ゆっくり電車は出発した。
優子は笑顔で大きく手を振っている。
ゆ「またねー!北海道で待ってるよー!」
ま「絶対行くからねー!!」
て「またなー!」
だんだん早くなっていく電車。
あたしと先輩は、追っかけて走った。
優子は笑ってたけど、時々手で涙を拭っている。
ホームのぎりぎりまで追いかけて追いかけて、もう優子の姿が見えなくなった。
ま「行っちゃった・・・」
て「おう・・・」
て「帰ろうか。」
ま「はい・・・」
優子がこの町に来たのは春の初めだった。
いろいろな出来事があって大変だったけど、そのおかげであたしは強くなれた。
ありがとう、優子。
あれから二ヶ月がたち、今日もあの場所で先輩とお弁当を食べる。
今でもそこは、春のように心地よい風がふく。
春と共に去っていった優子はまるで、春風のようだった・・・
おわり