ひろしま裁判傍聴ダイアリーズ

広島での裁判傍聴をメインに、罪と罰の深海を探索!

広島少年院暴行事件(未傍聴)

2009年10月28日 | 裁判傍聴 その他
 TVドラマ「傍聴マニア09」を観て、傍聴心が再燃!久々に広島地裁に行ってきました。
 目当てじゃったんは、広島少年院で起こった法務教官たちによる収容少年たちへの虐待暴行事件の被告人の裁判。元法務教官の被告4人の上に君臨していたボスキャラ、元首席専門官の向井義の初公判です。
 仕事ぶりも高く評価されていた向井被告の、おぞましすぎる真の姿!少年たちに遺書を書かせたり、ガス責めしたり。ハリウッドのB級監獄もの映画も真っ青な、陰湿で残忍な悪魔看守ぶりに戦慄!収容少年たち、いったい何をやらかして堀の中にブチこまれたんかは知らんけど、こんな虫けら扱いを受けてええようなことはしちょらんはずよのお。
 けっこう社会を震撼させたと思っちょったけど。聞くところによると4人の下っ端元法務教官たちの裁判は、傍聴希望者が少なく定員割れしたんじゃと。意外と注目度低い事件なんかの?
 傍聴整理券配布まで時間があったけん、裁判所内の喫茶店でお茶。気さくで親切なママさんとトーク。この事件の裁判、定員割れ続きじゃけん、たぶん今日のも見れるよとママさん。今日はボスキャラじゃけん、わからんで~と傍聴マニアのおじさん。うう~ん、わしクジ運超悪いけんダメじゃわ~と、早くも絶望モード。
 時間がきたけん、整理券配布が行われる裁判員候補者待合室へ。わしが入った時は、15、6人しかおらんかったけん、これならイケる!見れるわ!と安心。が、甘かった!しばらくすると、ぞろぞろと傍聴希望者が入室してきょおった。気がつくと室内はあふれんばかりの人・人・人!あわわわ、ダメだこりゃ!絶対ムリ!せっかく久々に傍聴しに来たのにのお~(涙)。
 抽選会スタート。でも、ひょっとしたら、ひょっとするかもしれん?と、一縷の希望を抱いてわしの番号が呼ばれるんを待つ。が、とほほ!やっぱりダメじゃった(涙)。ほんま、ブチはぐいい!クジ運なさすぎ!
 ということで、トボトボと今回は裁判所から撤退したのだった。
 

どちらまで行かれます?地獄まで

2008年03月25日 | 裁判傍聴 殺人
 久々に傍聴できました。
 去年の夏に三原市で起きた、タクシー強盗殺人事件の判決裁判です。

【日時】2008年3月25日 午後13時~13時30分
【場所】広島地方裁判所 
【罪状】窃盗、強盗殺人、銃砲刀剣類等取締法違反
【被告人】杉山忠
【審理予定】判決
【裁判官】細田啓介

