過程が全く分からない。委員の互選で決まるべき委員長人事が、経営委員会の前に「政府が決めた」と報道され、実際にその通りになっているのはとんでもないことだ。なぜ、そうした政府の動きに抗議しないのか。
回答1556~1608:岩崎委員長代行:人事に関わることなどオープンにすると不味いことは議事録から省略している。
小林委員:私が委員になってからの議事録は透明性が高くなっている。発言者が分かるような速記録形式の議事録では「発言できない」など問題になる。

金田専務理事:ここ2、3年黒字になっているが、制作費用は減っている。

今井理事:ラジオの深夜番組では事実OBの人に助けてもらっている。

⑳1608(D氏):議事録を公開しているというが、経営委員のみの会合の部分は公開されていない。小丸経営委員長が選出された時、「NHKと特別な利害関係が無いこと」が基準に挙げられていたが、小丸氏が社長の福山通運が「試行」とはいえ、集金の委託業務等の受託をしているのは「特別な利害関係」に当たらないか?3件の契約は入札か随意契約か?試行は継続しているのか、本契約に進んだのか?
次に小林委員にお尋ねしたい。「ETV2001」事件の最高裁判決に関して、福地会長に要望されたが、判決文の何処に「現場が独走して法律や倫理に違反した番組を作らないよう」法人としてのNHKの監督責任を求めた箇所があるのか?
(21)1613女性:地上デジタル放送が2011年7月から始まるが暫くはアナログも並存できないか?
(22)1615:NHKが良質の番組を作っているかどうかに尽きる。期待している。
回答1617~1625
福地会長:報道について費用を下げていない。
小林委員:現場の独走事例として新潮社の事例がある。最高裁判決は高裁判決を破棄している。それを踏まえて私は会長にしっかりと現場を監督するよう要望した。(<筆者注>高裁が、政治家の意向を忖度したと記した事実認定は最高裁も退けていない。)
金田専務理事:アナログを継続するには設備の維持に60億以上の費用が掛かる。
井原委員:経営委員のみの事前の会議での議論は、NHK理事を含めた経営委員会で出ることになっている。
小丸委員長:福山通運の受信料徴収委託については、大西理事に。
大西理事:山間部の集金は、今も試行として委託業務をしている。
1625全体について小丸委員長挨拶:(用意されたメモを読み挙げ)
このような語る会を来年度は2回多くし8回開催する。1630終了。
その後、「天地人」の制作秘話が約40分予定されていましたが、「開かれたNHK経営委員会をめざす会」の関係者(10名)は退席し、席を変えて懇談しました。

NHKの「編集権」なるもの:世耕参議院議員の質問をめぐって

2009-01-24 10:18:19 | NHK番組WATCH・批評・感想

会の共同代表の醍醐聰です。
先日、youtubeが2008年3月31日に開かれた参議院総務委員会で世耕
弘成議員が行った質問をアップしているのを知人から知らされ、視聴し
ました。質問の一部を収録したものですが、まずはお聴きください。
http://jp.youtube.com/watch?v=epeyB8HvjAo

参議院議員 世耕弘成 
http://www.newseko.gr.jp/pressroom/shitsugi/s_20080331.html

私たちは昨年5月20日に開催された同総務委員会において自民党の磯
崎陽輔議員が、NHKスペシャル「セーフティネット・クライシス~日本の
社会保障が危ない~」を指して政治的に偏向している、取材先も偏って
いると攻撃したことには抗議の声を上げましたが、世耕議員のこの質問
は看過していました。

しかし、改めて委員会議録で質疑の全容を確かめますと、重大な問題が
山積した質問(に名を借りた番組制作への牽制、圧力)であったと感じます。

そこで、議事録の該当部分の全文を抄録としてWord文書に編集したもの
を添付(こちら)いたします。下線は、私が注視すべきと考えた部分を示すために
追加したものです。

世耕氏の質問事項は次の3点です。

①NHKの編集権は誰に属するのか?
②NHKスペシャルの番組内容がワーキング・プアや貧困の問題に偏って
  いるのではないか? 
天皇を戦争犯罪人と扱った、とんでもない番組が制作されたこともある。
③経営委員会の了解なしに2名の経営委員が記者会見を行ったことについ
 て。
  そのうちの1人(注:保委員のこと)は小さなタウン誌の編集者であるが、
  なぜこのような知名度が低い人物が経営委員に選ばれたのか?

②は個別の放送内容に介入した、放送法に抵触する重大な発言であり、
③の前段は経営委員の自律的活動に関する不当な干渉、後段は保委員
に対する侮辱です。
これらに対する関係者の答弁は要旨、次のとおりです。

①について(福地会長)
  法人としてのNHKの会長にある。個々の番組については放送総
  局長が分掌している。いずれにしても放送現場には編集権はない。

②について(福地会長)
  指摘されたようなテーマだけでなく、日本経済が直面している問題
  を多角的に取り上げている。ご指摘の点は十分心得ていく。

③について(総務省小笠原氏)
  放送法第16条第1項の規定をなぞった答弁

【私のコメント】

最近、小林英明経営委員(安倍晋三元首相が関わった裁判で安倍氏
の代理人を務めた弁護士)や上記の世耕参議院議員の質問に見られる
ように、NHKの「編集権」は会長にあると見立てて、そうした編集権を
会長に行使させることによって、政府・与党にとって煙たい番組を企画
の段階で封じ込める、あるいは番組制作に干渉しようとする「新手の」
政治介入が顕著になっています。
そこでは、NHKの自主自律を守る砦となるべき経営委員会が、政
治介入のお先棒を担ぐという逆立ちした現実も見受けられます。

