まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

思い出のシマ(京楽、ダービー)

2016-07-24 19:07:20 | 思い出のパチンコ店



京楽「ダービー」 1990年(平成2年)登場 旧要件デジパチ
大当り確率1/225 ドットデジタル採用、おまけチャッカー付き


当時の地元だった、小田急線・読売ランド前駅そばのパチ屋
「パチンコランド」(現存)に通った時期、お世話になった。
(かの地を離れて、既に20年以上経つな…)

ここで本機を打ったのは、1990年春~翌91年夏の、1年少々。
90年4月の大学進学を機に、パチ道に入り込んだ私にすれば、
「パチが最も新鮮で面白い時期」に付き合っていた事になる。

人気の高い大ヒット機種で、都内、神奈川でも導入店は多かった。
それにしては、現在、本機についてのネット情報は意外に少なく、
「忘れ去られた名機」の感も多分にある。


件の「パチンコランド」は、初心者の頃から入り浸っていて、パチ・スロの
「イロハ」を学んだ思い出深い店だ。当時、足を踏み入れたホールの中でも、
思い入れの強さでいえば「ベスト3」に入る。

ハネモノの実戦が多かったが、ダービーや西陣「ファンキーセブン」、
マルホン「パールセブン」といったデジパチとも勝負した。さらに、
西陣の権利物「スーパーロボット」や、ニューギンの一発台「ベータ」も
ここで堪能。スロは、アラジンとビッグパルサー。コチラも打ち込んだ。
(いずれも、1990年当時の設置機種)

これらの中でも、とりわけ足繁く通ったのが、京楽ダービーのシマである。
(パールセブンは、大量出玉調整に加えて、例の「いぶし銀打法」発覚で
ヘソが露骨にシメてあって、腰を落ち着けて打てる雰囲気ではなかった)

この機種独特の「引力」に惹かれた事に加えて、シマに集まる客が
同じ面子で、どこか居心地の良い「アットホーム」な雰囲気だった。
その当時の状況について、ちょっと「日記風」に振り返ってみよう。



平成2年某月某日。
今日は、大学の講義のない日。夕方からバイトだが、それまでは遊べる。
朝から家を出ると、地元駅の唯一のパチ屋「パチンコランド」に直行。
ここ最近、ここで京楽のドットデジパチ「ダービー」にハマっている。

開店20分後に入店。お目当てのダービーのシマには、先客が何人かいる。
「ポッポロ、ポッポロ、ポッポロ」と、甲高いデジタル停止音がシマに響く。
ラジオの「試験電波放送」みたいだが、私はこの電子音が大好きなのだ。

カウンター側の右カドに陣取るのは、「フクちゃん」と呼ばれる太ったオヤジ。
庭職人との事だが、よく朝イチからダービーのシマに居る。今日も仕事は休みか。
シマ中央には、やはり常連の「ペーおばさん」。チリチリパーマで、お笑い芸人の
「林家ペー」ソックリな顔をしていて、愛想がよい。入口に近い方の左カドには、
コチラもシマでよく見かける、白ジャージのオッさん。俳優の左とん平に似ている。
朝のダービーのシマでは、こういった個性的な常連が、顔を並べてのんびり打っている。
シマの平均年齢が少々高いが、19歳(当時)の自分が入ると、一気に平均値が下がる。

ざっとシマを見歩いたが、空き台のヘソの大きさは、どれも大差ない気が。ならばと、
出玉が比較的多い、右から3番目の台を選択。この店は2.2円交換で、ほぼ1回交換
(「7」のみ無制限)。大当り時の出玉は、平均「2500~2600発」くらいだが、
このカド3は、おまけチャッカーの調整が良く、2900個くらい出る事もしばしば。
加えて、アタッカーの閉じた通常時でも、おまけに飛び込む事が度々ある。まぁ、
たまにくる「ボーナス」といった感じだが、投資の節約になるので有り難い。
(おまけも始動チャッカーなので、その分、デジタルの回りも良くなる)