 傍聴席は、ほぼ満席。遺族と思しき方々の姿が、事件の深刻さをあらためて教えてくれる。
 刑務官に連れられ、被告が入廷。ひょろっと細身、メガネをかけた色白の顔は、TVのニュースでの護送される彼を見て思った時と同じく、こんな気の弱そうなショボくれた男が?と、犯した凶悪犯罪とはおよそそぐわない風貌に、ほんま人間って見た目だけじゃ判断できんのお、と痛感しました。うなだれている被告からは、当然のことかもしれんが生きる活力といったものが全く感じられず、おとなしいというより、もうどうでもいい...といった虚無感が放たれていました。
 裁判長が、判決を言い渡します。
 『主文。被告人を、無期懲役に処する』
 大方の予想通りの判決です。量刑の理由を述べる裁判長の説明を聞いてると、やっぱ惨い、酷い犯罪じゃのおと戦慄。
 刃渡り19.4㎝の出刃包丁を、宿泊先のレストランの厨房から盗み、しのばせた出刃包丁をいつでも取り出せるように、ゴム手袋をしてカバンの口を開けたままタクシーに乗りこみ、深夜の人気のない空き地へ向かわせて、金を出せと脅す。被害者が抵抗して逃げたので、発覚を恐れて刺殺、8万円を奪って逃走... 
 裁判長が語る、ここで書くのはためらわれるほど残忍冷酷な、被害者の惨殺されっぷり、遺体の惨たらしさの描写に、ううっと吐き気・怖気が。一面識もない男に、わずか8万円足らずで残酷な方法で命を奪われた被害者の無念、遺族の悲しみ怒りは察するにあまりあります。
 あまり計画性がない、殺人の直前までは傷つける程度の意志だった、というのが酌量された点のようじゃったけど、かなり計画的かつ殺す気満々じゃん?!と、わしは聞いてて首を傾げずにはおられんかったわいや。
 最後に裁判長は、『あなたの胸には、遺族の言葉が届いたでしょう。でも遺族の胸には、あなたの言葉は全く届いていませんよ』と、優しい口調で、厳しい言葉を。うなだれ、ハイと低い声で答える被告。
 遺族を一顧だにもせず、冷然とした表情のまま彼らの前を通り過ぎ、さっさと退廷する被告。気が弱そうで無害そうな被告の芯にある、非人間的な酷薄さ冷血さを垣間見たような気がして、またゾっとしてしもうたわ。罪を悔い、深く反省してるとは、とても思えんかったのお。
 タクシーの運転手さん、真夜中にヘンな場所へ向かわせようとする怪しい奴は、乗車拒否して下さい!そして、抵抗せず金を渡して!命が一番大事!
 外へ出ると、ちょうど遺族の方々が。泣いていたのは、おそらく娘さん?胸が痛んだわ。『(被告は)頭も下げて行かんかったな』と、遺族の男性(弟さん?)が憮然としていました。
 



コンビニ強盗&やりてババア

2008年03月14日 | 裁判傍聴 その他
 306号室へ向かうと、おや!向かいは、トーレス・ヤギ被告の裁判が行われとる部屋じゃった!ちょうど休憩中みたいでした。隣の待合室では、法廷画家が法廷の様子を描きょおった。フツーの主婦風な画家さんが、床にひざまずき椅子の上にスケッチブックを置いて、必死に筆を動かしょおる。彼女の側では、マスコミ関係者らしい若い女性が、早く描け!と言わんばかりに、怖い顔で無言のプレッシャーをかけてました(憶測)。

【日時】2008年3月11日 午後14時50分~15時
【場所】広島地方裁判所 
【罪状】強盗、銃砲刀剣類所持等取締法違反
【被告人】○邊○司
【審理予定】判決
【裁判官】細田啓介

 次に傍聴したんは、文化包丁でコンビニに押し入り、9万円を強奪したという強盗の裁判。
 被告人席には、黒いトレーナー姿の小柄な坊主頭の若い男。小さく白い顔は、亀田大毅を可愛らしくした感じ。下っ端ヤクザ風といった風貌。落ち着いた様子で、あまり動かない。場慣れしとるんかな?わしの前の傍聴席に座っとるオバチャン&オジチャン、風体・年頃からして被告人の両親かのお?
             
 弁護人に、ちょっとビビビ!スラっとした長身で、誠実で優しそうな、ちょっと色黒東南アジア系イケメンな青年弁護士。今まで、おじさんかおじいさんの弁護人しか実際に見たことなかったけん、新鮮じゃったわ。テレビドラマみたい。
 裁判長が入廷して、さっそく判決の言い渡し。
 『主文、懲役3年8ヶ月』
 裁判長は、優しく自分のやったことを真摯に受け止めるよう諭す。素直にうなずく被告。退廷前、青年弁護士が被告人のそばに。彼が何か小声で話しかけると、にっこり笑う被告。その笑顔は、まだ子供のような幼さじゃった。青年弁護士も、優しく微笑み返し。良好な関係だったことがうかがえる被告と弁護人でした。じゃけど、貴重な時間を刑務所で3年も費やさんといけん被告人。ほんま若さを無駄遣いしょうるのお。
 続いて、同じ廷内で...