制作現場のスタッフの共同討論を土台にし、取材協力者の意見・提案を
傾聴しながら、多様な意見を反映する工夫を凝らして練り上げるべき番
組制作について、特定の個人に帰属する「編集権」なるものが存在するか
のように誘導する議論は極めて有害であり危険であると私は考えてい
ます。

この問題はメディアの専門家だけでなく、多くの視聴者が参加する場で
活発に議論されるべき重要なテーマであると思います。

この点で、先ほどのメールでご案内した、福地会長も出席する、「経営委員
と語る会in 東京」は、意見交換の貴重な機会だと思います。


「視聴者のみなさまと語る会~経営委員と共に~in東京」抽選なし!全員で熱く語ろう

2009-01-23 10:52:05 | 情報提供
 皆様からの御連絡で、今回の東京での会は抽選せずに希望者全員の参加を認めるとのことでした。

 思えば、名古屋で第1回が始まったのですが、参加した私が感じた空気は、とてもぎくしゃくしたものでした。もちろんNHKも初めてのことですから、どう進めるのか、必ずしも方向性がはっきりしていたとも思えなかったのですが、何となく、できるだけ厳しい意見は避けたいとの雰囲気がありました。

 視聴者以外に[視聴者代表]なる地元有力者?を参加させて発言させたり、語る会の後半に長時間のアトラクションを入れたり・・・と。会員からの御報告によると大阪では、このアトラクション担当の司会者が暴言を吐いて大問題になるなど、何のために、どんな成果を期待して、どの様にやるのかが決まらないままスタートしたと言えます。しかし、こうした状況に対して的確に反応し、具体的な提言をし、会の進行方法に注文を付けてきたことによって、前回の広島でも随分発言しやすかったようです(会員の方からの御報告による)。

 ここのところアトラクションも取りやめられ、純粋に語る会として進められているようです。これもこの数ヶ月間古森委員長の再選反対、経営委員の公募制の要求,桂・湯山両氏の推薦などを求めてきた私たちの地道な活動がNHKに対してプレッシャーを与えることになった成果の一つではないかと思っています。

 公共放送は国民に広く情報を提供し、考える契機を作り出す貴重な財産であるという認識の下、私たちの積極的な発言がNHKを国民の目線に近づけることをさらに自覚して今後の[語る会]にも積極的に参加し、発言していきたく思います。

 今回東京では初めて福地会長も出席されるとのこと。是非会員の皆様方の積極的なご発言で、政治家の圧力に屈しないNHKの確立、「語る会」などを通じた国民との意思疎通の場の確保、そのさらなる発展などを確約頂けるよう進めて頂ければと思います。
 
 既にin広島での参加記をお寄せいただいた会員の方もいらっしゃいます。今回の印象や会では発言できなかった内容、補足したいこと、あるいは今後の進め方、もちろんNHKへの要望等々を、本会にメールまたは本ブログへのコメント、ファックスでお寄せ頂ければ幸いに存じます。よろしくお願い致します。

(NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ運営委員  ニューズレター編集担当Y.A)

■小林英明委員が、放送法の自己流『解釈』を根拠に個別番組の内容に干渉しているようだが…

2009-01-15 20:36:45 | NHK新経営委委員選出問題
小林英明委員が、放送法の自己流『解釈』を根拠に個別番組の内容に干渉しているようだが…

「視聴者のみなさまと語る会~NHK経営委員とともに~」in東京 締め切り迫る!

2009-01-15 10:17:52 | 情報提供
今年度最後の予定である標記会の申し込みが明日で締め切られます。多数ご参加下さい。

「視聴者のみなさまと語る会」参加者募集!ここをクリックしても入れます。

「視聴者のみなさまと語る会~NHK経営委員とともに~」in東京 の実施について

 NHKでは、経営委員が視聴者のみなさまからNHKの経営全般に対するご意見を直接伺い、それを経営委員会の活動に反映させていくため、「視聴者のみなさまと語る会~NHK経営委員とともに~」を実施します。
 参加ご希望の方は、以下の要領でお申し込みください。

* 日  時
平成21年2月7日(土)
開場:午後1時30分 開会:午後2時 終了予定:午後4時
* 会  場
千代田放送会館 2階ホールスタジオ (東京都千代田区紀尾井町1-1)
* 内  容
『視聴者のみなさまとの公開ミーティング』
<テーマ> NHKの放送や経営全般に関すること
<出席者> 視聴者のみなさま
NHK経営委員 委員長職務代行者 岩崎芳史 ほか
NHK執行部 会長 福地茂雄 ほか
* 申込方法
参加無料。
「郵便はがき」または「ホームページ」でお申し込みを受け付けます。
「郵便はがき」の場合は、①郵便番号②住所③名前④電話番号を、「ホームページ」の場合は、応募フォームに必要事項を記入してお申し込みください。

エントリーフォームはこちら
* 応募多数の場合は、抽選のうえ「参加のご案内」(1通1名様入場可)、または落選のお知らせをお送りします。
* お申し込みはお一人様1件に限らせていただきます。
(しめきり) 平成21年1月16日(金)<必着>
(あて先) 〒150-8001 NHK視聴者センター「視聴者のみなさまと語る会」係
* その他
会の終了後、NHK大河ドラマ「天地人」制作担当者による制作秘話を実施します。
(俳優の出演はありません)
* 問い合わせ
NHK視聴者センター TEL 03-3467-0331
(10時~18時 土日祝日・年末年始を除く)


 ※ 関東地方の皆様は是非ご参加の上、ご意見、ご感想を当会へお寄せ下さい。

ニューズレター第9号 発行 !!

