このヤクモノは…

いきなりだが、この盤面ヤクモノに見覚えのある方は、おられるだろうか。

上段に3つの振り分け穴、下段にはクルーン役物の2段構造。

いかにも一発台チックな組み合わせだが、釘の配列など見ると、どことなく違和感を覚えるような…。

 

 

実は、このヤクモノ、実際には存在しない。

なぜなら…

 

コチラが「正解」の画像。

 

実は、最初にお見せした画像は、上下を180度反転させたもの。

まぁ、これはこれで、意外に面白い役物かもしれないが…。

相変わらず、クダラナイ事ばかりを考える、独りよがりのブログである。

 

ともかくも、正解の画像を見ると、上段に一つ穴クルーン、その下には3つの振り分け穴ヤクモノが配置してある。

もう、これでお判りだろう。そう、往年の一発台「セイヤ」（三星、1988年登場）の盤面上部～中央を撮影したものだ。

 

 

 

（コチラは後期型の新セル…初代とはうって変わって、カラフルで派手な盤面になった）

 

（セイヤのゲーム性について）

とにもかくにも、玉をクルーンにガンガン入れて、振り分け穴のセンター入賞を狙う。振り分けで外れる度に、「次こそは…」と期待して投資を重ねてしまう辺り、打ち手の心理を巧く突いた作りになっていた。

「ヘタな鉄砲、数打ちゃ当る」という奴で、ニューギンの「ベータ」も同様だった。私が一発台にハマった時期は、既にベータの方が主流になっていた。

しかし、なかなか当らなかったんだな、これが…。打ちながらのハンドル調整も微妙で、さっきまでクルーンにバンバン玉が入っていたかと思うと、しばらくするとウンともスンともいわなくなる…なんて事もよくあった。

 

さて、天横から上段クルーンに入った玉は、しばし回転の後、下の振り分け穴にストンと落下。

穴は横に3つ並んでいて（中央が低い）、中央が大当り、左右の二つはハズレ穴である。

但し、穴の上部にはV入賞を阻む「風車」が構えており、容易には大当りしない。

この風車や台のネカセ、そして振り分け穴周辺の釘を調整すると、玉のアクションは多彩に変化する。その結果、V入賞率に大きく影響を与えた事は、いうまでもない。

「クルーンには沢山入るが、振り分けで何十発連続で左右に外れる」という、重度のクセ悪台に悩まされた人も多いだろう。

 

大当りする時は、クルーンから風車に絡んだ玉が、左右ハズレ穴の側面（或いは両脇の釘）に当り、風車方向に跳ね返ってV穴に飛びこむパターンが多かった。

玉が連続でクルーンに入った時は、先に振り分け穴に向かった玉が、追加玉に押されて軌道を変え、スポンとV入賞する事もあった。

実際には、Vに入る、入らないは全て一瞬の事であり、玉の動きを細かく追う事など不可能だ。それでも、幾度も挫折を繰り返した後、ようやくVに飛びこんだ瞬間の「刹那の歓喜」は、何事にも代えがたいものがあった。

 

中央V穴に入ると、両サイドのメインチューリップが開放。チューリップの先端に弾かれた玉は、盤面センター下の2回開きチューリップに向かう。ここに入賞するたび、下段左右の電チューが5.7秒開放する。右打ち調整の店、通常打ちの店、左右どちらでも玉の増える店と、ホール毎に調整は異なった。

 

その後は、2回開きチューリップと電チューの連動で、ン千発の予定終了まで玉を増やす。2回チューリップにはメモリー機能が付いており（入賞を3個まで記憶）、大当り中は比較的スムーズに玉が増えるようになっていた。但し、2回チューリップに玉が向いにくい調整の台だと、打ち止めまでに時間を要する。

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なお、一発台撤去から5年後の1996年には、同じ三星から「必殺機」（大入）という、一発台もどきの「普通機」が登場。コチラも「一穴クルーン」と「3つの振り分け穴」を採用しており、かつてのセイヤを彷彿とさせた。

但し、大入の場合、振り分け穴の上に「風車」ではなく、独特な形状の「回転体」が付いていた。あの回転体も、V入賞を徹底してガードしていたな…。

（かつての地元、Y駅「パチンコL」で良く打ったな…大当り中の「さよならさざんか」も懐しい）