【日時】2008年3月11日 午後15時~15時10分
【場所】広島地方裁判所 
【罪状】売春防止法違反
【被告人】有○千○子
【審理予定】審理
【裁判官】細田啓介

 被告は、驚いたことにわしの目の前に座っとったオバチャン。傍聴席から登場した被告人を見たのは、これが初めて。これが保釈中ってパターン?
 被告人は、喪服みたいな黒い服を着た、商店街の八百屋で大根を値切ってそうなフツーのオバチャンです。オバチャンが傍聴席から真っ直ぐ証言台に向かうと、そこに立つ必要はないですよ、と裁判長が優しく指示する。
 どうやら、このオバチャンが所有するビルの一室で、売春行為が行われていたらしい。まさか、このオバチャンが春を鬻いどったわけじゃないよの?!
 オバチャンが入院してたとかで、審議が中断してたらしい。弁護士と検察官のやりとりは、調書のことで検察側に不首尾があった、みたいな内容。よく分からないし、オバチャン被告は出番ナシなので、面白くない。
 じゃあ、その調書を担当した者を次回法廷に、で終わり。
 裁判所の前で、定年退職したばかりといった風のおじさんが大声で、『○○弁護士と○○弁護士に、▲千万円を騙し取られた!!◎▲×※!!!』と、エンドレスリピート絶叫。裁判所の前ではよくある光景なのか、誰も気にもとめません。わしはおじさんと目が合ってしまい、近づいて来られたら怖いので、逃げるように足早にその場を去ったのだった。

 

やめられない止まらない覚醒剤

2008年03月13日 | 裁判傍聴 その他
 久々に裁判所へ行ったで!うららかなポカポカ天気で、お出かけ日和じゃ。
 春なのに~♪世の中は、陰惨悲惨な事件が後を絶ちませんね。その最たる事件のひとつが、3年前に起きた広島女児殺人事件。被告のペルー人、ホセ・マヌエル・トーレス・ヤギの控訴審第3回公判が、広島高裁で開かれました。
 当然のことながら、傍聴席は抽選。わしが配布場前に到着した時には、去年の山口母子殺人事件の裁判ほどではないけど、もうかなり長い列ができとった。あ~絶対ムリじゃのお、と早くも意気消沈しそうになる。
 整理券をもらい、当選発表まで時間があるので、裁判所内に入って今日はどんな公判があるんかな、とチェック。
 配布場に戻って、いよいよ当選発表。当たれ当たれ当たれ~!との必死な祈願も虚しく、予想通りサクラチル...ガッカリしてその場を去ろうとすると、あ!目の前に、どっかで見たことある若い男性が。広島テレビのアナウンサー、長嶋清隆さんじゃん!
            
 わし、長嶋さんのファンなんよのお。じゃけん、内心ぶち興奮!スタッフと思しき人たちと談笑しょおった生の長嶋アナも、テレビのまんま素朴で優しそうな人でした。目がきれいじゃった。意外と小柄じゃった。そんで、やっぱり髭が濃い!夜のニュースの時、漫画のドロボウのように口元が真っ黒になってる長嶋アナが好きです。母がファンなので~とか何とか言って、サインと写真をゲットと思ったけど、そんなリクエストが小心者のわしにできるわけがない。ヤな顔されるのも怖いし。場所柄、不謹慎でもあるし。
 閑話休題。ヤギ被告の裁判に未練を残しつつ、その日は三つの裁判を傍聴しました。

【日時】2008年3月11日 午後13時30分~14時30分
【場所】広島地方裁判所 
【罪状】覚せい剤取締法違反
【被告人】共○こと黄○信
【審理予定】新件
【裁判官】甲斐野正行

