特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

Quotaだったのね

2006-02-04 23:51:12 | ソウル見て歩き
 晴れ最低気温-13.1度。最高気温-4.6度。風が強く昨日(2/3)よりも寒く感じられた。

 南大門(ナムデムン=남대문)市場からの帰り、バス停でバスが来るのを待つ。
 5分、10分、15分、見事なまでに私が乗りたい708番のバスが来ない。このまま凍死してしまうのだけは嫌だったので寒空の下、歩くことにした。
 市庁前(シチョン=시청)や清渓川(チョンゲチョン=청계천)を通り過ぎ、光化門(クァンファムン=광화문)の交差点を渡る頃には、私の好奇心も凍りつく寸前だった。そんな時に人だかりを発見。TV局の撮影クルーがいたのでドラマの撮影かな?と思って近づいて見た。どうやらドラマの撮影ではなく、誰かが取材を受けているようだった。

 一体誰なのか?

 あ、この人どこかで見たことが…。

 も、もしかして…。


 安聖基(アン・ソンギ=안성기)サマではありませんか!


 まさかこんな所で韓国の国民的俳優である、安聖基(アン・ソンギ)サマにお目にかかれるとは思ってもいませんでした(708番のバスよ、よくぞ来ないでくれた)。

 どうやら韓国政府のスクリーン・クォータ(Screen Quota)制の縮小方針に対する街頭抗議活動(イリン シウィ=1인 시위)をしているらしい。

 韓国政府は去る1月26日に各映画館に課している国産(韓国)映画の上映日数を現行の年間146日から73日に短縮して、今年(2006年)の7月から施行すると発表した。これはアメリカ政府が以前から韓国側に強く要求していたものだ。それに対し韓国の映画関係者は反発を強めている。ちなみに安聖基(アン・ソンギ)サマは「문화는 교역의 대상이 아니라 교류의 대상입니다(文化は交易の対象ではなく、交流の対象です)」と記されたプラカードを前に掲げていた。

 【スクリーン・クォータ(Screen Quota=스크린쿼터)制】映画館が自国の映画を一年のうち決められた日数以上上映するようにする制度。
 国産映画の上映義務制度ともいう。基本的に外国映画による過剰な市場の蚕食(さんしょく)を防ぐとともに、国産映画の市場確保を容易にするとにより、国産映画の保護・育成を図るための制度である。
 イギリスで最初に施行され、のちにフランス、イタリアなどヨーロッパの一部と南米、そしてアジアの一部の国がこの制度を導入した。現在も実施している国は韓国をはじめとしてブラジル、パクスタン、イタリアなどである。その中でも韓国の制度は最も具体性を帯びている。韓国では1967年から導入された。
 
 韓国におけるスクリーン・クォータ(Screen Quota)制の変遷を見ると①年間6本以上の韓国映画上映と年間90日以上の上映日数の遵守(1966) ②年間3本以上、総上映日数30日以上(1970) ③年間上映日数の1/3以上(1973) ④年間上映日数2/5以上と人口30万以上の地域では韓国映画と外国映画との交互上映(1985)をそれぞれ義務化するというような変化を辿っている。韓国の映画法に基づいているスクリーン・クォータ制の目的は外国映画の国内映画市場蚕食を防止し、韓国映画の企業化と活性化を法的、制度的に誘導するものであり、韓国映画振興のための実践的な手段の一つと言える。しかし、韓国のスクリーン・クォータ制は善意的な趣旨にもかかわらず、製作本数の減少、興行的価値の低下などにより劇場関係者らは制度の縮小や廃止を主張するなど、製作関係者との間で互いに反発し合う原因にもなっている。これは政府がスクリーン・クォータ制の施行を義務化し、劇場側に強制的に押し付けながらも、それによる適切な保障策が講じられていないというところが大きい。

 ※韓国におけるスクリーン・クォータ(Screen Quota)制の変遷について詳しく知りたい方はこちら(韓国語)をご参照下さい。

 私は今までずーっと「スクリーン・クォータ(Screen quarter)制」だと思い込んでいました…。何故“Quarter(4分の1)制”なのに年間146日も上映するのだろうか?と疑問に思っていたので“Quota(割り当て)制”だと知り納得。自分の英語力の無さを露呈しているカルビです。


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4 コメント

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うわぁぁぁ (よんよん)
2006-02-06 10:26:58
やはり大物の行動やコメントってそれ自体に貫禄がありますね。「スクリーン・クォータ」なんじゃそりゃって感じだったけど、真剣に耳を傾けるようになりました。
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今日はチャン・ドンゴン (特上カルビ)
2006-02-06 20:22:00
>よんよんさん



 安聖基(アン・ソンギ)さんは語り口も穏やかにインタビューに応えていました。もっと“有名人オーラ”を出しまくっていると思いきや、親しみやすそうな印象を受けました。今年で満54歳、これからますますの活躍を期待したいと思います。



 ところで、今日(2/6)はチャン・ドンゴン(장동건)がヨイド(여의도)の国会前で「スクリーン・クォータ制縮小反対」を訴えたそうですね。しかし、その途端に何千人もの市民が集まり、わずか数分で中止せざるを得ない状況になったとか…。みなさん「ファンの集い」じゃありませんからね~。デモですよ、デモ!
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かっこいいね~ (Kotodama)
2006-02-08 12:54:29
特上カルビさん、こんなところでブログを出しているなんてまったく、早く言ってくれれば良いのに。



安聖基、懐かしいですね。韓国語を勉強していたときに、当時見る機会が少なかった韓国映画でこの俳優よく見ました。「こんにちは、神様」、「バカのなんちゃら」(タイトルうろ覚え)なんか出ていたんじゃなかったっけ?



格好良いですね。僕の記憶の中にある昔の姿よりもずっと格好良くなっているかんじ。また久しぶりに彼が出ている映画が見たくなちゃった。今はどんな映画に出ているのだろう。時間があったら、映画の評論もお願い。^_^;



時々ここに顔を出すかもしれないので、締め出さないでね。特上カルビニム!



あんにょん
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オソオセヨ! (特上カルビ)
2006-02-08 16:27:02
>Kotodamaさん



 早速のご訪問ありがとうございます。特上カルビのブログへようこそ!



 本当に昔の韓国映画といえば、必ずと言っていいほど安聖基サマが出ていましたからね。『こんにちは神様(안녕하세요 하느님!)』や『馬鹿たちの行進(바보들의 행진)』そして『鯨捕り(고래 사냥)』などとにかく懐かしい。最近では『シルミド(실미도)』にも出演していましたね。これからも韓国を代表する俳優として頑張って欲しいものです。



 これからも気軽に遊びに来てください。お待ちしております!
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