まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

銀玉命!銀次郎(1993年、Vシネマ)

2017-02-20 23:19:44 | 懐かしのパチンコ・パチスロ映画

巷で話題の女性芸人、ブルゾンちえみを見る度に、劇画版「田山幸憲
パチプロ日記」の「チビ子」を思い出してしまう私は、どこか感覚が
ズレているのだろうな…。それはともかく、今回はコチラを回顧。









~一発逆転、一攫千金、究極の男のロマン~

「銀玉命!銀次郎」





ジョニー大倉(右)と渡辺典子




左から住田隆、ジョニー大倉、石井愃一



・リリース日:1993年(平成5年)6月25日(VHS)
・定価:16274円(税込)
・発売元:ビデオチャンプ
・販売元:タキコーポレーション


堂上まさ志の同名漫画(白夜書房刊)が原作の90年代Vシネマ。
主演は、約2年前に病で逝去した元・キャロルのジョニー大倉
歌手が本業だが、俳優業においても非凡な才能を発揮していた。
共演は石井愃一、住田隆、丹古母鬼馬二、渡辺典子ほか。配役の
イメージは原作と少々違う感じだが、その掛け合いは実に軽妙で
面白く、なかなかにハマっていたと思う。なお、本作はジョニー、
石井、住田、丹古母の同メンツによる続編が、第3弾まで続いた。

・銀玉命!銀次郎2(1993)⇒青山美恵子、中島宏海、渡辺典子など出演
・銀玉命!銀次郎3「パチプロ東北戦争」(1994) ⇒(故)可愛かずみ出演




90年代といえば、パチンコ、パチスロの漫画を原作としたVシネマ作品が、
レンタルビデオ屋の台頭などもあって、大きな流行りとなっていた。同じ
堂上まさ志原作の「銀玉マサやん」シリーズも、たけし軍団のダンカンが
主演で数回映像化された)。また、漫画原作の他にも、間部洋一原作の
「パチンコ物語」シリーズなどは、90年代・定番パチンコ作品の一つと
いえた。かくいう私も、当時は地元のビデオ店に通い詰めて、パチンコ
モノコーナーにズラッと(店によってはチョロッと)並ぶ各タイトルを、
頻繁に借りたものである。個人的には、テレ東の映画番組で初めて存在を
知って大ファンとなった「パチンコ・グラフィティ」(1992年、主演:
布川敏和)を借りた回数が、もっとも多かったと記憶(パチンコモノで)。


因みに、思い出深いレンタルビデオ屋というと、そのパチンコモノの
作品が案外充実していた、小田急・百合ヶ丘駅の「ビデオキッズ」
いう店が真っ先に思い出される。本作や件のパチンコ・グラフィティ
共に、ここでよく借りた。すぐ近くには「パーラー百合ヶ丘」という
パチ屋(現・スロットユアーズ)もあったので、勝負終りにビデオを
借りてから帰る機会も多かった。当時、このビデオ屋に隣接する形で、
小さなコインランドリーとラーメン屋も入っていた。ビデオキッズは
既に閉店。再開発された跡地には、現在コンビニとマンションが建つ。



ビデオキッズの会員証は紛失した模様。代わりに、以前貰ったまま残っていた
レンタル補助券をアップ。ここは、アダルト作品も充実していたな。そういや、
隣の読売ランド前にも、やや離れた所(多摩区菅馬場)に「オリオン」という
デカいビデオ屋が存在。2Fが充実したAVの品揃えだった。現在は、「GEO」
に変わっている。(当時、ランド駅前にはパチンコチェーンでもお馴染みの
「日の丸」というビデオ屋もあったのだが、何故かあまり利用しなかった…)





~あらすじ~

自称・パチプロ銀次郎(ジョニー大倉)は、天下に名だたる風来坊。
新装開店の恩恵にあずかりに、ノムさん(石井愃一)、先生(住田隆)を
従え、今日も銀玉を弾く。新装荒らしの糞蠅・大河原一家を叩き潰した
銀次郎相手に、出玉勝負を仕掛けてきた奴がいた。浜崎優子(渡辺典子)
通称スターダストのお銀!パチプロ殺しのお銀と銀次郎が幻のクギ師・
大門の台で一騎討。そんな矢先、ノムさんが息子の手術代欲しさに自殺を
図った。心臓を患う息子の手術代、300万円!あぶく銭でその日暮らしの
銀次郎や先生に貯えなどある訳がない。しかし人の命の為、毛嫌いしていた
新装荒らしを開始する。次々と777を出し、ドル箱を重ねてゆく3人だが…。
(ビデオパッケージより)