 時間間違えて、203号室の傍聴席についた時には、裁判はかなり進んどった。
  
 わしを含めて、傍聴人は10人ぐらい。被告人席に座っとる被告人は、坊主頭で後姿でも分かるイカツい体格。裁判長の髪型と、かったるげな様子が気になる。書記官の女性が、アイドル顔負けの超可愛い女の子じゃった。検事さんが、色白でふくよかな良家の優等生坊ちゃん風。ほのかにピンクな頬が可愛い。
 この被告、24歳のころから30年間、覚せい剤をやめられずにいる元暴力団員の前科9犯。香川から広島に来て派遣として造船所で働くも、刺青があることがバレるのが怖くて、いつも風呂は一番最後に独りで入るよう気をつけていたが、ある日とうとうバレてしまい、なんだかんだあってまたヤクに手を出してしまった、みたいな経緯。
 うう~ん。ヤクを絶つことって、ほんと難しいんじゃのお。いい年したオッサンが、ヤクのせいで心身も人生もボロボロって姿は、無残以外のナニモノでもない。じゃけどこればかっかりは、誰のせいでもないしのお。自分だけ破滅するんならええけど、社会や周囲の人に迷惑をかけることになるんは、ほんま許されんで。驚いたことに、この被告には妻(離婚しとるが)と高校生の娘がいるという。うわ~こんな父ちゃん、イヤじゃ~!
 いよいよ被告が証言台に。で、でかい!もしこんな男がヤクで錯乱して暴れたら、恐怖じゃわ。証言台に立った被告が口を開く。見かけによらぬ、優しい声。真面目な口調で、誘惑に弱い自分の弱さや周囲に迷惑をかけてばかりいることを反省する被告。もう悪い仲間とは連絡は取りません、と裁判長に誓う被告ですが...多分おんなじことを9回も言ってきた彼なので、にわかに信じることはできません。ただ彼は犯罪者でも、悪人ではなく、弱い人間なんじゃろう。弱い人間が多いから、悲劇はなくならないんかのお。
 退廷する被告が、傍聴席を振り返る。萎んだサンプラザ中野みたいな顔?
 次回は、3月25日の午後1時30分から、だそうです。
 次なる裁判を傍聴すべく、306号室へと移動する。

トンデモ自衛隊員!

2008年03月12日 | 事件
 広島県警呉署は11日、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで、海上自衛隊呉警備隊の海士長、有川和秀容疑者(21)=広島県呉市幸町=を逮捕した。
 調べでは、有川容疑者は昨年12月5日、広島県東広島市のパチンコ店駐車場に止めた自分の車で、広島県内の女子高生(16)に現金3万円を払うと約束して、みだらな行為をした疑い。女子高生の友人を通じて知り合い、実際に1万5000円を払ったという。
 呉警備隊は「判明した事実をもとに厳正な処分をする」としている。

 また自衛隊員の犯罪じゃ。わしは自衛隊の町で生まれ育ったけん、もう彼らの不祥事に慣れてしもうとる。ちょっと前にも、痴漢とか置き引きとか。しょちゅう若い隊員がセコい事件を起こしょうるけん。ああ、またやったんか、みたいな。こいつが自衛隊?大丈夫なんか日本は?みたいな隊員、たまに、いや、結構いるんよのお。もうちょっと隊員を厳選して入隊させてほしいものです。
 自衛隊・警察官の起こした事件の裁判を傍聴したいので、情報求む!

 