座って打ち始めると、デジタルの回りはまあまあだ。1000円あたり35回くらい。
ただ、「1/225」のダービーの場合、「2.2円1回交換、2600個平均」の条件では、
43回以上ないとチャラにならない。普通はこのまま打っても、期待収支はマイナス。
ただ、このシマは、「7で当たれば無制限」なので、ボーダーラインはもっと下がる。
また、開店から1時間は、図柄不問で無制限となる「朝イチサービス」もやっている。
しかも、出玉の期待できる「右カド3」だから、この程度の回りでも勝負になるのだ。


しかし、コイツのデジタル音は気持ちいい。高速回転中は「ルールル、ルールル、
ルールル」と、遠くで鳴っているような、幻想的サウンド。そして、各デジタルが
停止する際の「ポッポロ」音。リーチになると、「リーチ!」という人工音声の後、
「トゥルルルル…」という甲高い音と共に、右デジが速度を落としてスクロールする。
当たる時も外れる時も、右デジは「ピタッ」と止まる。シンプルで潔いゲーム性が
好きだった。ドットにも味があって、どの図柄が揃っても嬉しかった。
連続回転中の「右デジ移行法則」(法則崩れで大当たり)もあったりして、
通常時も楽しめた。


(ダービーの大当り図柄は上記15通り。絵柄は蹄鉄、カップ、
大穴、$、馬の顔と、いずれも競馬に因んだデザインが特徴。)


そうそう、台を3分放置すると、馬が颯爽と走る「デモ画面」に切り替わるのも特徴。
ハマリ時、デモ画面にすれば当り易くなる「ボンカレー攻略法」なるネタも出回った。
(基本「ガセネタ」。但し、特定台のみに通じる「セットネタ」の噂も。この場合、
中・右デジタルをゾロ目にした状態で、3分放置でデモ画面にすると、以降は
連続回転させればリーチ確率が跳ね上がり、大当りし易くなるというもの。
真偽は不明…)





さて、右カド3だが、2000円目に「7」のリーチが かかる。「まぁ、ハズレだろうな…」と
期待せずデジタルをじっと見ていると、右デジがしばしスクロール後、7でピタッと止まる。
実にあっさりした大当り。すぐ年配の男性店員がやってきて、「おめでとうございます」と
一言発すると、頭上に札を刺した。




この店は、一回交換の図柄だと頭上に「白い札」、無制限なら「黒札」を刺すルール。
ダービーは、普段「7」のみ黒札となるが、開店後1時間なら、何で当たっても黒札だ。
そして、今は、そのサービスタイムの真っただ中。「7」でなくとも無制限となるから、
ちょっと「無駄引き」の感もあるが、ともかくも、嬉しい黒札の「ラッキースタート」。

  
  (1回交換の図柄なら、コチラの札)


  (無制限なら、コチラの札)


私は、このダービーで大当りした「瞬間」が好きだった。当たれば嬉しいのは当然だが、
本機独特の「流れ」を好んだ。図柄が揃った瞬間、ファンファーレと共に、画面一杯の
大きさだった当り図柄がフッと小さく切り替わり、図柄の下に「ヤッタネ、大当り」の
メッセージ出現。すかさず、女性の人工音声で「ラッキー大当り、ヤッタネ!」と祝福。
そして、大当り中は「カルメン」の軽快なメロディ(「がんばれ!ベアーズ」のテーマ)。
この一連の流れが、実に気持ち良かったのだ。

これは後日談だが、新要件期に入り、ここのダービーが外れて少々気落ちしていた時、
2駅隣、向ケ丘遊園駅近くの「第一銀座ホール」に、新要件版「ダービー3」が入った。
「やった。あのカルメンがまた聴ける」と喜んでいたが、いざ大当りすると、全く違う
オリジナルサウンドが流れた(ファンファーレも別の音)。あの時のガッカリ感と
いったら…。元祖ダービーの「名曲」を差し替えるとは、京楽もアレだな。
私が所有する唯一の実機がこの「ダービー3」だが、大当りしてBGMを聴くたびに
「カルメンだったら良かったのになぁ…」と思ってしまう。