2009-01-12 12:00:00 | ニューズレター
第8号から随分時間が経ってしまいました。間もなく会員の皆様のお手元には最新号をお届け致しますが、少し誌面の変わった最新号のイメージを先にご紹介致します。

第9号1頁




第9号2頁




第9号3頁



第9号4頁




第9号5頁




第9号6頁




第9号7頁




第9号8頁


「ジュリーが歌った!!」 WATCH・OPINION 原稿募集中 

2009-01-06 12:24:21 | NHK番組WATCH・批評・感想
  新年明けましておめでとうございます。
  今年もよろしくお願い申しあげます。



 昨年末に始めた「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」のブログ。今年はさらなる充実を図っていきますので、よろしくお願い致します。

 さて間もなく誌面を刷新した「ニューズレター第9号」を発行致しますが、記念すべき10号では、さらなる充実と視聴者参加型の誌面としたく、皆様方からの原稿を募集しています。原稿は  shichoshacom@mail.goo.ne.jp までお送り下さい。

 こんな軽い感想でも構いません。

     「ジュリーが歌った!」

 「人間六〇年ジュリー祭り」ライブが12月27日再放映されました。
 45分間に編集されているのでカットされるのでは、と心配した『我が窮状』も
無事放送されました。NHKもやるジャン、とちょっぴり嬉しくなりました。で
きれば紅白で歌ってほしかったが・・・。

 『我が窮状』作詞沢田研二 作曲 大野克夫

 麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが 
 忌まわしい時代に 遡るのは 賢明じゃない
 英霊の涙に変えて 授かった宝だ
 この窮状 救うために 声なき声よ集え
 我が窮状 守りきれたら 残す未来輝くよ
 
 麗しの国 日本の核が 歯車を狂わせたんだ
 老いたるは無力を気骨に変えて 礎石となろうぜ
 諦めは取り返せない 過ちを招くだけ
 この窮状 救いたいよ 声に集め歌おう
 我が窮状 守れないなら 真の平和ありえない

 この窮状 救えるのは静かに通る言葉
 我が窮状 守りきりたい 許し合い 信じよう
 
 還暦とは思えない澄んだ,深みのある綺麗な声で歌ってくれました。

 彼は私と同い歳で、同郷。京都の府立高校出身です。ご存知の通り、「ザ・タ
イガース」のボーカルでした。長髪をなびかせ、激しく歌う姿は時の若者達の心
をつかみました。私は当時、ブルーコメッツの方が好きでしたが、我が妹たちは
大ファンでした。その彼にこんな思いがあるとは全く知りませんでした。齢を重
ね、この「窮状」に絶えかねたのでしょうか。それだけに詞に、その思いの深さ
が伝わってきます。
 「九条」改悪を目論む与野党の政治家達が黙っているとは思えません。しっか
りと監視していかなければならないのではないでしょうか。    (編集子)

桂敬一、湯山哲守氏を推薦する5人の方のメッセージ

2008-12-23 11:42:49 | NHK新経営委委員選出問題
    「開かれたNHK経営委員会をめざす会」の経営委員候補擁立に
           ついて寄せられた推薦メッセージ


推薦文
今回、敬愛する桂 敬一氏がNHK経営委員会の経営委員に推されていることを知り、まことに最適任者であると存じました。私は、約10年に及ぶBRC委員長とBPO理事長の経験から、放送特にNHKの持つ社会的・政治的・文化的役割の重要性を改めて認識しました。そして、その役割、影響力からみて、最も重要なことは、透明性と説明責任だと考えます。メディア研究に明るく、実務的にも番組審議会委員長の経験がおありの桂 敬一氏を強く推薦申し上げます。
                                 以上

                青山学院大学名誉教授・弁護士  清水英夫


桂敬一、湯山哲守両氏を強く推薦する

 NHKは社会的公共財として生き続けなければならない。時の政権・財界・官僚・市場からの自由が担保されなければNHKの公共的使命の達成は危うくなる。
 NHKに対する市民社会的制御のシステムを装置化し、強権からの防波堤を築くには経営委員の公募制、市民社会による推薦制の導入など制度の変革が緊急課題である。
 ジャーナリズムに対する高い見識、市民社会意識を体現する桂敬一、湯山哲守両氏の経営委員への参画は、社会的公共財としてのNHKを守る必須の一歩と考える。

      経済評論家  内橋 克人


推 薦 文 

          ジャーナリスト原 寿雄(元共同通信専務理事・編集主幹)

 公共放送NHKはいま重大な転機にあると考えます。そのNHKの運営の基本方針や会長を決めることのできる経営委員会委員の選出が、政府・与党の政治的な意図に基づいて決められるのには反対です。NHKの改革には法律による制度的な改正も必要ですが、とりあえず当面の経営委員選出については、公募制など、視聴者の意向が反映できるような民主的でオープンな手続を求めます。その上で転換期の公共放送の経営委員として、最もふさわしい見識と改革の意欲を持つ桂敬一、湯山哲守の両氏を推薦します。
 NHKは本来、視聴者の、視聴者による、視聴者のための公共放送です。NHKの財政基盤は視聴者の分担金(受信料)に依拠しています。ファミリー会社からの財政的寄与も少なく、政府からの交付金は、政府がNHKに求める国際放送の実費をまかなうにも不足するほどの僅少な額です。NHKの実態は、NPOの一種と言えるものです。
 現行の放送法によれば、建前としては視聴者が内閣や国会を通じてNHKをコントロールすると言う趣旨に見えますが、本質的には内閣や国会の関与は便宜的なフィクションにすぎないと言えるでしょう。NHKの実態は受信料を分担する視聴者が、代表者を選出し運営方針も経営人事も受信料も決めればよい、自主的で公共性の強い組織です。
 実際には視聴者の代表選出が容易でないために、内閣と国会がその機能を代行しているに過ぎない、と考えます。「民意を反映する国会に任せるのがよい」と言う積極的支持の声も聞かれるが、政治と、政治を監視すべき報道機関とを、同質に論じることはできないでしょう。政治的多数派が文化である放送まで支配できる仕組みは、民主主義社会にとって弊害が多いと考えます。
 推薦する二人はこれまでも、マスメディア全般についての豊富な知見の上で、公共放送としてのNHKのあり方について調査研究を進められ、機会あるごとに積極的に発言、行動されてきた方です。NHKに対して私がいま一番求めたいことは、政治からの独立と自由、つまり自主自律性、主体性の確立です。それに放送番組の多様性です。桂、湯山両氏は、これらの課題を実現する上で最も期待できる適任者と確信し、経営委員に推薦します。


