操縦法

目を覚ましているのに、
なかなか起きようとしない感謝くん。
対して、
わざと聞こえるような声で
せんた君に話し掛けるろば太。

ろば太
「感謝くん、ぐっすり眠ってるね。
　でも、一人でお利口に起きて、
　すぐ１階に降りてお着替えもして、
　ご飯茶碗も自分で運んだらどうする？
　びっくりしちゃうね。」

せんた君
「そうね。
　ぜんぜん今は聞こえないで眠っているけど、
　パッと起き上がって、
　お行儀よくご飯食べ始めたりしたら、
　おかさんも驚いちゃうわ。」

薄目を開けている感謝くんの顔を覗き込んだ後、
１階に降りて食卓に座る３人。

やがて、、、
着替えを終え、
ご飯茶碗を持った感謝くんが登場。

ろば太
「うわっ、びっくりした。
　寝てたと思ったのに。
　お利口だねえ。」

せんた君
「ほんと、驚いて、
　お味噌汁こぼしちゃった。
　ずーっと寝てていいのにぃー。」

めん・たい子
「感謝くん？
　おとさんとおかさんの話、
　聞いてたんでしょ？」

感謝くん
「ん？何のこと？
　寝てたから分かんないよ。
　へへへ、びっくりしたでしょ？
　すぐに起きてお着替えしたんだ。」

ろば太
「ああ、驚いた。ははは。」

せんた君
「ほんと、全然わかんなかった。
　うふふふ。」

次の朝、、、。
またまた、起き上がろうとしない感謝くん。

ろば太
「今日も寝てるのか。
　でも、起き上がっておトイレに一人で行って、
　ニコニコとご飯食べたら、
　おとさんビックリして、
　焼魚、コーヒーに落っことしちゃうかもねえ。」

せんた君
「そうね、眠っているから聞こえないと思うけど、
　お利口に起きて、
　・・・
　おトイレの掃除して、
　ゴミ捨てに行って、
　お隣に回覧板もって行って、
　えーと、次いでにお風呂も洗ったりなんかしたら、
　おかさん、味噌汁３杯飲んじゃうと思うわ。」

ろば太
「・・・
　せんた君はきっと、
　凧揚げで、
　糸が切れても気づかないんだろうね。」