母娘保険金放火殺人事件②

2007年07月12日 | 裁判傍聴 殺人
 審理再開。弁護士側の証人尋問。
 うわっ主任弁護士、見るからに意地悪そうなおじさん。時代劇に出てくる悪商人顔?
 証人である被告人の実妹へも、キツい詰問口調。ちょっとでも自分の意図する答え方をしないと、いやそーじゃなくて!とか、バカにした言い方。
 まず、証人本人を貶める作戦?が何だかイヤらしかった。何で検察官に自分のメールアドレスを教えるのか?あなた職業は?接客業?ホステスでしょ?取調官が、あなたの店に来たことがあるでしょ?何しに来たんですか?誘ったんですか?と、いかにも証人が検察官や警察官を色香でたぶらかしたのでは?と言いたげ。さすがに検事から、異議あり!弁護士は、わざとマイクをよけて裁判官にしか聞こえないように、何か説明する。結果、検事の異議は却下されてしまう。
 ネチネチとした弁護士の証人いぢめが続行。時折声を詰まらせながらも、証人は気丈に答える。しっかりした女性じゃのお。あまりにも意地悪で高圧的な攻撃を、裁判長も不快に感じていたのか、そんなこと聞いてないよ!と弁護士が証人の証言に声を荒げると(既に証言していたことなのに)、裁判長はビシっと弁護士を叱責。ちょっと胸すっきり。
 選手、じゃない、弁護士交代。富永一郎似とバトンタッチ。主任と違って、彼は優しく紳士的。小夜子さんが、被告人のせいで精神的に参っていて、睡眠薬(ハルシオン)を時々飲んでいた、という証言する証人。
 女性裁判官(右)が、児童福祉手当のことで、小夜子さんが被告人を諫めていたことなどを再確認。裁判長が、小夜子さんの孫娘二人への気持ちなどについて訊く。二人を自分の籍に入れようと考えていたほど可愛がっていた、と証人。
 証人①の尋問が終了。彼女は被告人に一顧もくれず黙殺し、サバサバした表情で証言台から離れていきました。ずっと微動だにしない被告人の後姿。兄と妹、互いにどんな感情が胸に去来、巣食っているのか。あまりにも淡々と冷ややかな様子が、返って怖い。これが赤の他人の犯罪なら、もっと感情的に、恨みや憎悪を吐き出すこともできるんじゃろうか。もし自分の兄が、母親を保険金目当てで殺したら、わしは冷静でおられるじゃろうか。ふと震えがきたのは、法廷内の効きすぎた冷房だけのせいではなかったと思う。
              
              ↑ 被告人・中村国治
 次の証人②は、開廷前に出入り口でウロウロしてた、あのおじさん。何と、被告人の実父だった。完全黙殺の妹と違って、お父さんは被告人を、何かを瞬間的に伝えたような目で一瞥して、証言台に立った。
 ガッチリした体格、角刈りで酒やけっぽい色黒のお父さんは、色白でスマートな感じの優男な息子とは全然似てない。野太いけど明瞭な張りのある声で宣誓した証人。トラックの運ちゃんだとか。そんな感じです。
 被害者の通夜における被告人の様子など訊かれる証人。その夜には、もう父子そろって保険金の心配をしていたことに驚く。保険会社には、被告人の代わりに証人が問い合わせたとか。
 証人は当初、火事は小夜子さんの寝煙草のせいだと直感。でも、車のダッシュボードの件を知って、もしや覚悟の自殺では?という疑念も。被告人の金せびりや生活態度などで、小夜子さんは精神的に参っていたらしいから。困った息子だが、根は優しく、大それたことをする男ではないと断言するお父さん。
 いったん検察で自白して、法廷で無実を訴えろとアドバイスしたという証人。彼が最後に小夜子さんと会った日のことの曖昧な記憶について、検事が柔らかな口調ながら、鋭く突っ込んでくる。会ったのは事件の直前かその前の年か、思い出せません...と、シドロモドロになる証人。
 お父さん、見た目のイカつさと違って、かなり頼りない。小夜子さんと離婚した後は、元妻とも子供たちとも、ほとんど没交渉だったみたいだし。このお父さんがもっとしっかりしてたら、元妻も孫娘たちも、そして被告人もこんな風にならずにすんだのでは...と、ふとやりきれない思いがしました。 
 証言台から退く時は、立つ時と違って証人②も①同様、被告人に一顧もくれず、そそくさと行ってしまいました。
 休憩を挟んで、この日最後の証人として証言台に立ったのは...
 おや!数人の職員が、傍聴席と証言台の間に、衝立を設置し始めた。ものものしい雰囲気に、いったい何が起きようと、誰が現れようとしているのが、わしの胸もざわめく。登場したのは...被害者の母親、つまり被告人の元妻!
 悲しい弱々しい悲痛な声で語られる、彼女の悲痛な話に気分が滅入る。彼女の悲劇的な立場を考えると、正気でいられるのが不思議なほどだ。最後に彼女は、被告人への憎しみを言い残し、法廷から去って行きました。
 この日の審理もいよいよ終了。被告人は、来た時と変わらぬ冷静さで、看守とともに法廷から出て行きました。いったい、その胸中は...

