ねちねち

　その、正式名称は知らない。
　触るとべたつくことから、お散歩仲間の間では、通称“ねちねち”。雑草である。
　秋口には枯れてしまう草らしいが、今年は並外れて暑い日が続いているため、10月もそろそろ下旬という今でも、パワー全開で生え続けている。





　この黒いあたりなどに触れると、ベタベタとくっついて離れなくなるのだ。
　それだけではない。黒く無いところでも、無色の粘着質で覆われている。これが例えて言うならワックスのような働きをするのである。
　このありがたく無いねちねちが、愛犬アーサーの散歩コースの広場や薮に、一面ビッシリと生えているからたまらない。





　広場を少し走っただけで、この有様。黒いツブツブやら、天然ワックスが引き寄せる、草やら泥やらでもうドロドロだ。





　飾り毛の間にも、食い込むようにゴミがからんで、これがまた取るの大変。

　汚れの無いところも安心できない。触るとベタベタするわ、毛がもつれて固まってるわ、まさにスーパーハード・ワックス。ヘアカタログなどにある「毛先につけて強く握ると、毛の流れに動きが出ます」的有様に仕上げてくれる。頼んでないのに。
　しかもこの粘着汚れ、拭いたぐらいでは取れない。水をかけて洗い流すか、酷くなるとシャンプーしないと取れない。
　予防になるかと服を着せていったこともあるが、動き易い服だと隙間から汚れ放題だし、袖ありだと短足犬の悲しさで、袖を自分で踏んでコケてしまう。
　あきらめて服を着せずにつれていくと、





　かってにスッ転がってもだえている。またなんか、クサい匂いでもみつけたんだろう。





　なんか、すんげえ喜んでるんですけど。
　あー、お腹の毛カピカピだ。
　辞めさせようと一応、「ダメ」を出すのだが、ここまで喜んでると、もーう自分から辞めない。
　しかし何がハラたつって、こっちが諌めてるのを知っていながら、身悶えしつつ時々



カメラ目線でチラ見。


　ヤラしい奴。