ハワイ島旅行記 Day5

2013年05月11日 | 帰国後の生活
この日の予定は北回りでハワイ島もう一つの街、ヒロへとなりました。ハワイ島は真ん中にマウナケアとマウナロアという巨大な山があるので、基本的には山裾をぐるっと回って行かなくてはなりません。マウナケアとマウナロアの真ん中を通っているのがサドルロードですが、こちらは道も悪く殆どのレンタカー会社では保険適用外となっているそうです。南回りは既に行ってきたので、今度は北回りと言うことになりました。ヒロの町にはおしゃれなアロハショップやロコモコ発祥のカフェなどあるので、ゆっくり街を見ようと思っていたら、この日は日曜日。ヒロのショップは大抵日曜はお休みなのです。と言うことで、お店廻りは断念して、チェーンオブクレーターズロードの終点から見た水蒸気を間近で見られる場所、カラパナまで足を伸ばすことにしました。

まずはコナの街から内陸に入る国道を通ってワイメアタウンを目指します。ワイメアタウンにはパーカーランチという広大な牧場のショップがあるのですが、ワイメアタウンに気を取られているうちにうっかり通過してしまいました(笑)。戻るまでもないので、隣町のホノカアにあるドライブインで休憩することにしました。

ホノカアは日本の映画「ホノカア・ボーイ」の舞台になった小さな街です。ダウンタウンはまるでタイムスリップしたかのような、小さなアメリカの街のようでした。その街に入る前の高台に、「テックス・ドライブイン」はあります。ガイドブックによるとここの名物はハワイアンドーナツ「マラサダ」で、キッチン横ではガラス張りの作業場が見られるのですが、日曜のせいか作業はありませんでした。お茶だけの予定だったのですが、メニューを見ていたらなんとなくお腹が空いてきた…。3人とも同意見だったので、まだ10時過ぎですがここでランチとなりました。私は定番のノーマルのハンバーガーとコナコーヒー。少し時間がかかりましたが出来上がったバーガーは予想外に美味しかったです。後で調べると、ここも地産地消、ハワイのビーフや野菜を使っているとのこと。観光バスの客が大勢いましたが、地元のお客さんも多く賑わっていました。

食事を終えて、折角なので海沿いを北に向かいワイピオ渓谷展望台に寄り道します。道路はここで終わり。この先は深い渓谷が続いているのです。渓谷の下へ行くには歩きか四駆の車が必要ですが、ツアー会社によるシャトルバスも出ています。ですがこの日は日曜でお休み。何故日曜休み?と思いきや、地元の車で駐車場は一杯でした。日曜くらいは地元の方に便宜を図っているのかもしれません。眼下の海岸はとても綺麗で、よーく目を凝らすとサーファーが大勢浮いているのが見えました。10分ほど下ってみたのですがとにかく坂道が急で、これは普通車では絶対無理、とよく分かりました。

ところでコナの海岸でも、津波注意の標識をたくさん見かけました。実際チリ地震や東日本大震災時の津波がハワイにも及んだそうで、かの3月11日の津波ではコナの海岸に近いホテルなどでも被害があったそうです。看板は海側と山側で色も内容も微妙に違っていました。写真を見比べてみてくださいね。

パワースポットと名高いワイピオ渓谷を後に、一路ヒロの町を目指します。ここからは海沿いの道を快適にドライブ、時折ビュースポットがあるので休憩しつつ、お昼頃にはヒロの町に到着しました。折角なのでどこか日曜でも寄れるところ、と探し当てたのが「ショートン・スイート・ベーカリーカフェ」でした。分かりづらい場所にありあれこれ迷ったあげくなんとか到着。店頭であれこれ選んでいると、隣にいたハワイアンに「おいしい、ちょっと高い」と日本語で話しかけられました。ヒロの町も日本からの移民が多く、片言で話せる方も多いそうで、多分この方も日系だったのかもしれません。彼は注文していたケーキを手に帰って行きました。