 追記
 中村国治被告に、無罪判決!(こちら
 びっくりじゃのお。でもほんま、いかにもやってます!な極悪顔じゃないし、かといって明らかに無実!とも確信もできない、黒か白か???な、謎めいた男じゃったわ...
 

宇品風俗嬢殺人事件

2007年07月11日 | 事件
 9日午前2時40分ごろ、広島市南区宇品御幸1丁目のマンション2階で、近くの店員徳永愛香さん(21)が死んでいるのを広島南署員らが発見。広島県警捜査一課などは強盗殺人事件とみて捜査。部屋に出入りしていた無職少年(18)を同日午前、中区のホテルで発見し強盗殺人、死体遺棄の疑いで逮捕した。少年は7日未明ごろ徳永さんをマンション室内で殺して金を奪い、遺体を遺棄した疑い。容疑を認めているという。<中国新聞より>

 見ず知らずの男の家や部屋に行かなければならない仕事って、ほんま危なすぎるわ。命がけの商売じゃのお。わしはようせんで。被害者遺族が可哀想。
 風俗嬢を部屋に呼ぶようなことをしても、やっぱ犯人は少年扱いってことに、恐ろしい矛盾を感じます。被害者は、顔も名前も仕事も晒されてるのに、犯人は手厚く保護されるんよのお。

母娘保険金放火殺人事件①

2007年07月08日 | 裁判傍聴 殺人
【日時】2007年7月6日 午後13時30分~17時
【場所】広島地方裁判所
【罪状】詐欺、殺人、殺人未遂、現住建造物等放火
【被告人】中村国治
【審理予定】審理
【裁判官】細田啓介

事件のあらまし
 詐欺事件で2006年5月に逮捕、起訴された広島県東広島市西条町寺家、会社員中村国治被告(36)が、広島県警の調べに対し、同被告の母親の小夜子さん(当時53歳)方が全焼し、小夜子さんと中村被告の娘2人が死亡した5年前の火事について、「寝ていた母親を殺し、家に火をつけた」と供述をしていることがわかった。
 県警は23日、殺人と現住建造物等放火容疑で中村被告の逮捕状を請求した。中村被告は、生命保険金約3500万円を受け取っているといい、県警は保険金目当てとみて追及する。
 調べでは、中村被告は2001年1月17日未明、広島市西区の自宅1階で寝ていた小夜子さんを殺害して放火。木造2階建て住宅延べ約60平方メートルを全焼させ、2階で寝ていた小学2年の長女彩華ちゃん(同8歳)、保育園児の二女ありすちゃん(同6歳)を死亡させた疑いが持たれている。<読売新聞より>

