時戻素

昔の跡,やがてなくなる予定のもの,変化していくもの,自身の旅の跡など・・・

(No.29) 小便小僧

2008年11月23日 23時56分56秒 | 現在の中の過去
【注意】特に後半部は食事中および前後の閲覧を避けることを勧めます。


 市民文化ホール横の文化公園に小便小僧がいる。

(2008年4月30日撮影)

 よく見かけているような気もするが,見られる場所はそんなに多くない気がする。
 性犯罪の増加や児童ポルノに関係した法律の制定などもあって,裸体観もここ十年間で変化してきているように思う。
 法律の問題ではないが,男の子兄弟の入浴を撮った場面において性器が見えていた映像などが放送倫理・番組向上機構が問題のある例として指摘していたようだ。 法案が出された時に,イラストなど架空の人物に対しても規制する案も出されていたようだ。それを受けてかどうか分からないが,アニメの((=;ェ;=))でも声優交代後は,入浴とか裸の場面をおさえているらしいし。以前のSかちゃんの家のお風呂に出てきて,微笑んでいるDえもんとN太の場面はもう見られないかもしれない。
 ここまで来ると,小便小僧もどうなんだろうと思ってくるが,今のところ問題はないからこそ各地で生き残っているのだろう。

 このような変化が起こっている中でも,鳥取県境港市には,こんな小便小僧がいる。


(2008年9月9日撮影)

 2008年の3月ぐらいに作られたものだったかと思う。時間に追われていたこともあり,ここに近くまで寄ることはなかったが,遠景の写真があったので拡大してみた。右上の台の上にいるのが例の小便小僧だ。ガイドによると幼少期の鬼太郎らしい。

 さて,小便小僧であれば,池におしっこをしている。しかし,人間の場合そうもいかない。立ち小便をしている人をよく見かけるが,法解釈は専門ではないので,断言はできないが,軽犯罪法次の条文に抵触しそうだ。
「第一条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十六  街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者」
 そうした場合を除けば,男子が立小便をするのは,トイレの小便器に対してというのがほとんどだろう。小便器の形態は多様であり,時代を感じさせるものもある。現在は新旧の便器が混合しているが,以下では,よく見かけるなと思う小便器の変化を取り上げてみたい。なお,この小便器の変遷を見てみようという考えは,今年(2008年)の3月,ある実習にて1つ下の男子学生とトイレで一緒になったときに,「このタイプの便器,めずらしいよね。」という自分の言葉に対して,彼が「分布とか調べてみたら面白いかも」と返してきたことによる。もちろん,ここでは分布といった大きなことは書けない。ただ,単にその変化を主観的に見ていくだけになるだろう。(もちろん新旧の判断もほとんどが推定。)

【再注意】以下,小便器の写真が出てきます。倫理に反する画像はありませんが,食事中やその前後の方や見たくない方はこれ以下を閲覧しないことを勧めます。















  
(撮影日:右から 2008.11.14 K院駅 / 2008.11.4 T山駅 / 2008.10.26 郡元公園)

 いずれも朝顔と呼ばれる便器だが,水の流し方が異なる。左は水洗化されていないため,水は流れない。(裏に高校があり,利用するが多い有人駅のK駅のトイレだが・・・)中央は,ボタンを押すことで水が流れる。このタイプに便器には本来便器と便器の間に仕切りがつくがここにはない。(路線内ではかなりの利用者があるT山駅のものだが・・・)右端のものはかなり珍しい。水道のひねる栓がついている。水量を調節できるが,止めるのも自分でしなければならない。一方ボタンは,一度押すとしばらくすれば勝手に水が止まる。しかし,誰が触ったかわからないものを触るのにはいくらその後で手を洗うとはいえ,抵抗がある人が多い。
 なお,先ほど出てきた最近あまり見ないといった便器は,この真ん中のタイプ。意識的に見てみると,まだ結構残っている。学校の古い校舎や公衆便所など。


  
(撮影日:右から 2008.11.5 法②1F / 2008.11.4 教文6F / 2008.11.5教文1F)