候補者推薦運動に心から期待します  

                        川口 幹夫(元NHK会長)

 「現在、腰椎骨折で病床に伏していて、残念ながら、まとまったメッセージを差し上げられる状況にありません。
 ただ、私はNHKの現状に深い憂慮をいだいております。経営委員には、政治の影響力からの独立性と、公共放送や文化・ジャーナリズムについての高い見識が資質として不可欠と考えており、それを制度的に保障する委員選任の仕組みが求められていると思います。その意味で、皆さん方の候補者推薦運動に心から期待しております。ご成功を祈ります。」


NHK経営委員に桂敬一・湯山哲守両氏を候補者として推薦いたします

               石村 善治(福岡大学名誉教授、言論法研究者)

一 現代の高度情報化社会の平和で自由で民主的な運営のためには「言論の自由」の確保と保障が不可欠であることはいうまでもありません。とりわけ現在の日本においては、個人の「原初的言論の自由」(ビラ配布・集会・デモ等)とマス・メディア(新聞・放送)の国家権力および巨大資本からの独立と自由、そして市民のための権力批判が不可欠です。なかでも公共放送・NHKには、これらが緊急に求められています。しかし、「公共放送」たる資格を疑わせる状況が、ここで例示するまでもなく近年とくに頻発・進行しています。

二 このような状況を改めるためには、まず、市民が声をあげることが必要であることは論をまちません。しかし、その前提として、とりわけ公共放送・NHKの現状についての市民の「知る権利」と「意見表明の機会と権利」とが保障されていなければなりません。残念ながら、これらは、制度的に保障されているとはいえません。とくに、この点「経営委員会」の役割は重要であり、今こそ、市民の「目」と「声」を代表する「委員」の就任と活動が不可欠だと考えます。

三 桂敬一氏には、私の歴任大学である福岡大学や長崎県立大学でも「言論法・情報法」の講師として学生の教育にも長年携わっていただいたり、石村・堀部編著『情報法入門』や私の古希記念論文集に御論稿をいただくなど、研究・教育者としての識見に敬意を抱く一員として、推薦者に名を連ねさせていただきました。

四 湯山哲守氏とはまだ面識がありませんが、「所信表明」にもお述べになっているように、「『監視と激励』を標榜する視聴者運動の取り組みをオーソライズさせたもの、それは経営委員会の基本的任務につながるものと考えます」、「国民・市民の知る権利に奉仕する憲法21条の「言論・出版の自由」の立場を貫くよう貢献したいと思います」との「所信」が実現されることを期待して、同氏を推薦いたします。