 ついに裁判傍聴デビューを果たしたわいや!
 光市母子殺人事件では、抽選に涙をのみましたが、今回は先着ということで、しのつく雨の中、勇んで1時間前には法廷前に到着。でも、あれ?誰もおらんし!?
 結局、余裕で傍聴席には一番乗り。最前列のド真ん中に陣取って、裁判の開始を待つ。空席もポツポツと。凶悪事件のわりに、注目度は低いんかのお?
 開廷前の風景。弁護人席の一人(真ん中の人)が、漫画家の富永一郎先生似。髪型が弁護士というより芸術家みたいなアヴァンギャルトさ。そのすぐ後ろの出入り口でウロウロしてる、ちょっとヤクザっぽい初老男性。誰じゃろ?人相からして、被告人?!まさか。
 裁判官が入ってきて、一同起立礼。しばらくして、左側の出入り口から、制服姿のイカつい刑務官3人組に伴われて、被告人・中村国治が登場。
 第一印象は...これが、実の母親と二人の幼娘を保険金目当てに焼き殺した極悪鬼畜!?と、にわかには信じられなかった。黒いスーツ(細薄い白いストライプ入り。ノーネクタイ)、ほっそり細身で、全体的にコザッパリした感じ。メガネをかけた顔(小顔で色白美肌!)は、男前ではないが、ブ男でもない。どちらかというと、知的な優男。女にも案外モテそうな。態度は、落ち着いているというより、何だか淡々と飄々としてる。暗い翳りとかドス黒いオーラとか、思いつめた感じとかもないし、ふんぞり返って開き直ってるフテブテシさもない。凶悪殺人犯というより、市役所の職員もしくは大学の研究員風だ。
 傍聴席にチラリと目をやった後、被告人席について背中を向ける被告。間近に見る彼の首筋や頬も、男とは思えないほどツルンとしている。刑務所や拘置所って、生活が規則正しくてヘンなもの飲食できんけえ、健康にはええんかのお。
 まず、証人①として、被告人の実妹が証言台に立つ。彼女も兄に似て、ほっそりしていて色白。長い茶髪が印象的。
 まず、検察側からの証人尋問。主任検事さんは、人の善さそうな小太りのおじさん。口調と声音が、女性みたいに優しい。被告人との面会の様子や、被害者のことなどについて、証人に尋ねる。証人は、あまり感情に淀むこともなく、的確に受け応え。火事の原因が寝煙草とは考えられない、被害者の幼娘二人は、父親である被告人を怖がっていた(時に被告人は軽い暴力など振るうことがあった)、通帳や印鑑の入った大事な袋を、母(小夜子さん)はいつも肌身離さず持っていたのに、火事のあった夜にはなぜか車のダッシューボードの中にあった、などといった証言が、彼女の口から引き出される。
 実妹の証言を聞くかぎりでは、被告人はかなり金にだらしない、そして狡猾な男に思えた。妹の名前で借金したり、後妻とグルになって児童扶養手当を不正に受給しようとしたり(こちら)。あげくには、火事でおりた保険金を妹と折半しながら、姑息な手段で妹の分をチョロまかしてたり。悪いやっちゃなあ。妹さんは、兄の借金返済のため、実家の軽食店で働いた分の給料を貰えなかったりもしたとか。可哀想。交通事故も何度か起こして、そのたびに母親に金をせびりに来たという被告人。うわあ。ほんまロクでもない息子、最低な兄貴じゃのお。ここまでなら世間でもよくある話じゃけど、行き着いた先が放火殺人じゃあ、みのもんたに相談どころじゃないで。
 検事から、被告人に何か言いたいことがありますか?と問われた実妹は、本当に罪を犯したのなら、それなりの罰を受けてほしい、と(彼女も事件当夜家にいて、唯一難を逃れた殺人未遂の被害者。助かって良かったけど、何とか子供たちの命は救えんかったんかのお、と返す返す残念)。
 10分間の休憩を挟み、弁護士側の証人尋問へと続く。


三原市タクシー運転手殺人事件

2007年07月06日 | 事件
 今月1日に、三原市の空き地で、タクシー運転手の刺殺死体が発見された事件の容疑者が、早々とお縄に。
         
 5日に検察庁に身柄を拘束される犯人・杉山忠(30)
 頭からスッポリ上着を被って顔を隠すこともせず、堂々、というより、放心した様子で顔をさらし、護送されていく姿を見て、わしは意外に思った。頑強そうな被害者を刺し殺し売り上げ金を強奪するなんて凶行、見るからに極悪な男の仕業じゃろうのお、と勝手に思い込んどったけん。こんなショボくれた感じの、ひ弱そうな男が...と、返ってゾっとしたわ。見た目で人をナメたらいけんのお、弱そうじゃいうて油断したらいけん、用心せんにゃあ、と痛感しました。
 でもホンマ、タクシーに強盗殺人する価値があるほど大金があるわけなかろうが。ほいじゃけど、切羽つまっとったにしては、やり口は計画的で悪辣じゃのお。タクシーの運転手さんってのも、戦々恐々な商売じゃわ。
 あらためて、被害者のご冥福を祈ります。