私たちはショーケース前であれこれ迷った結果、ステラさんはチーズケーキを、私はソルトキャラメルカップケーキを選びました。飲み物はグアバレモネードです。外のテラスで食べたのですが、このチーズケーキ、濃厚で美味しいんですが殺人的な甘さです(笑)。カップケーキはキャラメルクリームが甘いものの、小ぶりなのもあって美味しくいただけました。ステラさん、お手伝いできなくてごめんなさいです。

一休みして、いよいよカラパナを目指します。ヒロの町を抜けて車で30分ほどということでしたが、ガイドブックにもあまり情報がありません。キラウエアの火山活動はここ数年すこし落ち着いていたらしいのですが、半年ほど前から活発になり溶岩の落ちる様が海から見られるようになったそうで、船に乗って溶岩を見るツアーは数年ぶりに復活したと聞きました。ちなみに今流行っているのはヘリツアーとのこと、ワイコロアを出発してこの日に回ったワイメア渓谷を眺め、キラウエアの火山をみつつ、このカラパナまで2時間、一人400ドル超のツアーだそうです。体重110kg以上の方はお値段も1.5倍という面白い話も聞きました。

バイパスから逸れ、細くなっていく道を進んでいくと、遂に駐車場と行き止まりの看板に到着しました。一応監視小屋?のような物もあるのですが無人です。歩ける準備をして細い道を歩き出すと、真っ黒な溶岩の中に転々と新しい家が建っています。恐らく溶岩が固まって、またここで暮らすべく帰って来たのでしょう。5分ほど歩くとカラーコーンなどで行き止まりの小さな広場が出来ていました。ですが、ロープがある訳でなく、2メートルほどの隙間があります。ここから遙かと奥に水蒸気の煙が見えますが、一昨日よりずっと近くに感じます。そして水蒸気の方を見ると人影が見えたので、少し高くなっている溶岩に上がればもっとよく見えるかも?と歩いて見ることにしました。濃い水蒸気は海からですが、山側の斜面でもあちこちに煙が上がっているのが見えます。溶岩は地下を通って海へ抜けているそうなので、溶岩の裂け目から熱気が上がっているのでしょう。

5分ほど歩くと、更に遠くに人影が見えます。かなり向こうですが、小高い溶岩の丘があるのでそこまで、とまた歩き出しました。ですが丘に登っても景色は変わりません。この先には人が居るから大丈夫!と、水蒸気を目指して再び歩き出しました。丘をいくつも超えると、今度はかなりの人数が遠くの岩場にいるのが分かりました。これは行けるだけ行ってみるしかないようです。歩くうちに、水蒸気の煙はどんどん近くなっていました。そして歩き出して1時間、たくさんの人がいる岩場に到着しました。

なんだか陽差しではない熱気を感じて顔を上げると、部分部分で岩場からゆらゆらと熱気が上がっているのが見えました。そう言えば足下もなんだかもわっと熱く感じます。離れた岩場に座っていたおじさんが「靴が溶けるから気をつけろよ~」と教えてくれました。靴が溶ける??と足下を見ると、なんだか溶岩が今までと違って、踏むとシャリシャリと音がして崩れていきます。両サイドの高くなっている岩場の上からはゆらゆらと熱気が上がり、ふと前を見ると岩の奥にちらちらと赤い光が見えました。ええええええっ、これ溶岩!?