湯山哲守さんの所信表明

2008-12-23 02:36:59 | NHK新経営委員推薦候補所信表明
                          2008年12月1日

所信表明
                                 湯山哲守

 「開かれたNHK経営委員会をめざす会」からNHK経営委員候補に推薦されました。公共放送と視聴者・市民の間に正しく緊張関係を実現する運動において歴史的な局面で、桂敬一さんとともに市民の候補者に選ばれたことは大変栄誉なことと身の引き締まる思いです。
 女性国際戦犯法廷に材を取ったETV2001の番組改ざんが政治家の圧力によるものであったことが朝日新聞と担当ディレクター自らの告白によって明らかとなった2005年1月以来、NHKに対して2つの条件を課した「受信料支払い停止運動の会」に参加したことが今日の私につながっています。07年2月、いったん2年分の受信料を遡って支払い、それを再開して、「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」の共同代表の任に就きました。この都合3年10ヶ月、NHK問題京都連絡会への協力、兵庫、大阪の市民運動の方々とのさまざまな共同活動を経験しました。私たち視聴者がNHKの経営のあり方や放送内容に意見を言い、政府与党のNHKへの権力的介入には抗議を行うなどの活動はとても重要なことだと思いました。
 NHKの経営に関することでは、「3ヶ年計画への意見募集」、「受信料制度の改善に関する意見募集」、「インサイダー取引」についての抗議、「参議院総務委員会における自民党議員の恫喝を受けての永田・長井両ディレクターの制作現場からの配置換え」に関する抗議、古森経営委員長のさまざまな政治的言動への抗議行動、などなどを全国的に、また京都レベル・近畿レベルで行ってきました。最近では、経営委員会が主催する「視聴者と語るイン大阪」に近畿3団体で協力して積極的に意見を述べ合う活動、第二部に起こった不当な視聴者冒涜発言の究明、大阪放送局との継続的な話し合い、などにも参加してきました。
 昨年6月古森重隆氏が経営委員長に就任して以来起きた出来事は一種の「クーデター」ではないかと私は考えています。NHKの「経営」と「受信料引き下げ」に関して同じ経営委員会名だが全く異なる見解が古森氏就任少し前の3月と就任少し後の9月に出されました。経営委員12人の内、7人が同じメンバーなのにどうしてそのようなことが起こったのでしょうか。「3月見解」では経営委員会はNHKの3ヶ年計画の骨組みを基本的に承認し、「受信料引き下げ」に関しては「財政は予断は許さない」として引き下げに反対しているのに比し、「9月見解」は「6.5%の引き下げも少なすぎる」として否決し、「受信料義務化の方向」さえ示唆しました。このようなことが少数の5人が入れ替わったとたんに起きたこと自体が異常でした。NHKの自主改革については 会長の諮問機関「デジタル化時代のNHK懇談会」が2006年6月に17人の有識者による真剣な議論の末にまとめたすぐれた報告書が出されています。この答申は残念ながら、一顧だにされることなく棚上げされた形になっていますが、「公共放送を産業振興策や政争の具に使ってはならない」、「NHKの民営化や放送有料化はするべきではない」、「受信料は公共空間を活性化させる社会的コストの意味合いがある」などNHKの今後のあり方への貴重な意見が述べられています。経営委員会は、この提言を受け入れ、一度真剣に議論すべきだと私は現在でも考えています。
 今期経営委員会が強引な「指導権」を発揮した問題が「会長選挙」(昨年12月)でしたが、加えて昨年秋に引き続く今年秋の「3ヶ年計画」の否認、特に「受信料10%引き下げ」の強引な押しつけでした。10月の「NHK理事会案の修正可決」の場面が生々しくNHK経営委員会のホームページに掲載されていますが、この件についてはどう見ても理事会側に軍配が上がると思われます。「とにかく10%」とする経営委員会に対して理事会側は「市町村民税の非課税世帯で世帯主が80歳以上は受信料免除、衛星放送付加受信料の引き下げ」を具体的に提案しています。それが何%の引き下げになるかは不明ですが今日の庶民の経済事情から考えて非常に説得力があります。経営委員会が強引に決めた「一律10%引き下げ」は昨年それを主たる理由に執行部を否認したことを引きずってメンツにこだわった無内容な決定に思われます。しかも、その強引さには次のステップに『義務化』の段平(だんびら)がちらついて見えます。
 視聴者の声を真剣に聞くべきだと思います。その意味で希望者への訪問集金制度は復活するべきだと考えます。メールや電話などによるNHKへの「意見伝達」になじまない人々がかなり多く存在しています。600億円が集金に使われるのは無駄なことと経営委員会では議論されたようですが、口座振替・クレジット等による振り込みへの切り替えはお年寄りになじまないだけでなく「視聴者の声を聞く重要な場」を消してしまうこととなるのは明白です。「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は「意見公募」に意見書を提出しました(07年8月30日付及び、同12月6日付)。NHKはそれらの声を集約したと発表していますが、しっぱなしで検討を加えたようには思われません。「意見を聞く場」は「ふれあいミーティングで」とする見解を繰り返しているにすぎません。
 私も参加してきた「監視と激励」を標榜する視聴者運動の取り組みをオーソライズさせたもの、それは経営委員会の基本的任務につながるものと考えます。私が経営委員に選出されたなら、従来同様視聴者の立場に立って財政問題、デジタル化問題、健全なジャーナリズムへのNHKの貢献など、国民・市民の知る権利に奉仕する憲法21条の「言論・出版の自由」の立場を貫くよう献身したいと思います。

桂敬一さんの所信表明

2008-12-23 02:20:24 | NHK新経営委員推薦候補所信表明
                        2008年12月1日       
          所 信 表 明

                           桂 敬 一

 「開かれたNHK経営委員会をめざす会」の推薦に応え、同委員会委員候補となることをお受けした私を待つ難局と課題は、以下のようなものであると考える。このような私の考え方をご理解いただける方々のご支援を心からお願いする。

 1.2010年・2011年・2012年―NHKを襲う3つの危機
 (1)新法「情報通信法」がめざす「放送」の解体
 早ければ2010年、「竹中懇談会」が構想、安倍政権の菅総務相の下で研究会が報告をまとめた「情
報通信法」が制定され、通信と放送の境界を取り払うメディア・ビッグバンへの突入が実現する。そうなると、公共性が担保できる事業者への免許の独占的授与、集中排除原則の適用などを特徴とする、非市場的・競争制限的制度の産物とされてきた放送のあり方が一変する。通信と融合させられた放送は市場的産物と化され、一見自由の領域に解放されるかに見えるが、その実無限定な自由はあり得ず、境界不明な行政の規制監督下に置かれ、国家権力からの放送の独立と自由が消失するおそれが強まる。一方、メディア・ビッグバンのなか、国内外の巨大な複合型の情報産業がデジタル通信技術と市場の自由を武器に放送に襲いかかり、民放だけでなく、NHKもその攻勢の前に立たされる。
 
 (2)地上波デジタル化完了・アナログ停波の難問
 政府は2011年に地上波デジタル化の完了、アナログ放送の停波を実施するというが、現在、地デジ受信可能な受信機の普及は50%にも満たず、2年後に地デジが完了するとはとても思えない。送り手側、各放送局としてもそのころ、デジタル化の追加投資に追われているのが実情だ。NHKの資金が潤沢で、視聴者がみたがる良質のデジタル番組を大量に制作・送出、放送界共用の中継施設建設などの費用負担も買って出れば、状況変化を加速できるかも知れないが、古森経営委員長の異例の経営介入で2012年からの受信料10%引き下げ方針が決まっているから、そうすることは困難だ。一方で、家電業界はアナログ停波に伴うデジタル受信機の大量注文到来を待ち望んでいる。だが、高機能化されたデジタル受信機を使い切れない高齢者にとって、まだ使えるアナログ受信機は有用なものだ。政府とNHKは、家電業界と視聴者のどちらの方に顔を向け、この問題に対処するのか。

