Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol252:Kindleはデジタルブックの未来を拓くか?

2007年11月29日 | 海外情報
今年のBigNewsの一つとして後世に語り継がれるのか?
それともAmazonの大失策に終わってしまうのか?
アメリカのAmazon storeでKindleという電子ブックが発売され話題を呼んでいす。
http://www.amazon.com/gp/mpd/permalink/m2S5YCKCJJ64W8:m1KUZNR4TVZSMM

Wikipediaによると、「その独特な奇妙なデザインからスノースピーダー(映画スターウォ-ズに出てくる戦闘機)」と呼ばれているそうです。確かにちょっと似ています。でも中からチューバッカは出てこないし、C3POも乗っていません。

日本では2004年にソニーから「LIBRIe'(リブリエ)」、松下電器産業から「ΣBook (シグマブック)」という電子ブック端末が同時期に登場しちょっと話題になりました。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/rev/av/20040519/108621/

両者の一番の違いは、電子化された書籍コンテンツのビジネスモデルの違いでした。SONYは一定期間が過ぎると読めなくなる「貸本方式」を採用し、一方の松下は「買取り」方式を採用していました。著作者の権利を保護し、書籍コンテンツのタイトル数を増やすためには前者が有利。従来の所有感を重視するなら圧倒的に後者。どちらに軍配があがるかと思っていたのですが、いずれのモデルも商業的には大きくブレイクするところまでは達していません。むしろ当時想定外であった「ケータイ小説」等が日本では普及してしまったため、「Amazonで電子ブック、何を今頃?」と感じる方が多いかもしれませんね。

さてKindleですが、ハード的には取り立てて興味を引くことはやっていません(キーボードがついている程度)。しかし、ビジネスモデル的には大胆なことをやってくれました。第一はKindle自体が3Gデータ通信方式のEV-DOに対応しており、パソコンに接続することなく書籍や新聞のデータをダウンロードできること。第二はそのダウンロードの通信費用はAmazonが負担すること、そして第三はすでに9万冊の書籍がKindleで購読可能になっているという点です。

さらに付属のキーボードは、eラーニングの視点からみると様々なことができそうな予感がします。お値段はちょっと高めの399ドル。

i-Podが音楽配信の世界で起こしたような革命をKindleが活字の世界でやってのけるのか?今後の日本マーケットへの参入はあるのか?非常に興味深いものがあります。

ともあれスノースピーダー君の実物を一度拝んでみたいものです。

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