詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

小説「天国のコンサート~尾崎豊に捧ぐ~」第一回

2010年11月05日 | 小説~尾崎豊モチーフ~
11月29日の尾崎豊のバースデーにこのオリジナル小説を捧げます。
関連小説「黄昏の街の中で」もよければご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/9eb9cbe2567005e321e8869897fd844b


「天国のコンサート」  尾崎 詩絵里

第一章 プロローグ

キキーー!!
「危ない!!」ドン
いつもの帰り道を自転車で帰っていた時、信号無視のトラックがつっこんできた。
ブレーキをひこうとしたが一瞬間に合わなかった。

「事故だ!!事故だ!!人が轢かれた!!」
「救急車! 救急車!」

体があちこち痛かった。生暖かいものが自分の中から流れ出ているのが気持ち悪かった。
立ち上がろうとしたけど、体中どこにも力がはいらず、周りを見ようとおもったが、
目が開かなかった。
遠くから救急車とパトカーの音が近づいてきたとき・・・・私は、意識を失った。
「大丈夫ですか?私の声が聞こえますか?」
「まだ、息がある。大至急運ぶんだ!!」

岡崎 美奈 26歳の夏だった。


第二章 コンサート

「龍!!!」「神崎!!」
暗い、暗い場所で美奈は目が覚めた。
「何寝ているの・・・もうすぐ龍のコンサート始まるわよ!!」
「おねえちゃん・・誰のコンサート?私生きていたんだ・・・」
「何言っているの?神崎龍でしょう。」
「え・・・・だって神崎龍って亡くなったんじゃ」
「何寝ぼけているの・・・あんたがあんなに行きたがっていたから、
コネ使ってチケットゲットしたんだから、寝ていたら承知しないからね!!」
「う・・・うん」
神崎龍 享年26歳
10代の頃にライブハウスでデビューをして瞬く間にトップアーティストに。
10代のカリスマと呼ばれ、20代になり、ますます、ファン層はひろがり、
CMでは彼の曲が使われ老若男女知らない人はいなかった。
なのに・・・・
26歳に、事故で急死。
その「神崎龍」の姉は大ファンだった。
双子の姉に私はよく、龍の曲を聴かされた。
確か今年は龍が亡くなって、5年目だったはずなのに・・・・
どうしてその人のコンサートに私がいるの?
もしかしてここは天国??
そうだ・・・私確か、車にはねられて・・・でも姉は現在イギリスで結婚して
幸せにくらしているはず・・・死んでなんかいないし

「何、ボーっとしているの!!龍のコンサートのパンフレット。めっちゃ、
並んでいたんだから。感謝しなさいよ。あの伝説のロックンローラーそして、
人気絶頂の龍様のコンサートに来られるなんて幸せ者なんだから」
神崎龍の熱狂的ファンの姉はマスコミが彼を取り上げるときに使う
カリスマという言葉をあえて避けた。

コンサート会場が急に明るくなり、音楽が鳴り出した。すると地響
きのようなファンの歓声があちらこちらから上がった。
「かんざき!!!!!」「りゅう!!」
「りゅうさま!!!!」
姉も隣で「りゅう!!りゅう!!」と大騒ぎをしていた。
バンドの長い前奏の途中で、白いTシャツに、ジーパン姿の20代の
若い男性、神崎龍が、ゆっくりとステージの中央に歩いてくると、
いきなりマイクをとって歌い始めた。
何度も何度もCDで姉から聞かされている曲
Spring R&R・・・・


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