 (3)満3年先の受信料10%引き下げに縛られる苦しみ
 2012年は、古森経営委員長の強引な協会執行部の経営計画案拒否、10%受信料引き下げ方針が実施される初年度だが、それはまた、情報通信法施行と、地デジ完了を名目とするアナログ停波とに、もろにぶつかる時期となる。メディア・ビッグバンに伴い、NHKもネット対応の事業など新規事業の拡大に迫られるが、当分収益は期待できず、投資の継続で資金需要が累増するだけだろう。また、デジタル化投資もまだ峠を越えていないはずだ。こうした資金需要増を前に、2012年以降の年600億円もの受信料減が控えているため、それ以前の時期では赤字が出せず、これ以降は、資金不足に追い込まれるおそれがある。古森経営委員長の責任は重いが、その路線の見直しが必要となるのではないか。

 2.危機に乗じてNHKを変質させる政界と財界
 NHKの「国営化」を目論む政府・与党:小泉政権以降、政府与党の政治はポピュリズムの色彩を濃くし、プロパガンダ・大衆教化のため、メディアへの介入・操作を強める動きが強まった。NHKの従軍慰安婦問題の番組改変に対する安倍晋三・中川昭一両自民党議員の介入が好例だ。さらにNHKの人事・財政に対する影響力を及ぼす傾向が露骨になったのも目立つ。安倍政権が古森富士フイルムホールディングス社長をいきなり経営委員長に押し込んできたことが、まず指摘できる。財政面では、安倍政権の菅総務相が、受信料を罰則付きの支払い義務制にし、値下げをせよと迫ったことが忘れられない。古森委員長の値下げ要求はその地続きのところにあった。2012年に10%値下げを実施し、収納率が急落したら、政府はまた、罰則付き支払い義務制の法定化を策するおそれがある。もしそうなったら、NHKは体質的に「国営放送」となってしまう。権力に対するメディアの独立、言論報道の自由を、経営基盤において失うことになる。財界はNHKの「民営化」がぜひとも欲しい:産業界では最近、業種を問わず、大企業ほど、デジタル情報事業を自グループ内の中核的事業部門に育てようとし、有力なメディア・コンテンツ事業者との提携関係強化を図るようになっている。近年の経団連の著作権処理の簡便化・迅速化に対する政策的取り組みは、そうした事情を反映している。一方、放送、出版、娯楽などのメディア・コンテンツ事業者側も、デジタル・コンテンツ配信、ハイテク端末機器製造などに携わる有力企業と手を組みたがっている。そうしたなかでNHKは12月から、連続ドラマ「篤姫」などの人気コンテンツの有料ネット配信事業を開始した。財界はこのようなNHKの「民営化」を歓迎する。多くの野心的企業が、そこに絡み合い、NHKの膨大なコンテンツを利用する機会を見出そうとしているのだ。NHKが受信料収入以外の財源を求めねばならなくなるのも、そうした野心を持つ企業には、好都合のはずだ。最近のNHK役員(経営委員・理事)にはかつてみられないほど、財界主流の企業代表者・幹部が多数、顔をそろえている。それはけっして偶然の産物ではない。

 3.NHKをめぐる当面の問題の望ましい解決めざす
 「ETV2001」問題の本当の解決:NHK従軍慰安婦番組の改変問題は、最高裁判決で原告(VAWW-NETジャパン)敗訴と決したが、本当の解決に至っていない。原告勝訴とした高裁判決は、NHKの改変に対する政治家の影響を認めたものだったが、最高裁判決はこの点に触れず、「編集権」の字義解釈に終始しただけだったからだ。このような事実をめぐる調査・検討は本来、NHKが検証番組を作成、自ら行うべきであるのに、それが行われていない。そこで視聴者・市民団体が放送界の自主機関、BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会にこの事案の検証と判断を行
うよう申し入れたが、NHKはBPOが審理を行うことになったら、誠実にこれ対応し、協力すべきである。国民が知りたいことは放送せよ:11月11日、参院に招致された田母神俊雄前空自幕僚長・参考人と各党議員との一問一答を、NHKは同時中継で放送しなかった。その申し入れもしていなかった。抗議の視聴者に対して「NHKの編集権に基づく独自判断でしたことだ」と、広報担当者が応じていたが、このような姿勢は改めさせなければならない。国際放送の国策会社化を許さない:NHK は2009 年2 月の事業開始を予定し、日本国際放送を設立したが、出資企業には、米マイクロソフト、NTT コミュニケーションズ、総合商社、民放4 社、大手銀行・証券など13 社が参加している。安倍政権下の構想では、海外向けには国策宣伝の志向が強かった。また出資者の顔ぶれからは、グローバルな情報ビジネス市場への進出が主たる関心事となりそうだ。だが、言論報道機関としての公正さを貫き、国際的な放送文化に資することを、日本国際放送はめざすべきだ。
                                  以 上

NHK新経営委員長の選出にあたっての要望を提出致しました

2008-12-23 00:43:41 | NHK新経営委委員選出問題
〈速報-1〉
 私たちNHKを監視・激励する視聴者コミュニティも参加する「開かれたNHK経営委員会をめざす会」は古森委員長の非再任を受けて新たに選出されるNHK経営委員長について次のような要望書を提出致しました。
                              2008年12月18日
 NHK経営委員 各位
            新経営委員長の選出にあたっての要望

     開かれたNHK経営委員会をめざす会(世話人:松田浩 桂敬一 野中章弘)
       賛同団体:NHK問題京都連絡会  NHK問題を考える会(兵庫) NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ  NHK問題大阪連絡会 NHK問題を考える大阪の市民の会  日本ジャーナリスト会議
放送を語る会