ここやばいよ!とすぐにでも移動しようとしたのですが、上れば熱気の上がる岩場、正面は赤い光が見える岩場です。先に歩いていたダンナの後について、海側に少し下るとあの熱気が少し和らぎました。数年前は大学生がまだ固まっていない溶岩を踏み抜いて亡くなったという話を聞いていたので、もう生きた心地がしなかったのですが、足場の固い岩場でやっと安心できました。

そしてその岩場から、遂に海に落ちていく赤い溶岩を肉眼で見ることが出来ました。もうもうと上がる水蒸気、そしてその手前をぼたぼたと落ちている赤い光。3人で岩場に座り込み、暫くこの景色を黙って見つめていました(というか写真を撮りまくっていた、が正しいかも)。大勢居た人影は団体客のようで、どうやらガイドがついている模様です。確かにガイドが居ないと、うっかり熱くなっているところに入ってしまうと危険です。もっと近くに寄りたかったのですが、危険かもしれないのでここで引き上げることにしました。

行きは水蒸気を目印に、わくわくしながら歩いてきたのですが、また1時間強歩いて戻らなければならないのにはがっくりしました(笑)。溶岩上には道がない上、アップダウンもあるので出発した広場は全く見えません。幸いダンナが途中でiPhoneのGPSをオンしていたので、方向を確認しつつ歩いて戻りました。この辺りの溶岩は一昨日歩いた所とかなり様子が違います。真っ黒い場所、銀色に光る場所(多分鉄分が多いのでしょう)、ガラス質の多くキラキラと光る場所…ぼってりした固まりもあり、細かな皺が連なっていたりと本当に様々です。なので往復2時間強のトレッキングは飽きることなく楽しめました。

行き止まりの広場に戻ってくると、行きにはなかったロープが張られ、おじさんが一人立っています。私たちの姿を見ると、ロープを外して通してくれました。おじさんは二人の男性と話をしていたようで、Tシャツ半パンにスニーカー、水のボトルを持っただけの二人を通すことなく追い返していました。写真を撮りながらゆっくり歩いていたダンナを待っているとおじさんが話しかけてきました。英語がダメダメな私、話は殆ど分からなかったのですが、口調から何か諭されていると分かりました。ステラさんと話し合ったところ、恐らく不用意に入り込むと危険なのだということを言っていたのではということになりました。最後におじさんは私たちの服装や靴を見て頷きながら「あなたたちはラッキーだったよ」と言ったのは私にも分かりました。

その後タンクトップにジャージ姿の女性二人も通して貰えなかったようです。もう日暮れが近かったからかもしれませんが、本来ここは午後2時から午後8時まで入ることが出来、午後10時まで居ることが出来るそうです。暗くなると水蒸気が赤く染まるのが見えるそうで、そのため日が暮れてからの方が観光客が多いそうです。なのでこのおじさん、もしかしたら服装チェックなのかも??とも思いましたが結局分かりませんでした。ちなみに私たちの服装は完全トレッキングスタイルで、長袖(持参)にロングのパンツにトレッキングシューズ、リュックに帽子でした(ガイドブックでは長袖長ズボン推奨)。

夕暮れのカルパナを後に帰路につきました。この辺りからなら南回りも北回りも距離は変わりません。するとダンナはサドルロードを通りたいと言い出しました。レンタカー保険適用外ですが、とりあえずコナ側からオニヅカセンターへの分岐までは2回通っているので様子が分かっています。更に、ヒロ側は道路状態がかなり改善されているという情報がありました。時刻は午後5時、今から行けば日没前にはコナ側に降りられるでしょう。とりあえず行って見ようと言うことになりました。

ですがこれがなかなかサドルロードの入口に辿り着けません。持っているのはガイドブックの小さな地図だけです。海沿いのバイパスからはいくつか分岐があって最終的にサドルロードに行き当たるため、どこをどう曲がるかが詳しく載っていないのです。迷っているうちにだんだんと日が暮れていき、私は内心止めた方が良いんじゃ…と思い始めていました。30分ほど迷ってやっと道が上り坂の新しく舗装された道になり、サドルロードの表示になったのはもう午後5時半を過ぎていました。

