サザンカの宿

登場人物:ろば太(夫)、せんた君(妻、趣味「洗濯」)、感謝くん(双子娘A、癇癪持ち)、めん・たい子(双子娘B、食欲旺盛)

結婚して良かったことと結婚するまでしていたこと

2005年10月08日 | 子育て進行形

台所でせんた君が手招きをしている。
こういう時は用心しなければならない。

先日は、
「ろば太さんのシュークリーム、
 残しておいたから。」
とニコニコしながら冷蔵庫を指差すので、
食後のデザートにと楽しみにしていたら、
中にわざわざマシュマロを詰めて、
丸く膨らませた油揚げだった、、、。

ろば太
「なーに?
 もう、だまされないよ。」

せんた君
「まだ気にしてんの、この前のこと?
 コージーコーナーのシュークリームの袋に入れておいたから、
 ぜんぜん分からなかったでしょ?
 わざわざケーキ皿に載せて、
 コーヒーまでいれたのにね?
 ふふふ。
 あ、今日のは、違うのよ。
 これ、チョーヤ梅酒の梅を食べようと思ったんだけど、
 フタがあかないのよ。
 お願い、力あるでしょ?」

ろば太
「なんだ、そんなことか。」

といって軽くあけようと思ったが、
フタが回らない。
どうやら、梅酒の糖分が絡み付いてしまったらしい。

ろば太
「あ、あれ?
 駄目だね?」

せんた君
「やっぱり、ろばちゃんじゃ無理かな?」

ろば太、フタを濡れタオルで覆ったあと、
すべり止めマットを瓶に巻きつけ、
太ももの間に挟んで、
渾身の力でフタをまわす。

せんた君
「あ、あいた!
 良かった。
 ・・・
 やっぱり結婚してよかった。」

ろば太
「何だい、ハアハア、
 これくらいのことで、フーフー、
 大げさだ、ゴホッゴホッ、なあ。」

ろば太、さり気なく汗を拭い、
奥歯の銀歯が見えない程度に口をあけて、
快活なスポーツマン風の表情を作る。

せんた君
「だって、独身の時は、
 フタがあかないと、
 ビンを割って食べてたんだもの。
 ・・・
 ガラスが飛び散らないから、
 こっちの方が安心だわ。
 あーおいしい。
 あ、ごめん、
 全部食べちゃった。」