まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

CRビッグソロッター2(大一・デジパチ)

2011-09-20 06:17:11 | CRデジパチ

1994年(平成6年)に大一商会から登場したCRデジパチ「CRビッグソロッター2」。


この機種について触れる前に、その前年(1993年)に起きた、パチンコ業界を揺るがす一つの大きな事件について書いておきたい。


俗に「ダービー物語事件」といわれるものである。


ダービー物語は、平和の人気デジパチとして一世を風靡したが、実はこの台には連チャンを誘発する違法プログラムが書き込まれていたことで知られている。


大当り中、Vゾーンに連続5個以上入賞すると内部乱数の書き換えが行われ、保留玉でのダブル・トリプル(或いはそれ以上)が発生するというものであったが、そのためにはVゾーン上の誘導釘をかなり極端に調整する必要があった。


このような台の構造を利用した意図的な連チャンプログラムが、メーカーによって仕組まれたものと当局に判断され、現役のメーカー社員が逮捕されるという衝撃的な事件へと発展した。この事件をきっかけに保留連チャン機に対する当局の取締りが強化されるようになり、最終的には「社会的不適合機」として多くの連チャン機がホールから外されることとなる。


一説には、この事件がCR機の導入を進めようとする天下り団体とK察との癒着によって企てられた「見せしめ」ではないかともいわれたが、その真相は分からない。ともかく、このダービー事件が発端となり、業界では現金機からCR機への移行が一気に進められていった。


前置きが長くなったが・・・今回紹介するCRビッグソロッター2は、こうした業界における急速な流れの変化の中で登場した台ということである。


大当り確率は最高設定1で1/400、設定2では1/425、最低の設定3では1/450という「超激辛確率」の台として知られた。現在のスペックからするとそれほど大騒ぎするほどでもないと思われるが、当時の保留玉連チャン機などの確率と比較すれば、相当キツい数字であることが分かる。


ドデカいデジタルには0~9の数字、BAR、王冠、ダブルBAR、$、チェリーの全15絵柄が配され、その内「3・5・7・王冠・$」の5絵柄で当たると以後2回の確率変動に突入するという、いわゆる「2回ループ」といわれるスペックであった。


「ともかく当たらない」・・・何といっても、この台に対する最大の印象がこれであろう。釘自体はそこそこ(というか、かなり)回りの良い台が多かったと記憶するが、いかんせん上記のような激シブスペックが災いして、大当りを引くこと自体が非常に難しい台だった。


当時、新宿・歌舞伎町の日拓3号店(西武新宿駅そば、割烹料理「勇駒」並びの店=日拓はタワー店に。割烹・勇駒は閉店…)の地下でこの台をよく打っていたが、まあいつも当りをかけるのに苦労していた…という記憶が残る。「高価交換」ということで釘も若干渋めであったが(もはやどうしょうもないヒドイ条件であるが・・・)、単発すら引けぬまま高額のパッキーカードを何枚も突っ込む、ということが多々あった。


そんな中、たまにかかるスーパーリーチ(それ程信頼度は高くなかったはずだが・・・)から確変を引き当てた時は、まるで天下を取ったかのような高揚した気分になったものだ。ワンセットで終われば、たかだか7000発弱の出玉にしかならないのだが、「これからいったいどれだけ爆発するのだろう」という過度な期待感だけは、いつも持たせてくれた。


当時、テレビの地上波では定期的に「パチンコ特集番組」なるものが放映されており、あるときテレビ東京系の特番で「パチンコ必勝ガイド」誌のデータ取り&攻略部隊である「ショッカー」という人たちが取り上げられたことがある。そのリーダーとして登場したのが、現在でも有名なライターの「O崎一万発」という方であった。


彼らが上野の「PIA上野」という店に出向いて、ビッグソロッター2の実戦データ採取&攻略検証を行うシーンがあったのだが、あろうことかリーダーのO崎氏の台だけが一向に大当りせず、ドハマリしてしまう。途中、銀行に種銭を下ろしにいくという残念なシーンもあり、都合78000円の投資で一度も当たらずに終了、というなんとも恐ろしい結果になってしまった。あのO崎氏をもってしても、これほどの苦戦を強いられる難攻不落の台・・・それがこの「ビッグソロッター2」なのである。