まぁ、それはともかく。

大当りすると、右カドのフクちゃんが「あんちゃん、良かったな」と声をかけてくれた。
フクちゃんも早々に「黒札」を持っていて、機嫌がいい様子。これがハマっている時なら、
おっかない顔で台を睨んだまま、コチラを気遣う事もない。それでも、ハマリを抜けた時、
コチラが「やっと来ましたね」とねぎらえば、満面の笑みで返してくれる。判り易い人だ。

一方、シマ中央で打つ「ペーおばさん」を見ると、苦笑いで大当り中のこちらを見ている。
「ダメねぇ、こっちの台は…」といった表情。こういう時はコチラも苦笑いに付き合って、
「先に当てて、スミマセン」と恐縮気味の顔で返すのが、常連なりの「儀礼」である。

大当りを終えて、出玉をチェックすると、予想通り、2900個以上はありそうだ。この店の
デジパチのドル箱は、青い2500発サイズ(ハネモノは青い800個箱)。大当り後、全ての
出玉を箱に落としてモリモリ満タンなら、2700発くらいの勘定になる。で、現状を見るに、
ドル箱満タンで上皿タップリだから、3000個くらい。やはり、右カド3は出玉が多いのだ。
大当り中、できるだけオマケに流れるよう、ストロークに気を遣ったのも奏功したのだろう。

だが、その後はヒキが悪く、リーチはかかれどハズレのオンパレード。タップリあった玉も、
ジワリジワリ減り、とうとう残り150発ほどになった。既にタイムサービスは終わっている。
頭上には黒札が刺さっているが、飲まれてしまえば、高確率で店員が札を持ち去ってしまう。
この際は、僅かでも玉を残して追加投資した方が、札を取られる危険性も、多少は減るかな…。
そんな算段をしていた折、やっと「666」の大当り。命拾いした。右カドのフクちゃんは、
調子よくドル箱を積んでいる。機嫌がいいから、こちらの大当りを笑顔で喜んでくれる。
いつの間にか、ペーおばさんの姿はシマから消えていた。結構ハマって、ヤメていったな。

再び、ドル箱満タンに戻したが、やはり後が続かない。現金投資だと数珠連気味に当るのに、
持ち玉遊技時に限って調子が悪いのは、単なる偶然だろうか?と、オカルト思考にとらわれて
デジタルを回していたら、とうとう出玉が尽きてしまった。すかさず、店員が無制限札を
持ち去る。これで、この台を打ち続ける理由は無くなった。台移動を考える。

さっきまで「ペーおばさん」が打っていた台を見ると、結構ヘソが広い。粘っていたのも
うなずける。少なくとも自分の台よりは良く回りそう。という事で右カド3を捨てて移動。
打ち始めると、案の定ヘソにポンポン飛び込む。千円で40回以上。こちらで正解だろう。

多少苦労したが、5000円目の百円玉が尽きる前に「カップ・カップ・カップ」の大当り。
一回交換だが、当たれば嬉しいもの。カルメンの旋律に癒されつつ、箱に玉を落としていく。
フクちゃんは、一転ハマリに入っている様子。今度は、コチラを見てくれない。機嫌が悪い。

大当り終了後、ドル箱に玉を落とすと、モリモリ満タンにして全部入りきった。これだと、
2600個くらいか。まぁ、この店の平均だ。その箱を持って、景品カウンターへと向かう。
この店は、玉計数機(ジェット)が景品カウンターにしか無く、交換するたびにドル箱を
カウンターまで運ぶ必要がある。若い女性の店員から、ポリ袋に入った特殊景品の「香水」
(大・小)を受け取り、再び台に戻る。各台の頭上には、袋を引っ掛けておく「フック」が
付いていて、沢山大当りさせれば、フックに幾つも袋がかかる事になる。財布の中身が全て
なくなれば、その袋を持って店裏口の換金所に向かい、現金と交換してから「再戦」する。

この日は移動が功を奏して、ペーおばさんの台で計7回大当り。無制限は引けなかったが、
回りの良い台で、さほどハマらずに当て続けたので、トータル20000円近く浮いて終了。
カドのフクちゃんは、あれから出たり入ったりで出玉が伸びず、キレ気味に「ヤメた!」と
二箱くらい持って、帰ってしまった。朝から粘っていた、ジャージのオッちゃんもいない。
気づけば、周りに顔見知りの常連の姿は無く、ガタイのいいスポーツマン風の兄さんが、
スウェット姿で左カドを打っている。ひょっとすると、あれって巨人の二軍の選手か…?
(巨人の二軍寮が、店から少し離れたところにあって、たまに選手やコーチが来ていた)