 左端は便器の形は異なるが,管に押しボタンのついた,ボタンで水を流すタイプだ。しかし,中央と左端にはボタンがついていない。使用後,自分の行動によって水を流すことはできない。
 水の流し方だが,中央のものは上にタンクが見える。(タンクが壁の中にあるなど見えないタイプもある。)タンクの中に水がたまると全ての小便器に水が流れる。タンクの水は常時入れられているものと,センサーで人を感知し,人が使用した後に水を溜めるタイプがあるようだ。ここの場合,タンクの横についているのがセンサーだ。このタイプの小便器は,公共施設,学校などで見られたが,使っていない便器にも水を流すなど水の浪費をしてしまったり,使用後すぐに流せないなどのデメリットがある。そのため,現在では数は減ってきているように感じる。もともとこのタイプだったものが,改良された形跡を残しているものもある。
 右端のものは黒い部分がセンサーになっていて,人が離れると水が流れる仕組みになっている。人がいた時間によって流す水の量が変わるらしい。今は,この型の小便器が主流になってきているように感じる。とは言ってもセンサーにも欠点がある。便器の前で話をしている人がいたらセンサーが感知して何度も水が流れてしまったり,尿の量ではなく,人がいた時間だけで水の量を判断したり,掃除など必要な時にすぐに水が流せなかったりしてしまう。


  
(撮影日:右から 2008.11.5 教②講1F / 2008.11.4 中図2F / 2008.11.4 理①1F)

 便器の型も様々だ。左端と中央は便器は同じ型だが,水の流し方がボタンとセンサーで異なる。中央と右端はセンサーによる洗浄だが,いくつか違いがある。

(写真サイズが小さいので,以下に拡大したものを・・・中央のものはちょうど中間にあると思われる型)









1 センサーの黒い部分の大きさが違う。右端が小さい。


2 水を流す管が右では見えない。


3 右端は便器の渕に溝があり,水も水鉄砲のように勢いよく流れる。



といった違いがある。
右の方が新しいデザインだ。
管がなく,センサー窓は小さくというのがスマートなデザインと考えているのだろう。ここでは主にT社のものを取り上げているが,ここで取り上げていないI社のものはまた形態が異なる。T社と異なり,便器中央部がへこんでいないものも多く見られる。

 また,センサーで水を流す便器は今では,大便器にも登場しているが,かつてはなかったため,何かのドラマで女性が男装してトイレに潜んでいたが,センサーで水が流れるのに興味をもって便器に近づいたり,遠ざかったりしている行動が女性であることを暴くきっかけとなっているものがあった。このタイプの便器が普及し始めた頃,「科学の力だ」と感動した子どももいたようだ。当初は使い方が分からないので,下のような自動であることを示す表記がされていたが,最近作られたようなトイレでは見なくなった。それだけ急速に開発されていったのだろう。

(上の中央のように自動洗浄でありながら,使用後は水を流しましょうと書かれたものを使用しているものもあるが・・・)



 一時期は新しいトイレは,学校などを除いて,全部センサー洗浄になっていたように感じたが,最近はボタン型も見るようになった。あまり人が利用しないところでは電力を消費するセンサーよりもボタンの方がいいのだろう。
 トイレが汚れて改築されていくとますますデザインは統一されていき,今のように色々な種類が共存することはなくなっていくかもしれない。


 これまで取り上げてきたものと大きく異なる型を最後に2つ挙げる。


(2006年5月4日撮影)

 肥薩おれんじ鉄道牛ノ浜駅の近くのトイレ。
 筒型になっている。
 上半分がないので違和感がある。
 


(2007年11月12日撮影)

 吉松駅のトイレ。初めトイレに入ったときは,どこに小便器があるのか戸惑ったがセンサーがついていることからここだと判断した。仕切りがあるので,隣が気になることはないが,壁に向かってというのは抵抗がある。使用後離れると自動洗浄が始まるが,水が落ちてくるだけのような印象。この便器,2008年9月10日に吉松駅へ行った時には,新しい便器に取り替えられており,もう見ることはできない。


 埼玉かどこかの料理屋の駐車場のトイレが壁の前に溝があり,壁から水が流れているだけで仕切りも何もなかった。それに比べればかなりましだが・・・


 何気なく使っているトイレの便器からも見えてくるものが結構ある。

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