TRUMP

トランプ氏が
公職に就いたことがない人で初めて
アメリカ大統領に当選した。

英語でtrumpは
『(誰かを)負かす、勝つ、切り札』
と言う意味。奇しくもその名の通りに。

アメリカに住んでいる友人たちは
多くが彼に投票していて
なんとなく風向きはつかんでいたけれど
ここまでとは驚き。

近著に「大統領の演説」がある
大統領選ウオッチャー、
タレントのパックンこと
パトリック・ハーラン氏のコメントが
私にはとても分かりやすかったので引用↓

『勝因は、結果的には
彼のすばらしい戦術だった「泥仕合」。
アウトサイダーの彼がひどいことを言うたび
既成政治の汚さのイメージが増していき
彼が訴える既成政治からの
脱出の支持拡大につながった。

　トランプはボタンを押すと世論が爆発する
「ホットボタンイシュー」を突いた。
中絶反対、銃規制反対、自由貿易反対と訴え
そうだと共感した人が３％でも５％でも
その人口分は票が動いた。

　あとは、言いたくはないけれど
米国ではまだまだ差別主義が多い。
トランプを支持した人は白人が断トツに多い。
移民反対とまで言わずとも自分の周囲を見回し
自分の国が変わったと思っている人は多い。
ヒラリーなら女性初の大統領だったが
米国の「ガラスの天井」はまだまだ
健在ということだ。

　今後の日米関係について言えば、
ほとんど変わらないと思います。
米軍駐留経費の負担見直しは、まずできない。
日本車の関税の大幅引き上げだって、
今は日本車が何百万台も輸入されていた
８０年代の状況とは違うよ、と誰かが
トランプに教えてあげるでしょう。
選挙中は感情に訴えることを言っていたが
実現性は低い。

危ぶまれるのは日米関係より国際社会の中での
リーダーシップが足りないということ。
権力の空白ができ、ロシアのプーチン氏、
中国の習近平氏が力を伸ばすだろうが
それを彼は止めないだろう。
ＮＡＴＯ、ＡＰＥＣ、ＯＰＥＣ、国連など
国際社会との関係に不安が広がり
間接的な影響は日本にも及ぶでしょう。』

世論はいろいろあるけれど
日本と違って政府にパワーオブバランスが
存在するアメリカ。独断は通らないため
選挙活動時とはだいぶ趣が変わってくるはず。