 

光市母子殺人事件(未傍聴)

2007年07月05日 | 裁判傍聴 殺人
【日時】2007年6月25・26・27日
【場所】広島高等裁判所
【罪状】殺人、強姦致死、窃盗
【被告人】福○孝△

 胸が痛む凶悪事件は枚挙にいとまなしだけど、子供が犠牲になる事件は中でも悲しく赦しがたい。
 とりわけ、この山口県光市で起こった惨劇には、暗澹とさせられる。この事件のあらましを聞いて、戦慄と憤りを感じない人がいるだろうか。まさに、少年の皮を被った鬼畜の所業!
 さらに、被告は反省するどころか、あまつさえ友人に宛てて、遺族の本村さんをあざ笑うかのような内容の手紙を送ったり。ほんま、救いようも許しようもない。こんな人間が、存在してることがブチ怖い。
 自分のやったことなど屁とも思っとらんことが暴露されて、世論も裁判官の心証も当然のごとく悪化。慌てた被告と人権弁護団が打って出たトンデモ戦略!
 弥生さんに母親のように甘えたら抵抗されて(当たり前じゃ!)、拒絶されたと思って首を絞めた(母親に拒絶されたら首絞めるんか!)。死後、遺体を強姦したのは、精液を注入すると生き返ると思ったから。赤ちゃんの首は...あ~もう書くのもバカらしゅうておぞましい。そんなホラーな妄言奇言、よう思いつくのぉとゾっとする。それを本気で法廷で通そうとする弁護士も、被告同様な異常者なのでは、と肌に粟が。
 本当に自分と同じ人間なんじゃろうか?人間の皮を被った獣とは、どんな姿をしとるんじゃろ?どうしてもそれを確かめたい衝動を抑えられんかったけん、公判初日は仕事は休みだったこともあって、わしは広島高等裁判所へと向かった。
 傍聴席を求めて、人・人・人!注目されている事件の裁判なので、予想はしとったけど、これほどまでとは。35席しかない傍聴席に、約1000人が。ダメだこりゃ!最近、懸賞がよく当たってるので、ひょっとしたら?との期待も、甘かった。わしの整理券番号は9番。当選発表は、16番が最初だった。いきなりダメじゃん!がっかり。
 ここで諦めたらいけん!Now or Never!わしは仮病まで使って仕事をサボり、3日間裁判所に通い詰めた。我ながら執念深いと呆れる。諦めて後で後悔するより、やってみてダメだったほうがええ、と前向きに行動。ひょっとしたら、ひょっとしたら、を呪文のように唱えながら。ほいじゃけど、やっぱり全滅撃沈。とほほ。体力と交通費の無駄づかいに終わってしもうたわいや。
 3日間の公判も、ひどい内容だった。被告人を、責任能力のない○ちがいに仕立てて罪を逃れようと目論んでるのでしょうか。それにしても...殺した赤ちゃんを押入れに放り込んだのは、ドラえもんが何とかしてくれると思ったから、とは。唖然呆然。ドラえもんがいても、何とかしてくれるわけなかろうが!アホか!永遠に地上に降りてこられないタケコプターを頭に突き刺して、飛ばしてやりとうなったわいや。
 弁護士も、どうかしとる。世間や遺族だけじゃのうて、法廷まで愚弄、侮辱してるのでは。こんな言い分が、もし万が一でも罷り通ったら、日本はオシマイです。
 というわけで、残念ながら傍聴デビューできんかったけど、裁判の行方は今後も見守っていきたいと思います。
 ↑画像は、公判後の記者会見での本村さん。胸中、察するに余りあります。果てしなき苦患の道を歩まなければならない本村さんが、本当に痛ましい。どうかくれぐれも、お体を大切に...