老中の市井日記

理想を失うことなく老いの中を楽しみながら、日々発見、日々刺激、日々出会いを大切にしていきたいと思っています

キャッシュレス社会の展望

2007-05-30 10:45:08 | 会社時代
前回の記事で本棚から引っ張り出した本「キャッシュレス社会」の横に
「キャッシュレス社会の展望」がありました。

「キャッシュレス社会の展望」は、1973年に立石電機(現オムロン)
と京都のシンクタンクのCDI(COMMUNICATION DESIGN INSTITUTE)が
共同で「キャッシュレス・ソサエティー研究会」のプロジェクトの調査
した「調査報告書」です。

CDIは、京都の文化人類学者を中心に、SF作家・小松左京、
建築評論家・川添登氏ら各分野の多彩な専門家によって、活動している
一種のシンクタンクです。

まだ入社3年目の新人時代ですので、そのときのプロジェクトメンバーに
圧倒されました。今でも圧倒されますが。

CDI側のプロジェクトメンバー(当時の肩書き、敬称略)
小松左京(SF作家 CDI側チームリーダー)
石毛直道(甲南大学助教授)
加藤秀俊(ハワイ大学教授)
川添 登(建築評論家 CDI所長)
菊竹清訓(建築評論家)
栄久庵憲司(日本インダストリーデザイナー協会理事長)
ジュディス・メリル(SF作家)
野口瑠璃(デザイナー)
林 雄二郎(東工大教授 未来工学研究所所長)
森 政弘(東工大教授)
米山俊直(京都大学助教授)
三上 正(CDIマネージャー)他事務局

一方、立石電機(現オムロン)側のメンバーは、立石義雄取締役を
チームリーダーに、情報システム事業部の商品計画部を中心とした
面々でした。

実務担当者は、Nさん(後に常務取締役)Mさん(後に英国駐在)
Yさん(現CSR部長)そして私の4人でした。

それにしても、システムの技術屋や銀行家が一人もいないのが
特徴でした。ま、その方がかえって非常に率直な人間的な立場から
纏まっています。

創業者が社長として巻頭文を寄せられています。

内容の方は、35年前の調査に基づいていますので、現時点で見ますと
そうなっている部分と、少し違った部分があります。

1.そうなっている部分
・給料振込システムや口座振替システムを盛り込んだ現金信用振替システム
 この研究会ではECLS(ELECTRONIC CASHLESS SYSTEM)と呼ぶ。
・上記振替システムにおける事後の確認システム
2.少し違った部分
・言外の言、暗黙の了解のカード
→単にカードをチラッと見せるだけを言えばスイカなどのICカードで実現
・コミュニティーカード(ツケの優越感をイメージ)
→ポイントカード?

この「キャッシュレス・ソサエティー研究会」の進行中に発刊された、
小松左京氏の「日本沈没」はミリオンセラーとなりました。
サイン入り「日本沈没」はどこかへ行っちゃった。

思い出深い本ですが、当時販促資料として多数印刷し、銀行さんにばら撒き
今は手元のこれ1冊しかありません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。