明日会えたら「またね」と言おう

数日前のこと、私のスマホに職場からの着信。

（シフトができたのかな？それとも、人が足りないから入ってほしいのかな？）

風邪をひいていて、いまは声が出せないから、調子が戻ってから連絡しよう。

そう思っていた。



その翌日のこと。

近所のスーパーで入浴剤が安い日だったので、入浴剤売場へ行った。

（どれにしようかな？）

すると、目に飛び込んできた入浴剤。

（あ！これにしよう）

即決。

月末に仕事出て行ったら、これ、話のネタにしよう～

笑ってくれるかなぁ？そんなことを思いながら、ちょっとルンルンしていた。









そして、昨日のこと。

職場からまた、着信があった。

（ん？どうしたのかな？やっぱり人が足りないのかな？

　声がまだよく出ないけど、今日はもうこちらから電話した方がよさそうだな。。。）



「いつもお世話になります、○○です。」

『あ、おつかれさま。』



ん？？

いつも年明けのこの時期に電話で話すとき、『あけましておめでとうございます。』って言ってくるのに、

今日は言わない。

（いつもとなにかが違う。）

すぐそう思いました。



『急なことなんだけど・・・・異動することになりました。』

「えっ・・・・！？」



いままで、毎回人事異動の時期になると、散々「出る出る詐欺の時期きたね～」なんて笑い合っていたのに。

ついに、本当に、そのときが来てしまったんだね。



「いやぁ、昨日スーパー行ったらね、○○ちゃんの苗字の温泉の素あって、おもしろいから買ったんだけど、次出勤したら言わなきゃ―って思ってたんだよね。」

『あぁー、それは何かの知らせだったんだね。』




彼女は７年と少し前、私が今の職場に初めて面接を受けに来たとき、面接官をしてくれた人。

美人すぎて向き合って話すのがなんだか照れくさいほどの、とにかく美人すぎる人事でした。


普段事務所の中で働く彼女は、異動先でも事務所の中で働くことになります。

私がお客さんとしてそのお店に行ったところで、もう会うことはできません。



「わたし買い物よく行くけど、売場にいないから、行ったところで会えないじゃん。。。」

『うん。。。でも、バレンのときに顔出すから。』



「・・・・・。すごくお世話になったから、異動前にあいさつに行きたいんだけど。」

『それはお互いさまでしょ？大丈夫だよ、お互い今カゼひいてるし・・・、バレンのとき会いに行くよ。』



それからちょっといろいろ話して、「忙しい時にわざわざ連絡ありがとう。」と電話を切りました。


電話を切って、ため息ついて、いろいろ思い出してきて、少し・・・さみしくなった。




あいさつ行ったら、なんて言おうかな？

入浴剤もって？（笑）「お世話になりました。」？

ううん。ちがうちがう。そんなこと言ったら、もう二度と会えなくなっちゃうみたいだから。。。

さみしいけど、これから新しい環境へ入っていく彼女の方がきっと不安もあるはずだから。



「○○ちゃん、またね！」

いつもと変わらない笑顔で、そう言おう。




ONE OK ROCK「Wherever You Are」