奈落の迷子

観劇の渓谷に迷い込み、さまよい続けてはや××年。
いったいいくら貢いだことやら(涙)。

番外編「山崎まさよしLive」 05年3月13日市川市文化会館

2005-03-14 | Weblog
お芝居やミュージカルの感想をUpしようと始めたブログですが、
まぁたまにはこういう雰囲気の違ったものも「有り」かと思って
書くことにします。

山崎さんのLiveに行き始めてもう7年くらい経ちます。
そういえば、客席の平均年齢も微妙に上がってきてる。
みんな山崎さんと一緒に年とってるわけだ。

今回のツアーは10周年記念の「One Knight Stand Tour'05」で、
このツアータイトルが付くとバックバンド無しの一人だけのツアーです。
ツアー二日目で、まだ何となく手探りしてる感じがあるような‥。
でも、そういう感じを取り繕うことなく普通にステージに上がっているのが
山崎さんらしい。

ただ、ジックリ、しっかり音楽を聞かせることに徹してるというわけでもなく
最初から最後までスタンディングでグイグイ引っ張るでもなく
ちょっと中途半端な感じを受けたのは私だけでしょうか?
若いファンはアップテンポの曲で踊りたがっているし
年齢の高いファンは、まわりが立てば一応立つけど‥‥って感じで
山崎さん自身もファンの年齢層も「しっかり音楽を聴く」か
「一緒に踊る」かのどっちつかずになってるのかなぁ。

多分これからしばらく続くツアーの間に、どんどん雰囲気は変わっていくと思います。
実は2ヵ月後にもまた行く予定です。どう変わっているかが楽しみです。

市川市文化会館大ホールって初めて行ったのですが、今回たまたま
席が2階の上手後ろで良くなったせいもあるのだけれど。
収容人員二千足らずなのに、ステージの遠いこと。イメージとしては三千人入る
NHKホールみたい。空間効率(こういう言葉があるかは不明)が悪い印象でした。

今回ライブの印象もイマイチだったのは、きっとステージまでの距離が
遠かったのも原因だと思います。

「アンチゴーヌ」劇団四季自由劇場

2005-03-12 | Weblog
これは‥‥清濁飲み込んで「生きていくこと」を選んだ「大人」と、
あくまでも純粋を求めて「死ぬこと」を選んだ「若者」の対立でした。
そして、「大人」=クレオン(日下武史)の台詞が自分の心情に近いことを認識して
「私、年とったんだなぁ」と実感してしまいました。

クレオンとアンチゴーヌ(野村玲子)の「生きていくこと」についての
台詞のやり取りのシーンは緊張感に満ちておりました。

とても静かな舞台です。自分がどこまで「大人」になったか、確認できる‥‥
確認させられる試金石のような舞台でもあります。

これから観に行く方は、劇場の「静謐な空気」を感じてきてください。


若い世代で、お芝居の出来る人が育って欲しい。
今回の阿久津陽一郎さんと、芹沢秀明さんには頑張っていただきたい。
阿久津さんはミュージカルでは存在感を示していらっしゃいますが、
ストレートプレイはこれからですね。
そして芹沢さん。今回せっかく台詞のある役がもらえたのですから、
大変だろうけど頑張って欲しいです。
ちょっと目立ってくると四季を辞める方が多いんですよね。

「絶対辞めちゃダメ」とは言いません。
でも、自分にしっかり力をつけて四季で続けていけるということは
四季の外でも通用するということだと思います。
演劇全体、ひっくるめてのファンとしては、俳優さん全体的の
平均点があがっているのは嬉しいことで、なおかつため息まじりに
見上げるような「スター」にも出てきて欲しい。

「レ・ミゼラブル」帝国劇場 05年3月10日昼の部

2005-03-10 | Weblog
なかなか更新してませんが‥一応『観劇記』なので、劇場に行かないと書くことが無くて。
で、今日やっと更新です。「レ・ミ」行ってまいりました。
基本的に、とても好きな作品なので再演のたびに
複数回観に行くのですが、今回も2~3回行く予定です。
本当はもっと行きたいのですが、時間とお金がそれを許しませぬ。
あぁ、貧乏人はツライ

毎度のことながら独断と偏見に満ちておりますが、お許しください。

今井清隆バルジャン:いつもはまだまだ歌がお上手なはず。
う~ん、ファルセットにちょっと不満がありました。
でも、あの圧倒的な迫力ある声は拍手でしょう。
以前よりずっとずっと芝居も良くなってきたし(あー、生意気言ってすいません。
でも歌と比べるとお芝居はイマイチの感があるので。大味なんだもの。
でもでも、ホントに最近は芝居も歌に追いついてきたように思えます)

岡幸二郎ジャベール:相変わらずの『クールビューティー』でした。
いい感じで冷静で、憎々しさもあるし、ジャベール役のひとつの基本だと思います。

知念里奈コゼット:クラシックの声楽のお勉強を始められたのでしょうか?
発声が以前と変わっているように思えました。
声を鼻に抜けさせて響かせようとしているようで‥‥それがありありと
聴こえすぎて、妙に鼻にかかった部分もあったように思えました。
でも、ピッチはバッチリ合ってるとこが素晴らしいですね。
ソプラノの発声方法を完全に身につけたら、
すばらしいミュージカルシンガーになると思います。
お芝居もまだまだ向上の余地有りです。

小鈴まさ記アンジョルラス:頑張って力が入っているのか、
もともとそういう発声をする方なのかわかりませんが、
とにかく喉に力が入っていて、何とも硬い声。
基本的にいい声だし、音程はちゃんとしているので、あの硬ささえなければいいのに。
無理やり喉を閉めて声を出してるように聞こえました。
だから歌・演技も硬く聞こえる。もったいないなぁ~。

森久美子マダム・テナルディエ:前述の小鈴さんと反対に、もう自由自在。
舞台の上で、縦横無尽にあのキャラクターが動いてました。
今回の出演者の中で一番「スゴイ!」と思いました。
彼女の出番をもっと増やして欲しいほど。
ただ単に「歌がうまい」とか「体型が目立つ」なんて、そんなとこを超越してます。
圧倒的な存在感。彼女のマダム・テナルディエを観るだけでも
劇場に行く価値がありますよ。

私、手放しで褒めちゃいます。森さんの出演する日にまた行きたいなぁ。
彼女に負けないテナルディエを観てみたい。
あの存在感に対抗できるのは、市村正親テナルディエしかないと思うんだけど‥‥。
市村&森キャストは、私の個人的な夢のテナルディエ夫妻です。

あと‥‥客席に座っているおばちゃんへ
「家でテレビ観てるのとは違うんだから声出して反応したり、
連れの人に『あの人、××よね』と話しかけるのはやめましょうね。
周りの人の迷惑になりますから。」


次回はまた違うキャストで観ます。きっと違った印象になると思います。