~主なキャスト~

・銀次郎(ジョニー大倉)
パチンコを心から愛する、自称パチプロ(世間的にはプータロー)。
人情深く仁義にも厚い。地元店の「ピノキオ」のみをネジロとする
ジグマスタイルを貫き、ノムさん、先生といった顔なじみの常連と、
連日銀玉を弾いてはアツくなっている。店のみならず、台に対する
拘りも強く、己が出ると信じた一台に座ったら、テコでも動かない
粘りが持ち味。大負けからの逆転も得意。だが、ある時、ツレの
ノムさんの息子の手術費を稼ぐ為、慣れない新装開店回りを決行。
ガンガン稼ぎまくる。大雑把な面も目立つが、打ち止めする度に、
自宅の貯金箱に100円づつを貯めるという、こまめな性格も持つ。
(これは原作にも出てきた)

・ノムさん(石井愃一)
元サラリーマンだが、リストラで女房子供にも逃げられた。不況で
再就職もままならず、大好きなパチンコで何とか凌いでいる。そんな
苦境にもめげず、家族には毎月の生活費を渡している。パチンコ愛は
銀次郎に負けないものがあって、節操なく稼ぎ回る開店プロが大嫌い。
特に、常連を騙して台を奪い取る輩を、「糞蠅(クソバエ)」と呼び
心から軽蔑する。離れて暮らす息子(小学生)は、心臓疾患を持つ。


・先生(住田隆(ビシバシステム))
売れないエロ漫画家。パチ好きだが腕はイマイチ。家賃が払えなくなり、
安アパートに引っ越してきた。そのアパートに長年住む「主(ヌシ)」が
銀次郎だった。引っ越し当初は負けが込んでいて「パチンコをヤメる」と
決意していたが、銀次郎が新装開店の情報を吹き込んだ途端、あっさり
その禁を破る。性格は温厚でお人よし。行きつけのスナックのホステス、
ナオミに好意を寄せる。


・マムシの源三(丹古母鬼馬二)
銀次郎の宿命のライバル。一応ジグマプロだが、他人がさんざん金を
突っ込んだ後のハイエナが大の得意。ハマっている客の元に行っては、
「この台は出ないから、もうヤメた方がいい」とうそぶいて、先客を
どかして後釜にちゃっかり座る。銀次郎と狙い台がカブることも多い。
(狙いの222番台の爆裂を狙って、互いに駆け引きしながら取り合う)
上皿にライターを投げ入れて台を確保するのが得意な銀次郎に対して、
足を引っかけて、相手を転倒させて横取りするのが巧い、姑息な源三。
実に対照的な二人だが、どこか似た者同士の「戦友」的雰囲気も漂う。


・大河原一家(中山一也、中山正幻、天田益男)
稼げる店あらば、どこへでもすっ飛んでいく開店回りのプロ集団。だが、
その手口は誠に汚い。入店後、良い台を確保した先客に「台の指定券は
あるのか」と因縁をつけて強引にどかしたり、ドル箱を積んだ常連客に
「この店は2箱出したら交換だ」と大嘘を言って無理やり台を奪ったり
している。その卑怯なやり口をノムさんに「糞蠅」と罵られて逆上。
表に連れ出して三人でボコボコにする(これも原作にある話)。なお、
中山正幻氏は後に制作されたパチンコVシネマ、「田山幸憲のパチプロ
日記」(1997年、主演:斉木しげる)にも出演。田山氏の高校の後輩、
本田(巨漢)の役を好演している。


・浜崎優子(渡辺典子、特別出演)
パチプロ殺しの異名をとる、女流パチプロ。通称「スターダストのお銀」。
その絶対的な腕前で、多くのプロ達から恐れられている。類まれな美貌の
持ち主でもあり、どの店に行っても男性客の注目の的。赤い派手なスーツを
纏い、4号機「イブ(イヴ)X」の「原型」かと思わせるような大きな帽子を
被り、シマ通路をファッションショーのステージよろしく華麗に歩く。その
彼女は以前、看護師をしている時分に銀次郎と恋仲にあったが、三角関係の
もつれからライバルの男に刺されかけて、逆に彼女の方が男を刺してしまう。
銀次郎は、そんな優子の身代わりとなるべく、罪をかぶって服役。そのまま、
彼女の前から姿を消した。諦めきれない優子は彼を探し出そうと全国各地の
ホールを回り、いつしか凄腕の女流プロとなっていた。遂に「ピノキオ」で
彼を見つけた優子は、自分との復縁を賭けて銀玉勝負を行う。改めてみると、
渡辺典子の美貌とスタイルの良さに感動すら覚える。その足の細さたるや…。

(本作の渡辺は、このイメージ。因みに、本作の方がイブXより先)