気が付くと、バイトまで1時間。ここから電車で40分ほどかかるから、この辺でヤメないと
遅刻してしまう。よさげな台だが、ここで捨てるしかない。そういや、この間もアラジンで
待望のアラチャンを引いたが、途中でバイトの時間が来てしまい、隣のオッサンに、
アラチャン中の台を泣く泣く譲ったのだった。あの台、その後どうなったんだろう?


ともかくも、半日打っての勝利に気を良くして退店すると、そのまま小田急線の上り
各駅停車に乗り込み、都内のバイト先へ向かった。腹も減ったし、途中の立ち食いで
天玉そばでも食っていこう。資金も増えたし、バイト終りは歌舞伎町のスロ屋に寄り、
お気に入りの「センチュリー21」(瑞穂)で閉店まで勝負かな。今から楽しみだ。




(参考)

・本機の兄弟機「ダービー2」(旧要件機)

1990年登場。大当り確率は「1/230」と本機よりやや低いが、
その分、アタッカー開放時間が長くなった為、出玉は多め。
もちろん、おまけチャッカーの調整で、幾らでも変わる。
1500発~3000発オーバーと多様。上野へのプチ遠征時、
ガード脇の「東京会館」(閉店)地下で打ったのがコチラ。
無制限仕様の為、出玉が2000発弱しか出ないのには驚いた。
コチラも、「連続回転中の右デジ移行法則」アリ。本機が
「前回右出目プラス4~6コマ」の移行性だったのに対して、
ダービー2の場合、「マイナス1~2コマ」の動きとなる。



・本機の後継機「ダービー3」(新要件機)

1991年登場。大当り確率は1/215。継続ラウンドが10Rから16Rに増えたが、
おまけチャッカーが廃止された為、大当り出玉は約2300個と画一的になった。
先述の通り、大当り中のサウンドが、ダービーやダービー2とは、全く異なる。
但し、大当り図柄やデモ画面、デジタルアクションは共通。コチラも
右デジに移行法則があり、本機同様「前回右出目プラス4~6コマ」で動く。
(リーチ中、「法則崩れ」を察した瞬間、大当りが判る)



3 コメント

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初めて (たけ)
2016-07-26 11:44:26
ダービー、懐かしいです。デジパチで初めて大当たりしたのがダービーでした。動画でBGMを聴いて思い出しました。
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Unknown (クリクリ)
2016-07-27 05:20:31
ダービー2は私がデジパチを打ち始めた頃に多く設置されていた機種なのですが、私はなぜか同じ京楽で同じデジタルを使ったニコチャン倶楽部2号店の方を好んで打っていました。リーチアクション等はダービーと同じだったと記憶しています。アタッカーはダービーと違い真ん中からパカッと開くタイプでした。
このサイズのドットデジタルは京楽のシンボルだと個人的には思っています。
同様のデジタルを利用した機種は当ブログで紹介してらっしゃるまさむら「エクサム」がありますが自分は打った事はありますがほとんど記憶に残っていません。また新要件になってから連チャン機全盛の1993年頃にスマイリー2というノーマル機(最終停止デジタルのみにあるニコチャン図柄がオールマイティー図柄だったと思います。)がありましたが連チャン機全盛時代のためほとんど設置がなく自分は打った事がありません。
話は戻りますがこのデジタルを見ると、確率に対する正しい知識もなく、様々な機種を闇雲に打ち廻った高◯生の頃を懐かしく思い出します。
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大当たりのサウンドが良かった (ビスカスコウジ)
2016-07-28 22:12:40
確率とか回転数とか全く理解してない時よく打ちました。千葉の市川本八幡駅南口のボンで打った記憶あります クラッシクの音楽のなんとも言えないサウンドは20年以上過ぎてもよみがえりますねー。16ラウンドの新基準が出てきても設置されていたところをみると人気がありましたね。ブログいつも楽しく拝見してます これからもよろしくです。
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