ですが道路は広く、登りは2車線で舗装も綺麗です。そこそこ対向車もあるのでこれはいけるかも、とほっとしたのですが、暫く上ると白い靄が漂ってきました。同時に視界がだんだんと悪くなります。ハワイ島には街部分以外街灯が無く、夜になると真っ暗になります。なので道路の両端とセンターラインには色の違う反射鏡が等間隔で埋め込まれており、ヘッドライトで滑走路のように光るのです。ずっと先まで見えていたこの反射鏡が、霧が濃くなるにつれてどんどん見えなくなってきました。車の両側も真っ白、時折やってくる対向車のヘッドライトもかなり近くならないと見えてきません。ひえええええ~。Uターンする場所もなく、もう進むしかないのでスピードを落としてゆっくり登っていきます。もう反射鏡は2個先くらいしか見えなくなりました。もうこれはやばい、と思った時、きゅうにさーっと霧が晴れ、両側の木立が見えてきました。

霧が晴れるとまだ日が暮れきっていないのが分かりました。まだほの明るい溶岩台地が見えています。怖かった…!この後も霧は時折濃くなりましたが、ピークを越えたのかだんだん薄くなり、完全に晴れたと思った頃、見覚えのある噴石丘が見えてきました。オニヅカセンターへの分岐に到着したのです。

ですがもう辺りはかなり暗くなっていました。幸い道路の感じは掴めており、またコナ側は牧場や軍事演習場があるのでそこそこ車も通ります。半分ほど来ると道が悪くなり、非常に走りにくくなりましたが、なんとか無事にサドルロードを走り抜けました。ダンナも思ったよりコナ側の悪路がきつかったそうです。北側を回るのと時間は多分変わらなかったと思いますが、もし霧がなければかなり短縮できるでしょう。2013年中開通を目指して、もっと走りやすいバイパスを建設中だそうなので、これができればコナとヒロ間はとても行き来しやすくなると思います。

カルパナから休み無しに走っていたので、ワイコロアリゾートで休憩することにしました。前日同様、ここで夕食を調達、ステラさんは老舗のアロハシャツ店でご主人にお土産のアロハを購入していました。ダンナは到底似合いそうにないので購入は見送りましたが、なかなか可愛い柄もあったのでもうちょっとお値段が安ければ買ってみたかったです。

帰宅したのは午後9時過ぎ、かなりのロングドライブになりました。ビールにワインを飲んだらもう眠くて仕方ありません。翌日は実質最終日、ざっと予定をおさらいして就寝したのは0時を回っていました。明日も少し早起きで出かけます。
( 写真は枚数が多いので解説付きです)


テックスドライブイン。かなり賑わっている。


テックスドライブインのハンバーガー。ハンバーグ部分が厚い!


ワイピオ渓谷展望台からの眺め。下に降りて更に反対の斜面を登るトレッキングルート有り。


海側から見た避難区域標識。


こちらは山側から見た同じ標識。


ヒロで食べた塩キャラメルカップケーキ。小ぶりで美味。


カルパナの溶岩。転々と新しい家が溶岩の合間に見える。


白く煙る斜面。この山の上の火口が噴火中のプウ・オオ噴火口か。


よーく見ると真ん中にぽちっと赤い色が。実際の距離は10m未満かも?


こちらもよーく見ると煙の手前にぽちっと赤い光が。肉眼ではもっとよく見えた。


煙を目標に真っ直ぐ歩く。帰りは振り返って方向を確認しながら。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素敵♪ (madam-g)
2013-05-13 00:18:32
Aloha!!
ハワイ島の大自然を満喫中のご様子
ただただ羨ましい・・・・
写真からも、ネイチャーパワーが伝わって来ます!

自然のパワー、たくさん充電して来てね~。

あ~、私も久しぶりに行きたくなっちゃった!

コメントありがとうございます (satsuki)
2013-05-15 01:33:32
madam-gさん>
初ハワイ行っちゃいました。
オーストラリア並みの大自然にびっくりでした。
ハワイ島はパワースポットがたくさんあるそうなので
いろいろ吸収できたかな?と思っています。
是非行ってきてください~。

コメントを投稿