・ママ(小川美那子)
銀次郎ら行きつけのスナック、「リバーサイド」の美人ママ。男気溢れる
銀次郎に惚れており、「部屋の模様替え」を口実に自宅へと誘う。かつて、
ピンク映画などで名を馳せた小川のセクシーシーンが拝めて嬉しい限り。


・ナオミ(丘咲ひとみ)
「リバーサイド」のホステス。パチプー状態の銀次郎やノムさんと違って、
地味でも漫画で生計を立てている「先生」に好感を抱く(確か、原作では
漫画家稼業はサッパリで、ほぼパチプー状態だった記憶もある)。趣味は
バイクに乗ること。昔の彼もバイク乗りだったが、その彼と先生は面影が
どこか似ていると感じている。AV界からタレントに転身した丘咲ひとみが、
高い演技力を披露。無論、お決まりのベッドシーンもある。


・門田(坂本長利、特別出演)
「幻の釘師、伝説の釘師」と呼ばれるパチンコ界の重鎮。通称「大門」。
銀次郎行きつけの食堂で偶然出会ったのをきっかけに、銀次郎と懇意に
なる。スターダストのお銀とも顔なじみで、二人の銀玉勝負の立合人を
引き受ける。


~その他の出演~

・西田静志郎(引っ越し業者、トラックドライバー)
・大島蓉子(「ピノキオ」常連。恰幅のよい厚化粧な女性)
・大城戸千春(小役)(ノムさんの子供、オサム)
・竜咲隼人
・坂川和久
・永田幸也
・和田譲太
・加藤えり
・米津透
・内木場金光
・丹波道場
・クロキプロ
・RAJプロモーション



~スタッフ~

・監督:南部英夫
・製作:酒井俊博、夏山静香
・企画:伊藤秀裕、末吉博彦
・プロデューサー:内田貴夫、小野文彦、吉田晴彦
・原作:堂上まさ志(白夜書房「銀玉命!銀次郎」より)
・脚本:国見岳志、伊藤秀裕
・撮影:満井坦彦
・照明:竹前和弘
・録音:土屋和之
・美術:島村博
・編集:福田憲二
・記録:岡田真理
・スタイリスト:小野今朝義
・メイク:井上多貴子
・助監督:谷口和彦
・製作担当:小宮慎二
・監督助手:中島雄一、滝本智行
・撮影助手:岩松茂、岡崎文保
・照明助手:田渕信之、堀直之、浅子智
・録音助手:森下礼司、熊迫恭一
・スタイリスト助手:池田謡子
・スチール:奥川彰
・製作主任:大沢忠生
・製作進行:萬俵雄一
・プロデューサー補:夏山昌一郎、添田克敏
・整音:山本逸美
・選曲:中田裕章
・効果:脇坂孝行
・ネガ編集:大橋まさみ(神谷編集室)
・VTR編集:石川高史
・現像:東京現像所
・車輛:ランナーズ
・制作:エクセレントフィルム
・制作協力:映広



~衣装協力~

・Bigアイ
・Reporter



~撮影協力~

・Myピノキオ(メインロケ地のパチ屋。埼玉県内のチェーン。どの店舗かは検証中)
・八重洲センター(JR東京駅、八重洲口のパチ屋。現・ピースタシオン。銀次郎と
スターダストのお銀が出玉対決を行うホール)
・パチンコマツヤ(中目黒) ※銀次郎が仲間と開店回りをする場面のロケ地。
同じ中目黒の「ボタン」「日の丸」などのネオン看板も、一瞬だが映っている。
・株式会社SANKYO(ピノキオ店内のシーンで「FパワフルIII」「FキングII」使用)
・株式会社西陣(銀次郎とお銀の対決シーンで「花鳥風月」使用)
・株式会社ニューギン(同じく両者の対決シーンで「スターマイン3」使用)
・NEC
・株式会社ココナッツ・ジャパン(冒頭、引っ越しトラックの運転席のシーンで、
先生が同社のパチンコゲーム(恐らく「パチ夫くん」シリーズ)を遊んでいる)
・MEGA DRAWING
・Atelier Osaku

※その他、銀次郎らの開店回りシーンで、平和「舞羅望烈火」
「麻雀物語」、豊丸の「ピカイチ天国」、大一の爆裂権利モノ
「ダイナマイト」の実戦映像が出てくる。また、住田隆演じる
「先生」が引っ越しでアパート自室に持ち込む台として、平和
「ブラボーキングダム」の姿も。当時の人気機種が随所に映り
込んでいて、自然と懐かしさがこみ上げる。






(「銀玉命!銀次郎」(1993年、Vシネマ)の項、了)