1990年(平成2年)に登場した平和の旧要件ハネモノ「たぬき丼」
★賞球:オール13
★最大8ラウンド継続
★「たぬき丼」というと、中に狸の肉が入った丼物、というイメージだが、ヤクモノのドンブリの中身を見ると、天かす、カマボコ、ホウレンソウなどが見える。たぬきそばの具を、丼物にアレンジした感じだ。
★本機の後続機「まねき猫」(平和)は、貯留システムなどがたぬき丼にソックリだった為、平和の社員達が「まねき丼」と呼んでいたらしい。まぁ、どうでもいい情報ではあるが。
何といっても、ヤクモノのタヌキが最大の特徴。通常時、とぼけた表情のタヌキは「タヌキ食堂」と書かれたノレンの奥に隠れており、V入賞でノレンが開くと、手前にせり出してくる。ただ、初当りはキツ目という印象が強い。
タヌキが抱える大きなドンブリは、普段は中身をこちらに向けて斜めに傾いている。大当りになると、ドンブリが画像のように持ち上がり、玉を3個まで貯留出来る。当然、貯留が多い方が継続率は高い。
ハズレ玉3カウントで上段のノレンが半開き状態になり、下のドンブリに貯留されやすくなる。ハズレ5カウントで貯留は解除、手前のVゾーンに向けて玉をぶちまける。
ただし、このドンブリがクセモノで、デキの悪い台では貯留解除後にVを外しまくった。
このドンブリ、プラスチック部品を左右から継ぎ合わせたモノだった。その為、製造工程で繋ぎ目がずれていたりすると、貯留解除した玉が左右にバラつき、中央のVを外し易い「クセ悪台」になるのだ。タヌキの見た目の愛らしさに油断すると、痛い目に…。
BGMもコミカルで、大当り中は「タンタンタヌキの〇玉は~」という、ビッ〇カメラでお馴染みのメロディが流れた。
初打ちは1990年夏、JR大宮駅そばのホール(西口「ことぶき」)。大学1年の夏休み、青森帰りに大宮駅でフラリと下車、近くのパチ屋に入るとコイツがズラリと並んでいた。
座った台の鳴きが良いので追いかけるが、なかなかVに入らず。たまにV入賞しても、速攻でパンク。まさに、最悪の「クセ悪台」に捕まった格好で、ズルズルと8000円負けてしまう。
当時の8000円負けは痛く、忸怩(じくじ)たる思いで大宮を後にした記憶が残る。ただ、この敗戦で、「ハネモノでの過剰投資は禁物」との教訓を得た。ハネモノ勝負の厳しさを教えてくれた一台でもある。