 経営委員の皆様には日頃より、公共放送NHKの充実・発展のためにご尽力いただき、厚くお礼申し上げます。
 伝えられるところでは、12月22日に開催される次回経営委員会において、古森重隆氏の後任の経営委員長の選出について話し合われると伺っています。改定された放送法によって権限が強化された経営委員会には、権限に見合う透明な運営、視聴者の声に真摯に耳を傾け、説明を尽くす責任がひときわ強く求められています。経営委員会を主宰する新経営委員長はこのような趣旨に沿って、視聴者主権の理念に基づき、透明で公正な手続きの下に選出される必要があると考えます。
 そこで、当会は新経営委員長の選出にあたって、以下の要望を申し入れます。熟慮あるご検討をお願いいたします。

1. 新経営委員長は残る3人の経営委員が選任され、これら委員が協議・議決に加わるのを待って選出すべきです。
 (理由)
  ① かつて、石原邦夫経営委員長が母体企業の「不祥事」の責任をとって委員長を辞任されたとき、新委員長が選出されるまでの間、委員長代行が委員会を主宰されました。こうした措置で特段、支障があったとは聞いておりません。今回も2,3ヶ月の間、この方法を採用することで特段、支障はないと考えられます。
  ② 経営委員会を全委員の合議で運営する以上、来年1月早々に召集される予定の通常国会で選任される3人の委員も委員長の選出に加わるのが民主的なプロセスです。 

2. 各方面から批判が絶えなかった古森経営委員長時代の経営委員会の運営を教訓として、新経営委員長には次のような委員が選出される必要があると私たちは考えます。
  ① 公共放送としてのNHKと民間営利企業との経営理念の違いを十分理解した人物。NHKは多様な意見が交わる言論の広場としての役割を担うものであり、視聴者へ還元すべき第一義的な目標はコストダウンによる受信料の値下げではなく、多様で良質な番組のはずです。また、NHKは国策遂行の道具でもなければ、国論を束ねる手段でもありません。このことを深く認識できていることが経営委員長に不可欠の条件です。
  ② 経営委員会が視聴者の代表機関としてNHK執行部と緊張関係を保ち、是々非々の姿勢を貫くよう、委員会を主宰できる人物。その際、NHK執行部が担う経営計画立案・執行機能と経営委員会が担う議決・監督機能の責任分担をわきまえた委員会運営をできる人物であることも重要です。
  ③ NHKに対する外部からの干渉に対し、放送の自主自立を守る砦として経営委員会を機能させる意欲と能力を持った人物。

3. 上記2のような条件を備えた人物が経営委員長にふさわしいとなれば、古森経営委員長の選出にあたって採用された委員長の要件――①委員会の効率的で円滑な運営を図るため、東京(もしくは首都圏)に在住する委員、②経営に携わった経験がある委員――には合理的根拠はなく(過去、地方在住の経営委員長は数多く存在)、こうした要件を棄却するのが当然であると考えます。

4. どなたが委員長に選出されるにせよ、委員長就任にあたって公の場(たとえば、経営委員会議事録か正規の記者会見の場など)で視聴者に対して文書で所信を明らかにされるよう要望します。そして、その所信の中には、当会からのこの申し入れに対する回答にあたる内容を、形式はともあれ実質において、含むよう要望します。
また、他の視聴者団体、個人から新経営委員長の選出に関して同様の申し入れがあった場合は、適宜、それらを整理・集約した形の回答を所信に含めていただくよう、要望いたします。

  最後になりますが、近時、NHKのあり方に関心(激励や批判)が高まる中で、視聴者を代表するNHK経営委員会の言動、運営のあり方にも熱い関心が注がれています。この点を十分にお汲み取りいただき、公共放送NHKの議決・監督機関の長にふさわしい見識を備えた経営委員長が選出されますよう、心より期待するものです。

                            以 上
〈速報-2〉

 これに先立ち新経営委委員として市民の立場から次の候補を推薦する申し入れ書を提出致しました。

 2008年11月14日
 内閣総理大臣 麻生太郎様 

          NHK経営委員候補者の推薦に関する申し入れ
             ――経営委員の選任に当たって――
 
  開かれたNHK経営委員会をめざす会(世話人代表: 松田浩 桂敬一 野中章弘)
    参加団体:NHK問題京都連絡会 NHK問題を考える会(兵庫) NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ 日本ジャーナリスト会議 放送を語る会                           
                  
 時下、貴殿におかれましては政務にご多用の毎日と存じます。来る12月に4名のNHK経営委員が任期満了を迎えるのに伴い、新しい委員の選任が行われようとしております。私たちは、さきに視聴者主権のNHKをめざす運動の一環としてNHK経営委員の公募・推薦制と古森重隆氏の不再任を求める申入れを行いましたが、今回、公募・推薦制を推進する趣旨から桂敬一さん(マスコミ研究者、元東大教授)と湯山哲守さん(NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表・元京都大学人間環境学研究科専任講師)のお二人を、経営委員として推薦申し上げます。
公共放送NHKが言論・報道機関として民主主義社会に果たす役割を考えるとき、私たちはその最高意思決定機関である経営委員会メンバーの選出手続きに、重大な関心を持たざるを得ません。求められるのは、選出プロセスにおける公開性と視聴者参加性であり、選出基準の明確化です。私たちは、その選出基準を、放送法の精神に即して、公共放送のジャーナリズム機能と文化的役割について高い見識を持ち、権力からの自主・自立を貫ける人物かどうかに置くべきだと考えます。
伝えられるところによれば、政府は再任の2名(多賀谷一照、篠崎悦子両委員)などのほか、新たに前田晃伸・みずほフィナンシャルグループ社長と桑野和泉・湯布院温泉「玉の湯」社長を経営委員候補に指名し、衆参両院の同意を求める方針といいます。私たちは特定の経営委員ポストを財界人の指定席としてたらい回しする政府のこうした視聴者不在の委員選考のあり方に強く反対します。

 今回推薦した桂敬一さんは、日本におけるジャーナリズム研究の第一人者であり、すぐれた見識と知性を兼ね備えたジャーナリスト・文化人です。長年、教壇と論壇でメディアを論じ、テレビ朝日の番組審議会委員長を9年間にわたって務めるなど、放送の公共性やNHK問題についても深い造詣の持ち主です。また湯山哲守さんは、物理学の研究者、そして学園の民主化運動のリーダーとして豊な学識と高い見識を備え、公共放送のあり方についても「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」の共同代表者として、優れた識見で多くの人々の支持を得ています。ともに経営委員の最適任者と確信します。
 公共放送の経営委員選任については、イギリスが1998年に公募制を導入、その他の国々でも民意を代表する優れた人材を選ぶ仕組みがさまざまに工夫・採用されています。私たちは、今回の推薦活動がきっかけとなって国会内外で活発な論議がたたかわされ、「自主・自立の砦」であるべき経営委員会の担い手として真にふさわしい顔ぶれが委員に選任されることを強く期待するものです。

 桂敬一さんの略歴: 
1935年、東京生まれ。マスコミ研究者。73歳。東京外語大フランス語科卒。59年、日本新聞協会職員となり、日本記者クラブ出向(総務部長)、日本新聞協会研究所所長などを経て、88年 に東大新聞研究所(現・情報学環)教授に就任。その後、立命館大学、東京情報大学、立正大学の各教授を歴任。この間、日本マス・コミュニケーション学会理事、郵政省メディア・ソフト研究会メディア・ルール委員会委員長のほか、テレビ朝日の番組審議会委員長を9年間にわたって務める。
専門は社会情報学、マス・メディア産業論、ジャーナリズム論。主な著書は『現代の新聞』(岩波書店)、『明治・大正のジャーナリズム』(同)、『日本の情報化とジャーナリズム』(日本評論社)、『新版・新聞学』(共編著、同)、『メディアと情報化の現在』(同)、『新聞業界』(共編著、教育社)、『21世紀のマスコミ・全5巻』(共編著・編集代表、大月書店)、『情報法入門』(共著、法律文化社)、『社会情報学ハンドブック』(共著、東京大学出版会)など多数。

 湯山哲守さんの略歴:
1944年、静岡県三島市生まれ。物理学研究者。64歳。68年、京都大学理学部卒。京都薬科大学助手、京都大学教養部・物理学教室助手、京都大学総合人間学部助手等を経て、06年、京都大学人間環境学研究科・相関環境学専攻物質相関論講座講師。08年定年退職。京都大学博士(理学、2000年に授与)。
 京都大学助手時代には職員組合副委員長を務めた。相次ぐNHKの不祥事を機に公共放送の受信料制度、政治との関わりに関心を寄せ、NHK視聴者運動に参加。05年よりNHK問題京都連絡会世話人。07年2月よりNHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表。08年6月より憲法9条京都の会世話人。
 主な論文:
Yuyama,T., Michishita,T., Kubo, H. and Hosokawa,M.,Analysis of Hard X-Ray Continuum from Hot Electrons in Nagoya Bumpy Torus, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.32,Part 1,No.12A,5711-5716 ,1993; Yuyama,T., An Energy Limit of Hot Electrons in a Bumpy Torus, Journal of the Physical Society of Japan, Vol.69, No.7, 2049-2059 , 2000;「核兵器廃絶への道と反核運動」(『憲法を活かす力とロマン』文理閣);「あまりにも稚拙な判決―『NHK番組改ざ
ん裁判』最高裁判決についての感想」(NHK問題京都連絡会ニュースNO7)など。

連絡先 放送を語る会事務局 小滝 一志

〈速報-3〉 

 10月16日には内閣総理大臣他宛、「NHK経営委員の公募・推薦制と古森重隆氏の不再任を求める申し入れ-12月経営委員の選任にあたって-を14000筆を越える署名簿と共に提出致しました。







ニューズレター第8号

2008-10-28 01:09:00 | ニューズレター
間もなくニューズレター第9号を発行致しますが、アーカイブスとして第8号をアップしておきます。順次1号までをアップ致しますので、カテゴリー「ニュースレター」をクリックしてお読み下さい。

(レターの画像が大きすぎて全部読めない場合が多いと思います。その時はこの文字の部分をクリックした後、キーボードの矢印を操作頂きますと、→ならレターの画像が右へ、↓なら下へ、↑なら上へ、←なら左へスクロール致します。もちろん画像の上を右クリック頂き画像のコピーを選択頂きますとコピーできますので、ワードなどに貼り付けて印刷頂く方法もあります。)

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以上第8号でした。感想をお寄せ下さい。また現在「WATCH」の原稿や皆様のNHKに対する意見を募集しております。積極的な投稿をお願い致します。

ニューズレター第7号

2008-10-27 06:24:50 | ニューズレター
2008年4月発行の第7号です。
PDFはこちら

7号1頁




7号2頁





7号3頁


7号4頁




ニューズレター第6号

2008-10-26 06:33:51 | ニューズレター
2008年1月発行の第6号です。 6号1頁 6号2頁 6号3頁 6号4頁

ニューズレター第5号

2008-10-20 01:21:44 | ニューズレター
ニューズレター第5号2007年11月15日発行

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第5号4頁